rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

新型コロナウイルスの起源は?

2021-04-22 11:51:56 | 医療

大都市圏での新型コロナウイルス感染者数が拡大しており、政府は再度の緊急事態宣言の発令を検討し始めています。感染力が強い変異種による感染拡大であり、自粛をしようが強硬な対策を取ろうが、昨年同様ある程度広がってから再び終息に向かうのは仕方がない事だと思います。私がよく参考にしている米国の保守系ブログAmerican Thinkerにロシアの報道を研究しているリン・コルム氏の筆による「Covid-19の起源」について興味深い論考がありましたので翻訳したものを以下に載せます。原文はこちらにあるので読みたい方はどうぞ。

(引用開始)

American thinker  2021年4月18日

COVID-19ウイルスが、米国が支援した中国の研究室由来であるというのは本当か?

リン・コルム筆

 

COVIDの流行に関して大きな疑問が残っています。 一体そのウイルスはどこから来たのか? 何故拡散したのか?それらの責任はだれにあるのか ? 重要な問題は、「研究室で作成された病原体」が意図的であるかどうかは別として、何等かの原因で拡散してしまった可能性があることです。 ロシアと中国の報道機関は、「アメリカに責任がある」としている記事を送り出し続けていますが、それは中国の研究室における失策を隠す目的もありそうです。

 

2020年3月、ロシアの月刊ズベズダ([Red]Star)は、ジョージ・ソロスが「2019年後半にコロナウイルスを開発して放出した中国の武漢の研究所」に資金を提供し、アメリカもそれに協力したと非難しました 。 主流のアメリカのメディアは、その主張を「虚報である」と素早く却下します。 しかし、おそらくそれは中国の実験室で実際に起こった何らかの事故について、現実に人々の間に起こった風評を「プロパガンダ」の形でニュースとして報道したものだろうと思われます。この報道は、新しいコロナウイルスが中国の武漢にある、アメリカが資金提供をしていた研究施設における「実験室の事故」で放出されてしまった可能性について、調査するに値します。

 

2020年7月、2人の研究者、ジョナサン・レイサムとアリソン・ウィルソンがSARS-CoV-2(COVID-19)の遺伝子的起源に関する調査結果を発表しました。 発表されたCOVID-19のゲノム解析を行った結果、それは2012-2013年に中国雲南省の鉱山採掘抗から武漢ウイルス研究所のZheng-li Shiの下で働く科学者達によって採取された、生きたコウモリから得られたBtCoV  /4991(98.7%遺伝子が相同)とRaTG13(96.2%遺伝子相同)というウイルスに最も近似していることを発見しました。 彼らの研究目的は、Covidが2012年春にそこで働く6人の鉱夫が罹患し、3名が死亡した感染症との関連を特定することでした。 彼らの治療を監督した中国の医師は、レイサムとウィルソンの翻訳を原資として博士論文を作りました。

一方で、SARS-CoV-2は、これらの近似する2つのウイルスと異なり、ヒト体内で広範にウイルスが広がりやすくなるような、「アンギオテンシン変換酵素受容体」に取り込まれやすいスパイクタンパク質の変異領域を有していました。 もう一つの不可解な特徴は、SARS-CoV-2がコロナウイルスでは珍しい肺を標的としていることでした。

武漢ウイルス研究所のZhen-li Shi研究室は、コウモリのコロナウイルスを扱う武漢にある2つの研究施設の1つです。 ジョージ・ソロスやゲイツ財団ではなく、アンソニー・ファウチのNIAIDは、2014年6月1日から2020年4月24日を終了期限とする「コウモリ由来のコロナウイルスが人類に与え得るリスクについての研究」に、EcoHealthアライアンスを通じて助成金を補助していました。 2014年から2017年の間に、189.4万ドル(約2億円)の資金がShiの研究室に与えられました。その上、2015年には5年間で合計325万ドル(約3.5億円)のEcoHealth経由のNIH助成金が武漢ウイルス研究所に与えられ、2019年にはさらに370万ドルが次の5年間に与えられるよう契約更新されていました。 これらの研究の一環として、武漢ウイルス研究所は、試験管内および生体を用いた実験により、スパイクタンパク質の配列、感染性を自由に変革する技術、および他の遺伝子組換え実験を用いて、これらの新しいコウモリ由来コロナウイルスがパンデミックを起こす可能性を研究していました。

