rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

失敗に終わった地球規模の人体実験

2022-12-28 18:27:00 | 医療

新型コロナ感染症の流行が始まって約1年が経過した2020年11月に拙ブログでワープスピードで開発されて実際に全世界のヒトに投与されようとしている遺伝子ワクチンについて、「地球規模の壮大な人体実験が始まる」と警鐘を鳴らしました。第二次大戦におけるナチスや日本の731部隊などの「非人道的な人体実験の過ちを繰り返してはならない」として、医学的な人体実験に対する倫理基準として1947年にニュルンベルク綱領が明文化されました。また世界医師会によって1964年にヘルシンキ宣言が採択され、「人間を対象とする医学研究の倫理的原則」が定められ、少なくとも被検者となるヒトは、その実験のリスクや自由意志による参加を十分な説明の後に納得した上で参加する事が定められています。

厚生労働省はヒトを対象とする医学研究についての倫理指針を非常に細かく定めておりこれに沿って、医学研究を行う研究者は各施設の倫理委員会の審査を受けて種々の医学研究を行ってきました。しかし、人類にまだ使ったこともないできたての「遺伝子ワクチン」を実験的に使用するにあたって、WHOも各国政府も一切の倫理的検討は行いませんでした。またこれが危険な人体実験であることは世界中の心ある医学者達が声を挙げたのですが、SNS上でBANされることで拒絶されました。ワクチン使用のリスクについても被検者である世界中の人達に十分説明することはありませんでした。製造者である製薬会社はこの実験を行うにあたって「製造者責任は一切問われない」という免責事項だけは明確にして実験が開始されたのでした。

 

I.  新型コロナウイルスワクチンを用いた地球規模の人体実験の内容

 今回の人体実験では以下の内容について実験が行われました。

 

1)遺伝子ワクチンを世界中の人類に使ってみる実験

2)ワクチンで世界規模の流行病が制御できるかの実験

3)細胞性免疫を無視して、中和抗体の量だけを注目して感染制御が成り立つかの実験

 

II.  感染症を制御する仕組み概説

実験の各検討項目について結果を見る前に、感染症を制御するヒトの免疫機構について概説します。本当はもっと複雑系ですが、ごく大まかに図示すると以下の様になります。

1)細菌感染症

細菌感染は、皮膚や粘膜の外側にいる細菌が、本来無菌である体内に侵入して、増殖することから「感染」が始まります。免疫系が健全であれば、T cellなどの細胞性免疫が異物を認識し、B cellに命じて抗体を作らせて共同で細菌の駆除を行いますが、組織障害がひどくなると重症化して死に至る可能性もあります(敗血症、多臓器不全)。

 

2)ウイルス感染症

ウイルスは宿主の細胞内に侵入して増殖すると感染が成立します。感染しても発症しなければ何の症状もない可能性があります(C型肝炎ウイルスのキャリアとか)。ウイルスが増殖して免疫が反応すると種々の症状が出て発症します。その免疫反応が大きすぎて、宿主の細胞や組織の損傷が大きくなると重症化して死に至ることもあります。新型コロナウイルスによる肺臓炎で呼吸不全になる場合もこれにあたります。

 

3)今回のワクチンを使った実験

今回の実験ではワクチンを複数回打って疑似感染を起こし、感染が起こる前から多量の中和抗体を体に作らせて、「感染を防ぐ(発症ではなく)」試みがなされました。感染の診断にはウイルス1個でも反応してしまうPCRが用いられました。PCRを発明したノーベル賞受賞者のキャリー・マリス博士は、「感染症のスクリーニングにPCRを用いるのは適切ではない」と専門家として警鐘を発しましたが無視されました。

 

III.  それぞれの検討項目の実験結果

 

