rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

F35B 航空自衛隊仕様ハセガワ1/72

2019-09-24 16:56:06 | プラモデル

 次期航空自衛隊主力戦闘機として導入が決まったF35の艦上戦闘機バージョンでこれも購入が決定したF35Bタイプの模型を作りました。通常戦闘機仕様のAタイプとB型の大きな違いはSTOL/VL(短距離離着陸と垂直着陸)と呼ばれる機能が付いている事です。垂直離陸も可能ではあるのですが、兵器などを積載している状態では制限があるので空に近くなった状態で着陸は垂直で行うことを前提にしているそうです。これを使うと大型の空母は不要で上陸強襲艦などの甲板を利用して戦闘機の離発着が可能であり、大型空母1隻の値段で小型艦艇6隻を運用して同等以上の航空打撃力を運用できると言われています。自衛隊ではいずも型のヘリ母艦で運用することで島よの防衛に活かす事を考えています(米軍の公開訓練風景)。

 VTOL機で有名なのは英軍のハリアー攻撃機ですが、これは1970年代から実用化され、島よを守る戦争であったフォークランド紛争でも活躍した記憶があります。当時米軍よりも小型の英国空母のジャンプ状の滑走路からSTOL離陸したハリアーがアルゼンチン軍のシュペルエタンダールと互角に張り合った事からこの手の戦闘機の有用性が確認され、その後米国海兵隊でも正式採用されて改良型は21世紀の中東紛争でも活躍しました。

 大分昔に作った1/72のハリアーと並べてみましたが、F35は1.5倍以上大型になり、乾燥重量もハリアー6tに対してF35は14tと倍増、エンジン出力もハリアーのロールスロイス・ペガサスが95.6kNに対してF35はプラット&ホイットニーで180kNと増加しています。垂直離着陸の推力は、ハリアーが4本のジェット排出ノズルの方向を変える事で得ているのに対して、F35Bはターボファンから得た回転力を機体中央に設置されたリフトファンの回転に変えて推力を得た上で、後方のジェット排出ノズルも下方に変更し、その2点の推力で垂直方向の力、両翼の車輪外側の部位にある排出口から圧縮空気を排出して調整を得ています。恐らくこの複雑さが、F35Bの実運用実績が半分(調整が大変で故障も多い)で、飛行寿命も通常のジェット戦闘機が6,000-8,000時間であるのに対して(A型は8,000)2,000時間程度しかない原因となっているようです。使えない高い買い物になるか、持ってて良かったと結果的になるかは戦略的運用と時の運とは思いますが、ステルス性を含めて他に同等の変わる物がないことも確かです。

実質2世代古いハリアーよりもかなり大型になったF35B            中央に下方を向いたジェットノズルが見える。ハリアーもそれなりに美しいフォルムと思う。

 

 さて、模型はさすがにハセガワ製で細かい作り込みも見事で機の特徴が良く表れています。デカールが130番位まであって、機体の塗装はニュートラルグレーと明るいグレー(スカイグレーで代用可能)です。メインの組み立ては単純ながら組み上がってから130種類ものデカールを貼って行くのは大変であり、尾翼やハッチなどを付ける前に塗装して貼ってしまった方が作り易かったと反省しました(これは一度作ってみないと解らない)。B型のリフトファンとそれを動かす軸も再現されていて、スタンドと合わせると垂直着陸時の臨場感溢れる姿を再現することも出来ます。