 

2020年1月下旬に湖北省から避難する前に武漢研究所で働いていたロシアのウイルス学者のグループは、トランプ氏が言うところのChineseコロナウイルスが、1.大きなゲノムからなること、2.潜伏期間が長いこと、3.それが引き起こす肺水腫が重度であることなどすべての条件が、このウイルスがパンデミック病原体となり得る要因であると確信していました。彼らは、2015年に雑誌ネイチャーメディシンに掲載された「ヒト細胞に感染可能になった遺伝子変異(キメラ)またはその様に実験室で遺伝子操作されたコウモリ由来のコロナウイルス」についての研究記事に注目していました。これら 15人のロシア人研究者全員が、2019-nCoV(COVID)ウイルスパンデミックの震源地となった武漢にあるウイルス研究施設で働いていました。 これらの研究者によると、彼らはマウスに感染するSARS-CoVとコウモリ由来のコロナウイルスSHC014を組み合わせました。 その結果、ヒトの気道で効率的に複製できる新しいウイルスが得られたという事です。 マウスを用いた生体実験では、肺組織における「顕著な病態を有する」疾患の発症を確認しました。 1つの特徴は、彼らの新しいコロナウイルスに感染した若いマウスはあまり重症化せずに回復する一方、高齢のマウスがサイトカインの嵐により重症化したということです - まさにCOVIDの人間の犠牲者のように。

 

2015年、武漢ウイルス研究所は管理レベル4の病原体を用いた研究を発表し、SHC014/SARS-CoVの人工合成ウイルスの作成について公表したことで、同研究所は中国初のBSL-4施設となりました。 本来はそこで初めて、武漢ウイルス研究所はコロナウイルスのような管理レベル4の病原体の研究のための施設と認定されるべきなのです。 2018年1月、BSL-4施設として必要な研究室の施設監視をするために、北京の米国大使館はアメリカの科学担当外交官を武漢ウイルス研究所に派遣しました。 彼らの最初の訪問の後、米国の視察チームはすぐに2つの「極秘ではないが重要」とされる経路でワシントンに調査結果を報告しました。 2018年1月19日の報告は、「武漢ウイルス研究所の科学者との交流を行なった結果、この新しい研究所は、“微生物に対して高度の機密性を要する実験室”を安全に操作するために必要な適切な訓練を受けた技術者と研究者が圧倒的に不足している」と警告しました。 彼らの最初の報告はさらに「武漢ウイルス研究所が行なっているコウモリ由来コロナウイルスの人間への感染可能性についての研究は、新しいSARSのようなパンデミックの出現を招くリスクがある」と警告しました。

 

NIHは、EcoHealthを経由して武漢ウイルス研究所に依頼した研究は「NIHが求めた優先事項と一致しなかった」と主張して、助成金を終了すると警告しました。 しかし、マイク・ポンペオ国務長官が指摘したように、伝統ある中国の生物医学研究所である武漢ウイルス学研究所にNIAIDが資金を提供し、提携し続ける全目的は、「安全基準が標準に達していない研究室からアメリカ国民を守るため」でした。 中国復旦大学遺伝学部の元学部長であるジャスティン・フェンドス教授は、中国の多くの研究施設を訪問し、「安全基準は、多くの場合、米国で期待されるものを下回るものであろう」と述べています。この事により、2020年8月、NIAIDは、武漢ウイルス研究所が行なう「コウモリ由来のコロナウイルスの機能獲得研究」に対して、Liの研究室に新たな助成金授与を決定しました。

 