1)遺伝子ワクチンを人類に使ってみる

〇 急性障害 アナフィラキシーは繰り返し投与においても危惧されたほど多くは見られなかった。

〇 中期的障害 血栓症、免疫障害、神経系の障害、がんの増加などが徐々に報告数が増えている。これらは前回のブログで取り上げた通り。

〇 長期的障害 レトロトランスポゾンによるRNAの遺伝子への取り込みや不妊などへの長期的影響については5-10年の経過を見ないと分からない。

 

2)ワクチンで世界規模の流行病が制御(抑え込み)できるか

人類の歴史において、流行病をワクチンで制御できた例はありませんでした。多くは集団免疫を獲得して自然に収まるか、公衆衛生の発達で流行自体が収まりつつあった時にワクチンも開発されたといった天然痘の様な例はありました。今回初めてワクチンを世界の人達に投与して、流行を抑える実験をしてみましたが、明らかに失敗ワクチンを打てば打つほど、変異種が出現し、次の流行波が大きくなって感染者が増加することが実証されました。

 

3)中和抗体の量を考慮するだけで感染を防ぐことができるか

感染症の免疫機構は感染しても発症しなければよく、発症しても重症化しなければ良い。細胞性免疫が健全であれば、感染してから中和抗体を作って発症を防ぐことができる(ワクチン1回投与で70%の発症予防、2回投与でプラス10%程度)であることは新型コロナウイルスにおいても証明されました。やはり重要なのは細胞性免疫が健全であることであり、液性免疫の中和抗体の量だけでは、中和抗体の有効期間が次第に短くなってゆくことが立証されただけで、感染流行をコントロールすることは不可能であると解りました。

失敗から学ぶ事の大切さとその戦略という講義

今回の倫理審査も通していない地球規模の人体実験はどうも失敗であったと言えるのではないでしょうか。ハーバード大学のAmy C Edmondsonは失敗から学ぶというレクチャーにおいて、失敗は「予防可能な失敗」「複雑な失敗」「チャレンジの結果としての聡明な失敗」に分かれると説明しています。我々(日本人)はこの絶大なる実験失敗から何かを学び取ろうとしているでしょうか。まさか失敗にすら気が付いておらず、しかも何も考えていないなんてことは??

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神が予想しなかったワクチン

2022-12-23 22:38:12 | 医療

I.  神が予想しなかったワクチン

以前ブログで本来人間が持っている能力、感染や怪我を治すといった治癒力を助けるものは間違いなく「良い医療」だけれども、それを超えた医療(神の予想を超えた医療)は恩恵を受けているヒトには「善」であっても人類全体、或いは未来の人類にとっても「善」と言えるかは分からないという論説をしました。例としては不妊治療、透析、臓器移植、遺伝子治療などが挙げられます。ヒトを含む哺乳類は長い時間をかけて現在の「免疫」を含む生理的機能を獲得してきました。自然や外敵の状態に適合するために何等かの「変異」が体に起こり、それが生存に適していれば生き残って次代に遺伝的に受け継がれた結果、現在の我々があるのです。これは「神による選択」と言っても良い、この能力を助ける医療は「神の予想した医療」と言えるのです。しかし、この長期間かけた「適者生存」の過程を飛ばして本来持っている能力に逆らう、或いは全く異なる「非生理的」な事を施せば体が適応できなくなる、不都合が生ずる、という事は医学的・科学的素養の有無に関わらず誰でも理解できる事柄です。

 

人類は体内に侵入した細菌やウイルスなどの「異物」を免疫によって排除するシステムとして、免疫細胞が異物を認識し(認識できる種類は1012あると言われる)それに対する抗体を作らせる「免疫システム」を長い期間かけて獲得してきました。しかしその異物を「自分の正常細胞」に作らせて、「自分の正常細胞が作った異物」を自分の免疫細胞が認識する、というシステムは進化の過程で一切存在しませんでした。例外的な事例として「がんになった自分の異常細胞」が作った蛋白を「排除すべき異物」と認識する「がん免疫」(下図)が発達してきました。

がんの遺伝子変異によって作られる蛋白を異物と認識するがん免疫のしくみ

 