多くの科学者は、武漢ウイルス研究所が行なっているウイルスの機能獲得についての研究は方法論として「得るものが少ない」と批判しています。ウイルスの 機能獲得研究は、遺伝子組み換え技術を含む実験室でのウイルス操作により、ヒトに感染する可能性を探ることで、結果として今までにないウイルスが偶発的に放出されてしまい、新規ウイルスによるパンデミックが発生する危険があるのです。「ウイルスの機能獲得」研究に関して、ジョンズ・ホプキンス保健安全保障センターのトーマス・イングルスビー所長は、「世界で最も偉大な研究所でさえ、間違いを起こす可能性がある」と認めています。 軍備管理・不拡散センターのマーティン・フルマンスキー博士は、実験室からの流出で発生した「パンデミックにいたる可能性を持った事故」の歴史的総括を発表しました。 それには3回にわたる別々のSARSウイルス(初代SARS)の流出事故が含まれていました。つまり1)2003年8月にシンガポール国立大学から、2)2003年12月にシンガポールで開かれた医学会議で研究契約を結んだ台湾のSARS研究者、3)そして2004年3月に病気になった中国国立ウイルス学研究所(NIV)の実験室研究者を治療した北京の病院看護師からです。 2003年の初代SARS流行の追跡調査において、2004年2月にNIVで2件の未公表の実験室内SARS感染が確認されました。 WHOは、他にもNIVにおけるSARSウイルスの取り扱いについて問題点を発見し、また実験室内感染に対する職員の監視体制の不備も指摘しています。

 

実験室の安全性に関する国際的な問題と、ウイルスの機能獲得研究に関する真の懸念を考えると、これらの米国が資金提供する研究所の徹底的な調査が求められます。 米国の調査は、メディアによる先入観を植え付ける霍乱に惑わされず、純粋に真実を探求する必要があります。

 

リン・ コルム は、アメリカの国益に影響を与えるロシアの報道内容を調査する翻訳者です。 彼女は2009年からプーチンの政策について研究している専門家です。

 

(引用終了)

 

上記を読むと、武漢ウイルス研究所の事故でウイルスが流出したなら、世界と米国に借りを作った点で「米国の援助を容易く引き受けた中国の失策」であり、米国も国益としては「いい加減な施設に研究をアウトソーシングした失策」と言えます。しかし経済Great resetを目論むDSの意図があったとすればDSにとって「Covid流出は大成功」であったと言えるでしょう。

また4月20日付けの読売新聞によると、日本の大学でも2週間ほどでCovid-19ウイルスを大量に培養する技術が開発されたというニュースがありました。遺伝子改変による変異種への対応(新しいウイルス合成)も可能ということで、日本でも実験室レベルからの新たな展開(リスクを含む)が可能という事です。また前のブログで中国の不活化ワクチン開発が早すぎるという指摘をしましたが、「従来数ヶ月かかった」という下の記事からも納得できると思います。

 

(引用開始)

新型コロナ「2週間で人工合成」可能、変異ウイルス解析が容易に

その他 2021年4月20日 (火)配信読売新聞

 

 新型コロナウイルスを短期間で人工合成する方法を開発したと、大阪大や北海道大などのチームが発表した。従来は合成に数か月かかったが、この方法を使うと2週間に短縮できるという。ウイルス遺伝子の改変も容易にでき、世界で拡散する変異ウイルスの解析に役立つとしている。論文が国際科学誌に掲載された。

 

 ウイルスの人工合成は、大腸菌にウイルスの遺伝子を組み込んで複製を作る方法が一般的だ。しかし、新型コロナは遺伝情報が多く、そのままの状態で複製すると予期しない変異が起きやすい。このため限られた研究者しか合成できず、時間もかかっていた。

 

 大阪大微生物病研究所の松浦善治特任教授らのチームは、感染の有無の検査にも使われる遺伝子増幅技術「PCR法」を活用。九つに分割した新型コロナの遺伝子と、つなぎ目となる遺伝子をPCR法で大量に増やし、最後に、元の並び順で環状につなぎ直した。環状の遺伝子を人の細胞に入れると、短時間でウイルスを合成できた。

 

 この方法では、遺伝子の特定の部分だけを自由に編集できるため、変異ウイルスを合成することも可能だという。

 

 朝長啓造・京都大ウイルス・再生医科学研究所教授(ウイルス学)の話「遺伝子の組み換えが容易にでき、治療薬候補の探索など様々な使い方ができる。遺伝情報が多い別のウイルスの合成にも使え、さらなる応用も期待できる」

 

(引用終了)

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変異種に対する免疫的多様性とワクチン

2021-04-16 22:52:46 | 医療

2021年4月に入ってから、落ち着きを見せていた新型コロナ感染症の新規感染者が世界的に増加傾向にあり、日本でも大阪府を筆頭に関東一円で新型コロナ感染症患者が増加しています。その理由は感染性が高い「変異種」の出現にあると言われています。報道によると、大阪府では変異株PCR検査陽性率は73.7%と、感染スピードが速いとされるイギリス型の変異株の感染が急拡大しているとされます。大阪府の分析によると、第4波は第3波と比べ、発症から重症化するまでの日数が7日と1日短くなっており、変異株陽性者は6日とさらに短くなっているそうです。重症化率も従来株で3%、変異株で5%程度となっており、「母数の少なさ等から単純比較は困難」としつつ、「重症化率は従来株と比べて高い傾向」と指摘しています。また、大阪府内の10万人当たりの新規陽性者数は週47人で、感染状況を示すステージ4の目安となる25人を既に大幅に上回っている由です。

 

今回報道をそのまま引用したのは、今まで新型コロナ感染症の脅威を必要以上に煽るために「医療ひっ迫」をオオカミ少年の様に何度も訴え続けてきたのが、本当に重傷者が増加する傾向が見え始めて、「今度は本当の脅威」になる可能性が出てきたからです。いつも引用するCorona world meterの集計では、全体としての死亡率、治癒率には変化はありません(図)。しかし日々の感染者数と特に重傷者数の推移をみると明らかに増加していて、特に変異種は従来種よりも若年者に感染する確率が高い事は確かなので、重症化した場合の勝負所も長期に渡る可能性が高く、結果的に重傷者が蓄積してしまう可能性があります。軽症者用の病棟の拡充は比較的簡単にできますが、ICUなど重傷者を扱える病床は簡単に増やせません。それは新型コロナだけが病気ではなく、他の疾患による重症対応も今まで通りに行わねばならず、ICUの病床もほぼいままで通りの疾患による患者数に合わせて全国的に作られているからです。私は毎日県内の感染者数や重傷者数を知り得る立場にいますが、明らかに変異種が増加し始めてから重傷化する率や重傷者が増加傾向にあることは明らかです。

世界における新規患者数は3月に一度減少してからまた冬場の様に増加しつつある   死亡率、回復率は全体としては変わらない

そうは言っても、上記図の様に、全体の患者数から見れば、変異種といえども無症状や軽い症状の患者さんが圧倒的に多いのであって、「人類が絶滅するような病気ではない」ことも確かではあります。だから医療者を含む一般の人は今まで通りの「三密を避けて、マスク・手洗い・うがい」以上の事をする必要はありません。

現在治療中の患者は全体としてやはり増加している。感染しないように注意は必要だろう。

 

〇 なぜ特定の変異種が注目されだしたか

 

以前から指摘している様に、新型コロナウイルスSARS Cov2 virusは2019年秋の発生以来、数百種類の変異種に分かれてきました。しかし科学誌Science(1)やNature(2)に特定の変異種の感染性や重症化率が高いことが報告され、WHOは 特定の変異種を2021年になってVariants of concern(VOC) 「懸念される変異種」と定義づけるようになりました。これらはイギリス型とされるB,1.1.7南アフリカ型とされるB,1.351ブラジル/日本型とされるP1などがあります(図)。他にも注意すべき変異種(variant of interest)、医学的に異なる結果をもたらす変異種(variant of high consequence)などの定義があります。

これらの懸念される所は、感染力や重症化率のちがいのみでなく、世界中で施行されているワクチンが効かない可能性がある事で、既にいくつかの報告(3)があります。

本来遺伝子的な変異は1か所ではないが、ウイルス自体の特徴が変わった原因と推定されるものを代表してB,1.1.7の様な表記でなく、N501Yと表しているようだ。

 

〇 なぜワクチンが効かなくなるのか

 