皮膚や腸などの上皮細胞、血液、骨を含む全ての細胞は日々新たな細胞に入れ替わっていて、神経細胞など一部の再生困難な細胞を除いてヒトの体は数年で全ての細胞が入れ替わっていると言えます。腸粘膜などは大抵の下痢が3-4日で治る様に、数日で全ての粘膜が入れ替わります。その多数の新たな正常細胞の中で、一部は出来損ないの癌細胞、毎日数千個の癌細胞が生まれると言われています。しかしそれらの癌細胞は「正常な免疫力」があれば「異物」と認識されて「がんとして定着・増殖」する前に排除されるのでヒトは癌にならないのです。

 

ところが、外から与えられた超多量のmRNAによって、自分の正常細胞が体の至る所で「抗原となる異物蛋白」を作り始めたら、自分の免疫細胞はこの「正常細胞」をどの様に認識するでしょう?人類進化の過程では「ワクチンによる正常細胞による抗原産生」などという事態は想定していなかったので、当然免疫細胞はこの異物を産生している「正常細胞」を「排除すべき対象」「癌細胞」と認識すると思われます。ワクチン接種後の種々の体調不良の原因の一つです。

私のブログで「がん免疫」について説明した際、がん細胞も元は自分自身であり、分身の様な物なので、自分自身の免疫にやっつけられない様に自己の免疫を抑制する物質(PD-L1)などを出す事を説明しました。そして免疫細胞側の受け手である(PD-1)やPDL-1を、「抗体で抑制解除をする薬剤」が、本庶先生がノーベル賞を取ったオブジーボなどの画期的な抗ガン治療剤であり、現在多くの癌治療に用いられていることを紹介しました。このPD-L1は様々な正常抹消組織にも発現して、免疫反応の制御に使われていますが、mRNAで異物を作らされる体中の正常細胞も免疫に攻撃されないようPD-L1などを発現するでしょう。すると本来排除するべき「数千個のがん細胞」もこの異物を作る超多量の「正常細胞」が発するPD-L1によって免疫をすり抜ける可能性があると私は考えます。

がん細胞が出すPD-L1は正常細胞も自己の免疫細胞に攻撃されないよう持っている

 

II.  科学論文に記されたワクチンによる免疫機構の障害

Sneffらは2022年2月の論文で、新型コロナのmRNAワクチンによって、新型コロナウイルスが自然感染した場合と全く異なる免疫反応が惹起されることを示しました。ヒトは1型インターフェロンによって感染、腫瘍、自己免疫疾患などの免疫調節、主に増殖のコントロール(TRAIL=tumor necrosis factor-related apoptosis ligandを介して)を行う事が知られています。しかしワクチンで使われたmRNAが、通常使われるuridineをpseuduridineに変えたことによって、本来1型インターフェロンが誘導されて増殖抑制が行われる過程が阻害され、いつまでもmRNAの機能が保持されてしまう事が示されました(この不具合について、ファイザー技術陣は時間が限られていたので少々の不具合は修正しきれないとインタビューで語っていた、と論文内で示されている)。1型インターフェロンの障害は癌免疫の低下にもつながります。結果通常は数時間で分解、不活化されるmRNAが、2週間以上も細胞内で蛋白を作り続けるようになったのです。またホスト細胞でワクチンによって作られた大量のスパイク蛋白と共にエクソゾームやmicroRNAという余分な成分が体中のあらゆる細胞に影響し、神経変性疾患、ベル麻痺などの障害、心筋障害、DNA修復障害、発がん性にも関与している可能性が示されました(上図 黄線部)。

 

また2022年10月に発表された論文で、AfsharらはVAERSほか多くの論文に報告された全身に現れたワクチンの副作用をまとめています(下図)。

コロナワクチンによって身体各所に惹起される副作用まとめ

 

III.  2022年の超過死亡増加の傾向について

 