現在世界中で施行されている遺伝子ワクチンは単一のスパイク蛋白に対する抗体を作成します。その抗体は1種類ではありませんが、鋳型となるタンパク質は1種類であり、変異種となってアミノ酸の成分が変わるとタンパク質の立体構造に微妙な変化が生じます。その変化に関係なく宿主の既存抗体が反応してくれれば「交叉免疫」として有効になるのですが、反応しない場合は新たに鋳型を宿主の免疫細胞が認識して新規B細胞に抗体の作成を命じないといけなくなります。しかしワクチンによって宿主免疫細胞が役に立たない従来型のスパイク蛋白に対する抗体を全力で作成し続けていると、本当に必要な変異種に対する抗体を作る余裕がなくなり、かえってワクチンを打ったために他のウイルスに感染しやすくなってしまいます(図)。猫の遺伝子ワクチン投与の実験が失敗に終わって宿主の猫が全て自然のウイルス感染で死亡してしまったのはこのような経過であったと思われます。

従来のワクチンも必ずしも全てが有効ではありませんが、交叉免疫的に有効な例として表示しました。

 

〇 細胞性免疫の重要性

 

遺伝子ワクチンを推奨するにあたって、私が懸念したのは、前回のブログでも紹介した様に「中和抗体の産生量」ばかりが有効性の指標として喧伝されている事で、本当に大事なのは前ブログ内で紹介した論文に述べられていた様に(メモリー)T細胞があらゆる種類のコロナウイルスに対しても反応しえる多様性(図)を維持して存在する事(ファクターX)なのです。だから単一の抗原を作り続ける遺伝子をブースター投与(複数回投与)したり、DNAウイルスを感染させて半永久的に宿主に抗原を作り続ける事は「自然な免疫反応に対して邪道」だと考えます。私は生理的状態より異常に長く蛋白を作り続けるのが不安でしたが、いずれは消えると予想されるmRNAを1回投与なら良いだろうと考えてファイザーのワクチンを1回だけ打ち、2回目は打ちませんでした。私の外来に通ってくれる高齢の患者さんたちから、最近ワクチンの相談を受ける機会が増えましたが、私を信頼してくれる患者さんには、「副反応が強い可能性があるから1回だけ受けたら良いですよ」と余計な説明はせずにお話しています。

遺伝子再構成による10(12乗)種可能と言われる多様性獲得のメカニズム(Kotai bioさんのページから)

 

〇 コロナパンデミックは終息しないのか

前回のブログでは、世界においてはもうある程度集団免疫に達しつつあるのではないか、という見通しを述べましたが、それは今も変わりません。日本が欧米の様な大量感染発生に至る事は今後もないだろうと見込んでいます。また世界における流行もあと1-2回はピークを迎えるかも知れませんが、大きくは終息に向かってゆくだろうと予想します。既にテキサス州のように一切の制限を撤廃して1か月以上経過しても感染者が増加していない地域も出てきています。もっとも「新・新型コロナCovid-21」の様なものが新たに出現したらその限りではありませんが。

参考

(1)Davies, N.G., et al., Estimated transmissibility and impact of SARS-CoV-2 lineage B.1.1.7 in England. Science, 2021.

(2)Davies, N.G., et al., Increased mortality in community-tested cases of SARS-CoV-2 lineage B.1.1.7. Nature, 2021.

(3)Kustin T., et al., Evidence for increased breakthrough rates of SARS-CoV-2 variants of concern in BNT162b2 mRNA vaccinated individuals medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2021.04.06.21254882

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Grumman F4F-4 Wildcat Airfix 1/72, Vought F4U1D Corsair Hasegawa 1/72

2021-04-10 16:07:47 | プラモデル

太平洋戦争時の米海軍艦上戦闘攻撃機2機種を作りました。グラマンF4F Wildcatは日本との開戦直前にBrewster Buffaloに替わって採用されたグラマンの傑作機で、空母のみならずミッドウェイやガダルカナル基地にも海兵隊所属機として配備されて活躍しました。零戦とは互角とは言えないまでも、後期型は12.7mm機銃2丁が追加されて6丁になり、強力な武装を誇ることで後継機F6Fヘルキャットへの橋渡しとなりました。エンジンはP&W R1830 1,200馬力エンジンを搭載し、中高度向け2段過給器を付けて時速650kmを誇りました。計1,169機生産されたと記録されます。

Airfix 1/72 F4F-4 Wildcat  翼を畳んだ状態で作製

模型は新金型で降着装置も精巧に再現されてパズルの様に組み立てて行くと綺麗に仕上がる感じです。4型から採用になった翼をたたんだ状態での選択も可能で、都合2機分の翼が入っているのが素晴らしいです。空母上で翼をたたんだ状態の機を作ってみたかったのでそちらを選びました(Airfixの新金型を敢えて購入したのもこれが目当て)。垂直尾翼のトリムがオフセットされている所も芸が細かい。塗装は1942年頃の標準であった下面ライトグレイ、上面ブルーグレイの2色塗装です。CV−6エンタープライズ搭載の機を再現しています。ブルーグレイに何を使うか迷ったのですが、陽の当たり具合ではもっと青みがかった色にも思えるのですが、制作図の色見本に一番近いニュートラルグレーを選びました。1942年当時は味方同士の誤射を防ぐ目的で国籍マークを目一杯大きく両翼上下に記載し、尾翼も目立つ様に赤白のストライプを描いていました。

機体とプロペラがコルセアの方が一回り大きい

F4Uコルセアは、初めに強力なエンジンありきで設計された珍しい戦闘攻撃機です。P&W(プラットアンドホイットニー)R2800ダブルワスプ空冷エンジン2,000馬力を搭載するため、3.82mもある大きなプロペラを採用、そのプロペラを回して地面に当たらない様に、胴体を挙げる逆ガル式の翼を持った特徴的な機体が開発されました。時速693km、12.7mm機銃6丁を搭載し、1,300kgの爆装が可能でした。F4U1Dは主脚を改装して空母への着艦を可能にした実用型で、シリーズでは計12,000機が生産されました。F4の名称はワイルドキャットと混同することがあり、実際整備面で米海軍内でも問題になったようです。

ハセガワ F4U 1Dコルセア 1/72 3色スキームで塗装してみました。

逆ガル型の翼の特徴が良く解ります。

模型はハセガワ製で1988年とやや古いものの、作り易く整合も問題ありませんでした。塗装は1943年から採用された下面白、側面にインターメディアエイトブルー、上面はシーブルーの3色迷彩にしてみました。コルセアはワイルドキャットと異なり、翼を上に跳ね上げて畳むので、白では目立つため、翼の2/3はインターメディエイトブルーに塗装されます。箱絵は1944年3月以降に採用となった全面シーブルーの塗装で、空母航空群毎に目立つシンボルを記入した物になっています。上向き矢印はCV−17バンカーヒル搭載の機です。F4の2機種を並べてみました。やはりコルセアのプロペラは大きいです。

翼下面の折り畳まれると空母甲板上では上面になる部位はインターメディエイトブルーで塗装されました。

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Messerschmitt Bf 109 E3 Tamiya 1/72

2021-04-06 16:12:23 | プラモデル

タミヤwarbird collection 1/72 戦闘機の定番とも言えるメッサーシュミットのうち、初期型で最も活躍したE (Emil)型を作りました。Bf109は高速多用途機Bf108タイフンをベースに戦闘機として開発され、1936年デビュー後BCD型などの初期型はスペイン内乱ではソ連機を圧倒する強さを見せました。エンジンはD型まではユンカースJumo210を搭載していましたが、E型からは現代の自動車エンジンでは当たり前になった直噴型エンジンのダイムラーDB601A、1,100馬力エンジンを搭載し、最高速度570kmを誇り、機首の7.7mm機銃2に加えて主翼に20mm機関砲2、各60発を装備し(武装強化したE3型)て爆撃機の迎撃も数発命中させれば可能となる強力な武装となり、以降大活躍をします。気化器を用いない直噴エンジンはドッグファイトに絶対的に有利であり、運動のGによって気化器への燃料が減少し、エンジン停止してしまうリスクを下げます。しかし航続距離が660kmほどしかなく、Battle of Britainにおける爆撃機護衛の弱点になりました。