2022年12月20日、厚労省は本年10月までの日本の人口動態速報を発表しました。それによると、2022年1月から10月までの全死亡者数は、2021年の同期間の死亡者数より93,853名(7.9%)増加しました。昨年の11月まで遡って1年間の死亡者数増加はその前の年、同期間よりも99,045名(6.8%)増加しました。通常前年との死亡者増減は大きな天変地異や戦争、疫病がない限り、せいぜい1-2%が常識です。10万人も死者が増加しているのは明らかな「異常事態」です。

以下に月毎の死亡者数の前年との比較図を示しますが、一般的に冬季に死亡者数が増加するのは例年通りなのですが、2-3月8月に突出して死亡者が増加している偏りがあることが明白です。これはこの時期に特別な事が起こった事を意味します。新型コロナ感染症の死亡者はこれほど多数ではありません。一体何が死亡数を押し上げたのでしょう?

厚労省の人口動態統計速報から(3月、8月の異常な死者増加は自然ではありえない)

 

年齢毎の死亡者数推移は、5か月前までしか発表されないので、最新の2022年1月から6月までの年齢別死亡者数の集計を前年同期間の年齢別集計と比べてみると、今年の死亡者(青線)は65歳以上の年齢層で昨年よりも増加していることが解ります。これは癌を含む成人病の好発年齢でもあり、ワクチンを追加接種した年齢層と重なるとも言えます。

年齢別の死亡者数推移 昨年との比較 (65-95歳の年齢層で増加)

 

超過死亡の増加は日本だけではありません。以下のグラフに示す様に世界中で超過死亡が異常に増加しています。

コロナが流行しはじめてから、世界中で超過死亡が増加しているが、2021年の春以降がどの国も積算で増加が多い。

 

IV. 実際の死因は何が増えているのか?

私は年間500例以上の自分の病院で死亡判定された診断書、検案書(診察24時間以内の死亡または心肺停止で運ばれて死亡)をカルテや死亡時のCT(Autopsy imagingと言い、解剖の代わりに死亡原因究明のため全例に行う)で確認をしています。全国ではこの1年で救急搬送の数が1.5倍に増加、それも軽症でなく重症や自宅での心肺停止が増加している印象があります(いずれ近々死因について全国集計が出るでしょうが)。

まず増加しているのは肺梗塞などの血栓症、これはCTでも分かり難いので実際の診断書では「不詳の内因死」による突然死と扱われる事が多いです。そして腸管血栓症による敗血症、脳梗塞、これらはワクチン接種後の血栓症の増加と関連があり(ワクチン接種と血栓症の関連については既に500以上の論文がある)ます。そして季節を問わず増加しているのが「初診時からの進行癌」「治療中突然進行が早まって死に至るターボ癌」です。現場を知らない疫学者が「進行癌の増加はない」とガタガタ震えながらワクチンとの関連を必死で否定していますが、いずれ隠し切れなくなります。なぜなら世界的にこれらが増えているのは真実だからです。

 

V. それでもワクチンを打ち続ける日本?

 

Our World Dataの統計で、各国のワクチン接種状況が解りますが、初回接種(2回)が終了した後、半年後以降のブースター接種を示した統計では、日本(韓国や香港などアジアの国もですが)は突出して、狂った様にワクチンを撃ち続けている事が解ります。

どうも初回2回目までのワクチン接種で、各国はワクチンは健康によくないと解り、日本以外の国は2021年の冬からブースター接種率は横ばいですが、西側諸国では日本だけがワクチンを打ち続けています。

日本は世界から笑いものにされていないか?

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通常兵力で勝てないものは核でも勝てない

2022-12-13 17:23:01 | 社会

1) 米国の誤った成功体験?

 

前回2022年10月26日に米国防省が新しい核(使用)戦略を策定し、今までの核先制不使用、核戦争を拡大阻止のための反撃能力としての核という基本ポリシーを変更し、米国と同盟国の危機的状況においては、相手が核以外の戦力であっても(戦術)核使用があり得る、としたこと。日本の外務省が翌日にはそのポリシーを外務大臣談話の形で正式に賛同したことを明らかにしました。これを受けて、予備役の訓練が終わって50万の大軍で冬季攻勢をかける準備をしていたロシアのプーチン大統領は「(通常戦力で圧倒的に優勢なロシア軍がウクライナ軍に間違いなく勝利する事に対して)米国が核の先制使用をほのめかして牽制しており、核戦争の危機が高まっている。」と警告を発したのでした。

 

しかし、通常兵力で勝てない軍が「戦術核」を使えば、当然相手も「戦術核」を同等に用いてくるので結局弱い方が負ける事は小学生でも分かります。ナイフと銃で喧嘩をして、銃が勝てるのは相手がナイフしか持っていない場合のみで、相手も銃で対抗すれば力が強い方が結局勝つのは当たり前です。米国は第二次大戦で核を持たず、しかも負けそうであった日本に「核」を用いて圧倒的勝利を得ました。「核使用」について、民間人への無差別殺戮であったにも関わらず、現在でも公には「正しい行いであった」として批難されることはありません。日本においても米国が核を用いたのは「日本が悪かったから」という事になっており、米国を正式に批難することは許されていません。

これが米国における核使用の誤った成功体験になっていると思われます。米国の威信を保つためには、「専制核使用をすれば、相手国は核使用をせず、通常兵力も撤退して米国の国益が保たれる」と「オバカとしか思えない知能」で今回の核戦略変更を行ったとしか思われません。「どこの馬鹿がこんな変更をしたのか」と米軍の退役将軍が嘆いたのも理解できます。

 

2) Great Resetによる地球の破壊が目的?

 

ウクライナ戦争におけるウクライナ軍の使い方を見ていると、とても戦略としてロシア軍に勝とうとしている(戦争の出口・目標を設けてそれに近い所でできるだけ有利に終止符を打つ)とは思えません。単にウクライナの若者を死なせ、国土を荒廃させ、欧州の経済と暮らしを疲弊させるのが目的としか思えない状況が続いています。とすれば「核戦争に持ち込んで双方で核を打ち合ってユーラシア大陸全体が荒廃してGreat resetになれば良い」というのが戦争の最終目的ならばそれに向けて正に突き進んでいると言えます。かねて準備の豪華な地下施設に避難すれば良い世界経済フォーラム系の人達(DS)はそれで良いのでしょう。

 

3) ロシア軍の現状戦略

 

プーチンも薄々「核戦争になってロシアを含む欧州全体を荒廃させるのが目的」なのは判っている様子。だからと言って通常兵力で勝てそうな状態を見逃す必要もない。そもそもミンスク合意は時間稼ぎとか言われて今更平和的解決を模索することもできないでしょう。ミンスクII前はドンバス側軍勢が圧倒的にキエフ政府に勝ちそうだったので慌てて独仏が仲介に入ってロシアが和平を呑んだのですから、ドンバス側にプーチンは負い目があります。

ウクライナ軍の前線にまんべんなく砲爆撃を連日ロシア軍は行っている。     前線自体はこの1か月動いていない(11月始めの前線の図)

結果今行っているのは「Bakhmut賭殺場」とも言えるロシアが撤退してウクライナ軍が泥地に進駐して塹壕戦になっているBakhmutを圧倒的砲火力で毎日攻撃して200-300名/日のウクライナ兵を殺す作戦です。キエフからは作戦もなく毎日500名単位の新兵(ポーランドなどの傭兵含む)がBakhmutの塹壕陣地に送られて、ほぼ第一次大戦の塹壕戦の様に500名近くのウクライナ兵が負傷や戦死(負傷しても人手が足らず後方輸送されない)しているそうです。西側からの高価な兵器は故障しても修理できません。第一次大戦と異なるのは、ロシア軍は塹壕戦をしていないのでほぼ無傷なこと。ドローンで平地の塹壕を偵察して一方的に砲撃してウクライナ軍を殺戮しているのです。ウクライナ軍も安全な場所に大きく撤退すれば良いのですが、西側報道がウクライナ軍快進撃と報道するので撤退できません。戦線は膠着して一切動いていない状況で、11月一月で24,000人近くのウクライナ兵(NATO軍6-7大隊)が犠牲になったと言われます。ロシアは冬季攻勢をかけなくてもキエフ側に「もう出す兵隊がいない」という状況に陥るのを待っています。