旋回性能よりも高速での一撃離脱を前提にした翼面積の小ささは、好敵手のスピットファイアと比較されますが、低速での着陸を可能にする前翼スラット、後縁のスロッテド・フラップなどは現在の航空機でも応用される先進的な機構でした。内側から外にしまう主脚構造は、着陸時の損傷を受けやすい弱点でした。主翼の捻じれ強度を保つための桁を前方25%の位置に置く必要などから本当はフォッケウルフの様に外側からの引き込み脚の方が安定しており、翼内などへの燃料タンク造設も可能となったと思われます。しかし戦時中で大規模な設計変更の余裕がなく、後のK型に至るまで主脚格納についての改善は行われませんでした。

E型のプロペラ・スピナーは先に穴が開いていて、F型以降で標準となる軸内機銃が装着されている様にも見えますが、BD型で一部テストされたものの、安定した作動ができずに撤去されたという事です。実際はメッサーシュミットはF型以降の軸内機銃装着によって前方への集中的攻撃能力が確実になったと思われます。

1937年当初はダークグリーンとブラックグリーンの折線分割迷彩(スプリンター迷彩)が主流でしたが、1939年の大戦開始以降はダーク系迷彩は遠方からも視認可能ということで今回使用した薄い色彩の迷彩になった。

今回使用したダークグリーン71とグレイ02の迷彩の他にグレイグリーン74とグレイバイオレット75の迷彩も使用されるようになるので次回はそちらを試したい。

流石にタミヤの比較的新しいモデル(2000年ですが)なので、凹モールドで墨入れも楽であり、仕上がり後の見栄えが良いと思う。

模型は作って安心のタミヤ模型だけあり、2000年の発売モデルで、細部に至るまで手間なく、また精密に作りこまれています。凹モールで墨入れも奇麗にでき、デカール類も細かいものまで良くできていました。塗装は1940年当時欧州内での制空権を得てから、下面色のライトブルー65を機体側面にまで伸ばした明るい迷彩であり、上面はRLMグレー02とダークグリーン71の折線迷彩です。しかし英国上空での苦戦から側面を目立たなくさせたグレーのモットリングと呼ばれる斑点迷彩が追加されるようになり、今回はそれを加えました。JG54所属の1940年、フランスにおける塗装です。大戦初期の好敵手であったハリケーンと並べてみました。やはり胴体後部が羽布張りであるハリケーンは一時代前の戦闘機という印象があります。

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BS世界のドキュメンタリー「さまよえるWHO」2020仏製作

2021-04-05 12:34:23 | その他

トランプ政権が脱退を表明し、新型コロナウイルス対応でも批判が絶えないWHOの歴史と現状の問題点をフランス独自の視点から遠慮なく描いたドキュメンタリーです。現事務局長のテドロス氏の対抗馬であったデュストブラジ氏の話も交えてかなり批判的な内容ではありますが、国際機関というだけで崇めてしまう日本のメディアには作れない内容の濃さがありました。

以下に新型コロナについての新視点も加えて、歴史的経緯のまとめを印象に残った点を時系列で示して備忘録的に記します。

NHKの番組ホームページからの画像

 

  • 東西冷戦下に弱小国連組織として設立されたWHOが天然痘撲滅で一躍脚光を浴びる。

WHOは1948年に国連の一機関として設立されますが、一部の国々しか参加せず、活動も盛んではありませんでしたが、東西の医師達が協力して天然痘を撲滅した事から政治から独立した、医師と科学者達による人類の健康に資する国際機関として注目されるようになった。

 

  • アル・マータ宣言が却って先進国の反発を招く

1978年、当時ソ連の一部であったカザフスタン、アル・マータにおける総会で、西暦2000年までに全世界の人々を健康にする(医療と公衆衛生を平等に展開する)事を目標に掲げ、WHOの意義が高揚されたが、かえって米英などの先進国から、後進国が平等に発展することへの反発が出る結果に。

 

  • 対AIDS対策では消極的であり後手に回る

1979年に未知のウイルスであるHIVが同性愛者やアフリカで蔓延したが、WHOは道徳的問題を理由に積極的に動かず、結局アフリカに蔓延。

1990年UNAIDSというWHOとは別の機関が作られて対応。

 