Bakhmutの塹壕の様子  第一次大戦の塹壕(右)とそっくりで寒さは半端ない

4) 今後の展望

 

ロシアはこのまま戦線を膠着させたまま動かない可能性があります。ウクライナ軍も現状継続でどんどん消耗しますし、欧州の経済、市民生活も疲弊してゆきます。かといっていくら先制核攻撃をするとしてもキエフに迫るロシア軍に対して、ウクライナ国内で使用するなら効果があるかも知れませんが、いきなりロシア領内に使えば本格的に戦略核による米国本土への核の応酬がはじまってしまいます。さすがにこれはできないでしょう。

西側の高価な武器は一度壊れるともう治せないというWSJの記事(金をどぶに捨てている様なもの)

 

コロナ騒ぎやワクチン強制が欧州においてなし崩し的に消滅していった様に、欧州の人達は日本人ほど馬鹿正直に体制に従い続ける事はしないものです。DSが何を画策しようと、結局思い通りにゆかずに新たな歴史が作られてきた(その度に新しいDS的支配者が変わっていった)と言えます。コロナ・ウクライナ問題、そして白けた温暖化問題も次第に背に腹は代えられない(欧米の)普通の人達の行いによって変わって行かざるを得ないのではないかと思います。中国・インド・トルコや東南アジア、アフリカ、中東などの圧倒的多数の人達はコロナ・ウクライナ・温暖化に惑わされない生活になりつつある。日本を含む西側の情報統制下にある我々だけがずっとおかしな生活を強いられ続けているようです。自棄になったDSが核のボタンを押してしまう様な事がないことを祈るしかないのかもしれません。

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米は先制戦術核使用に踏み切るか?

2022-12-09 22:44:22 | 政治

1) プーチンの核戦争脅威発言の真意は

 

ウクライナ戦争はロシアの冬季攻勢で型が付きそうである事は、日本を含む主要メディアでは全く逆の視方をしていて(3流情報を見ている限り実際の状況はつかめません)ピンとこないかも知れませんが、今までの拙ブログで解説した様に、米軍情報部などでもロシア圧倒的有利という一致した認識にあります。そのような中で2022年12月7日にロシアのプーチン大統領が「核戦争の脅威が高まっている」と発言した事に、「いよいよ追い詰められたロシアが戦術核使用に踏み切る。ロシアは狂っている。」という頓珍漢な報道が飛び交っています。今回はこの発言の真意について論考してみます。

2) 米国の新国防方針における核使用戦略の変更

2022年版 米国国防戦略

2022年10月27日、米国防省は2022年版の新しい国防戦略を発表しました。その中で、「Nuclear Posture Review」の第三章、「米国国家戦略における核兵器の役割」を解説した中で、今までの核使用戦略の変更を明言し、国家戦略上の脅威(米国およびその友好国<Allies and partners>含む)が生じた場合は、たとえ相手が核を使っていなくても(non-nuclear capabilities being developed and fielded by competitors)核の先制不使用や核戦争拡大を阻止する単一目的(No First Use and Sole Purpose policies)を見直す、と記しました。これには多くの元軍関係者や国際政治家が驚き、警鐘を鳴らしました。

国防戦略の中で明記された「核兵器使用目的の変更について(黄線部)」

核使用戦略の変更は「許容しがたいリスク」をもたらす、とする記事。 一体ワシントンの誰が考えたんだ?と疑問を呈する声も

 

3) 10月以降の米ロ首脳クラスの頻繁な会合で何が話し合われたか

 

2022年7月にアルメニアで米ロが秘密交渉をした際に、「今回の紛争で核は使わないと決めた」という情報があります。しかし上に記した様にウクライナ情勢が西側に不利になって米国は10月に核使用の戦略を変えてきました。

2022年10月21日、23日米オースチン国防長官がロシアショイグ国防相と電話会談。

2022年11月7日サリバン国家安全保障担当補佐官がパトルシェフ安保会議書記と会談。

2022年11月14日、バーンズ米CIA長官とナルイシキン露対外情報庁(SVR)長官がトルコのアンカラで会談。

2022年12月に入ってウクライナから発したドローンによりロシア内部の航空基地や燃料基地が攻撃され、当然米軍の支援も関わっているとされ、これらの結果を受けてプーチン大統領の「核戦争脅威論」が出てきたと考えられます。ロシアの冬季攻勢でウクライナ戦争に型がついてしまう事を怖れた米軍が上記の政策変更を盾に「ロシアに攻勢中止を迫り、中止しなければ核の使用も辞さない」と脅された場合、ロシアとしては「核戦争の脅威が高まった」と返答するほかないのです。

 

4) 一極主義者(グローバリスト)が諦めるだけで世界は平和になる

 

米国の核使用戦略は、核不拡散条約を順守する相手に核を使用することはない、と明記しています。逆に言うと核を持っている相手には先制核攻撃もあると宣言してしまっているのです。第二次大戦後の世界は5大国が多頭制で世界を治めると「連合国(United Nations=日本語訳は国連)協定」で決めました。それを中国の台頭は許さない、一度滅んだロシアが米国に隷属しないのは許さない、という思いあがった一極主義者(グローバリスト)が世界を核戦争に巻き込もうとしているのが今の危うい現状です。世界の殆どの人は一極主義でなくても良いと考えており、平和を望んでいます。一極主義にこだわる「馬鹿」が早く世の中から消えてしまえば、世界は(今よりは)平和になると確信します。

 

 (追記 2022年12月12日 )

5) 米国の新しい核戦略を真っ先に賛同した日本の外務省

 

米国の新核戦略が発表された翌日、日本の外務省(防衛省ではなく)は外務大臣談話の形で新しい核戦略を賛同ともろ手を挙げて賛成していました。

どのメディアも記者も「えっ?」と驚かなかったのが不思議。米国が通常兵器に対しても「核をつかう(広島・長崎と同じように、過ちは繰り返しませんからは嘘?)」と宣言したのを日本の政府、大臣が賛成したのに、これは罷免事案ではないのですか?

10月28日付のホームページ談話

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最期のチャンスを棄てたウクライナ

2022-12-02 23:28:17 | 政治

日本を含む西側主要メディアは未だにウクライナ戦争でウクライナ側が優勢であるというおとぎ話を流している様ですが、米軍NATOを含む実態を把握している勢力は既にウクライナ軍はほぼ解体され、ロシアの冬攻勢が始まると早々に勝敗が決すると見極めています。「ドニエプル川の東を非武装の緩衝地帯として、ドンバス、ヘルソン地区、クリミア半島をロシア領と定めて残る土地をウクライナ領とした上で非ナチ化、非NATO化を宣言してロシアと休戦する」のが現在取れる最良の選択でしたが、非国民のゼレンスキー大統領は延々とウクライナ国民を犠牲にする道を選びました。それは米国・NATOの外相会談の結果を見ても解るように、この窮状においても西側に新たな解決策を見出そうとする知性が枯渇しており、ゼレンスキー大統領自体がウクライナの主体ではなく西側の化体でしかないからです。

直ぐに削除されたフォンデアライエン委員長の投稿

 