  • 予算が足りず、民間財団の寄付に頼る運営

中小国家も大国と同じ1票という状況を嫌がり、大国は負担金をカットして結局民間の財団による「使途限定」というひも付きの寄付金頼みの運営になる(下図)。運営方針はワクチンなどの偏った内容になる。

Wikiに提示されたWHOの出資者 中国は10指にも入っていないが絶大な影響力がある。

GAVIアライアンスは「予防接種のための世界同盟」の事で経済グレート・リセットを目論むWEF(世界経済フォーラム)が設立。ゲイツ財団と共に世界にワクチンを強要する事を目的としている。

参考までに:EUが掲げる全国民へのワクチンパスポート導入への手順(2018年からプロジェクト開始)コロナのお蔭で予定通りに、抵抗なく2022年にはワクチンパスポートが本格的に導入されようとしている。

 

  • 2003年SARS1対策で中国に喝

2002年末のSARS1が広東で発生した際は、当時WHO事務局長、医師でノルウエー首相経験者のブルントラント氏は中国に対して強い態度で情報公開と対応責任を迫り、封じ込めに成功。中国としては大国のメンツを潰された結果となり、国家としてWHO乗っ取り(コントロール)を目標に動き出す。

 

  • 中国の反撃

弱小国も平等に1票を逆手に取り、積極的にアフリカに支援することで国連の主要機関のトップを中国人が占める事に成功。WHOも2007年から2017年の間、香港の衛生トップであったマーガレット・チャン氏がWHO事務局長となった。その次は事務局次長のフランス、デュストブラジ氏が立候補したが、中国が推した現テドロス氏が事務局長になる。

 

  • テドロス事務総長の就任と新型コロナ対策

2019年12月武漢での新型肺炎集団発生の報告を受けてからも、中国の指示で世界的アラートの発令を遅らせ、人の交流も継続する事を中国の言われるままに容認、いよいよ世界で新型コロナが発生してからパンデミックを宣言するWHOの新型コロナへの初期対応の不完全さについては周知のとおり。

 

〇 好対照を示した台湾当局の対応

  番組では台湾の衛生主任である陳時中氏のインタビューを載せていたのですが、注目に値するのは「2019年10月に武漢で正体不明の感染症発生との情報があり、2003年の台湾におけるSARSの経験からすぐに国家的な準備態勢に入り、12月肺炎発生の報告と同時に隔離や入国制限の処置をした。」と台湾における新型コロナ封じ込めの経緯を明かしていました。大事なのは「2019年10月に正体不明の感染症の情報」を既に台湾当局が掴んでいた事実で、当然中国当局も掴んでいたはずです。番組内に非常に大事な事実がシレっと挿入されていました。そしてそれが武漢ウイルス研究所関連であったからこそ、12月に新型肺炎の危険を訴えた民間病院の医師を「騒ぐな」と処罰した訳です。台湾がWHO加盟国(団体)で、しかも2003年当時の様な中国から独立した組織であったならば、10月の段階でWHOにアクションを起こすよう警鐘を発したはずです。

 その後、台湾のジャーナリストがWHOの広報官に今後の台湾加盟について取材をした時の映像が流されましたが、「質問が聞こえない」とはぐらかされた上、再度質問した段階で通信回線を一方的に切る、という対応をされました。

 

〇 彷徨い続けるWHO

  日本ではWHOというだけで、公平中立な上に非常にレベルの高い、権威ある国際組織であると思い込んでいるメディアや人たちが沢山います。そのような時代もありましたが、それは時代と世界情勢によって変化するものです。2000年頃「米国の医療が日本よりはるかに優れている」というとんでもない「デマ」に私も「医学は一流だけど医療は三流だ!」と反論していた事を思いだします。さすがに米国民の医療格差はマイケル・ムーア監督の映画「シッコSicko2007年」などで紹介されて今では米国医療の実態が理解されました。

日本も「日本国民のため」になる政策を、WHOの見解を丸のみにすることなく、独自の情報と解析を行って検討してゆく必要があります。少なくとも欧州の国々にはその基盤と心構えがあることをこのドキュメンタリーは示していると思いました。

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