欧州委員長のフォン・デア・ライエンが自らのTwitterでウクライナ軍の死者が10万人と漏らしてしまい慌てて削除した様に、ウクライナ軍は既に壊滅状態です。戦争初期にウクライナ軍の実態として「軍事研究誌」の論説をまとめたものをブログに載せましたが、死者10万人とすると、負傷者はその数倍であり、常識から考えて開戦当時からの戦闘能力は既に残っていないと言えます。前回のウクライナ情勢で紹介した様に、既にウクライナ軍にはポーランド傭兵が1万人以上参加しています。それはポーランドにいるより西側からの潤沢な支援金があるので、傭兵でいる方が儲かるからであり、心からウクライナのために志願して命がけで戦うポーランド人などごく少数でしょう。それでも既に4,000名以上のポーランド傭兵が戦死しており、ポーランド独立系のメディアでは下に示す様に米国のアーリントン墓地に倣った共同墓地が各地に作られていると紹介されています。以下はその記事の英訳を日本語にしたものです。

2月の開戦時にあったと予想されるウクライナ軍の陣容(軍事研究誌の論説のまとめ)

 

1) 不名誉な終焉:ポーランド傭兵のための米軍式墓地

2022年11月23日 ヤコブ・モニジャク

米軍の戦争墓地の様だと紹介されたボーランド傭兵達の集団墓地

11月初旬に、ポーランド地方メディアは米軍の戦争墓地に似た施設をオルシュテインに作ると発表しました。それはその都市住民と全国のポーランド国民を憤慨させました。「我々には共同の戦争墓地を作る文化はないし、そもそも一体何のためなのだ?」と。オルシュテインの市営墓地に作られた施設は35ヘクタール以上あり、まるで米国のアーリントン墓地の様に色だけが3種類ある同じ形の墓石が並んでいます。ここにこの施設が作られたのは、オルシュテインに駐屯する第16ポメラニアン機械化師団に関係した兵士の葬儀が激増した結果なのです。

 

ポーランド兵の死の原因は?

 

2022年2月にウクライナ戦争がロシアとの間で勃発した際、ポーランドのドウダ大統領とブワシュチャク国防相は公式にポーランド人にキエフ政権の傭兵になる事を呼びかけました。それに大16機械化師団の兵士とその退役軍人が応じました。公にされた情報ではそれらの中、1,200人もの傭兵たちが既に戦死し、数千人が負傷しました。墓石は将校用と兵士用の2種類があり、兵士用は60cm四方です。オルシュテインだけで1,700もの埋葬地があります。政府のプロパガンダを信じた多くのポーランド人の末路がこれです。

 

(引用終了)

 

2) 止まらないウクライナ兵の士気(morale)の低下

ロシア軍は5,000両の装甲車両、うち1,500両の戦車を含む大群で攻め寄せると衛星偵察で明らかに

新規のウクライナ兵は3か月ほどNATOの施設で軍事訓練を受けているということですが、3か月では命令を理解して銃を撃てるようになるのがやっとであり、高度なりゅう弾砲や精密機械を兵器として駆使する技術など付きません。結果ウクライナ兵は最後の休息を西側施設で取る事に費やし、軍事訓練に身が入らないと指摘されています。一方で衛星による偵察で、ロシア軍は冬にかけて54万人の再訓練を終えた予備役を含む正規軍を投入準備していると既に米軍は把握しています。ロシアは時間をかけて犠牲を最小にしながら、ロシア系住民を保護しながら軍事目標を達成する事が予想されています。煩悩に支配され、何の計画性もない西側に勝ち目はありませんし、電気、インフラの止まったウクライナでは軍事物資も生活物資も輸送できない状態(無線電信も通じない)にあります。現在ロシア軍対ウクライナ軍の戦闘の犠牲は1:10で圧倒的にウクライナ軍が虫けらの様に殺されている状態にあると米軍も認識しています。無責任にウクライナ軍を応援し続ける人達は、ウクライナ国民を死地に追いやる悪魔の様な存在だと私は思います。

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