リフトファンの空気取り入れ口や排気口が再現されていて、デカールも細かく、数が多い。

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人間の行動の源は感情

2019-09-21 07:58:27 | 医療

 動物もコンピューターを含む機械も目的を持った行動をすることが可能ですが、達成された目的が同じであっても根本的な違いというのはその行動(言動)の源が感情か否かではないかと最近考えるようになりました。機械の行動の源は電気(或いはスイッチ)のon offであり、電気が流れることで複雑なアルゴリズムを解いて目的が達成されます。スイッチを入れない限り何も起こりません。動物や昆虫が人間と同じ感情を持っているかは確かめようがありませんが、最近中野信子氏の脳科学についての著書「サイコパス」(文春新書2016年刊)、「脳内麻薬」(幻冬舎新書2014年刊)、「ひとはいじめをやめられない」(小学館新書2017年刊)などを読んで、ヒトの脳で快不快を感じさせる物質としてセロトニンやドーパミンなどの物質が関与して、それらが言動の源になっているのならば、本能に従うことで何らかの快感を覚えながら昆虫の類も行動していると考えてよさそうだと思います。ヒトの場合は単なる感情のみでなく、唯識論で言うところの末那識、阿頼耶識といった複雑な思考過程(その前に視・聴・味・嗅・触の五識と起きている感覚である意識の6識がある)が行動に影響しているとは思いますが、茶碗を取るといった一つの動作にも、取る事による次なる目的へつなげる達成感という快の感情が行動の源になっている事は間違いありません。

 

 こう考えるようになったのは、最近認知症的な身近な人と接していて、その話す内容があまりに作話的で滅裂であったので、「何ゆえそのような作話になったか」を考えた時に、「快、不快の感情」がまずあって、その感情を説明するために思いついたもっともらしい話を適当につなげて話しているという事に気がついたからです。よく考えると認知症でなくても、ヒトはすべての言動において「初めに快不快や渇満などの感情」があって、その感情を合理的に説明、達成するために行動を起こしていると気がつきました。認知症の場合はその合理性が穴だらけになっているだけだなと。

 この感情を起こさせるセロトニンが枯渇すると、いわゆる「うつ病」になってヒトは行動する意欲がなくなってしまいます。無感情であれば何も行動がおこらない、ただじっとしているだけの存在になります。逆に覚せい剤などでこれらの物質が不自然に増えると多動多弁、Highな状態になって、その時創造的な仕事は捗るかもしれませんがそれは本人の本来の人格や能力とは異なる言動であって、後々問題を起こすことになるのです。ねずみの実験でレバーを押すと脳内にセロトニンが出されるような仕掛けを作ると寝食を忘れてレバーを押し続けるという実験があるそうですから、ねずみも何らかの感情が行動の源になっている事は明らかで、覚せい剤中毒のヒトはこのレバー押しねずみと同じ状態になっていると言って良いでしょう。

 

 私は専門家ではありませんが、これらの脳科学の発達は、実臨床の分野で種々の薬剤として実用化されていて、うつ病や統合失調症、神経症などの精神疾患や認知症、パーキンソンや多系統萎縮症などの神経変性疾患の治療にも使われています。実際に使用してみると、人格が変わるほどの変化を見せる患者さんがいて、これらの薬が実際に作用して脳内物質のバランスを変え、言動に結果として現れたのだということが判ります。問題なのは、これらの薬剤で脳内麻薬のバランスを変える事で、患者さんが社会生活を送る上で障害となっている病が治るわけではない(1薬剤1部位作用)ではない事です。脳内の神経ネットワークが4K画面のモニターであるとすれば、現在脳科学でわかっている内容は昔の電光掲示板の表示程度であると言えば判りやすいでしょうか。下にそれぞれの脳内伝達物質と解っている作用、これらに影響する薬剤を示します。

脳内物質

部位

作用

関連薬剤と適応疾患

アセチルコリン

神経全般

神経細胞の興奮伝達

コリンエステラーゼ(分解)阻害剤

抗認知症薬

オキシトシン

視床下部、室傍核と視策上核で合成し、下垂体後葉から分泌

愛情 怒りを鎮める

仲間意識の醸成

子宮筋収縮、分泌

分娩誘発剤

セロトニン

視床、海馬

脳脊髄内 消化管

安心ホルモン リラックス作用 多いと楽天的少ないと心配性

より減少で前頭前野の機能低下、計画性や意欲低下、うつ状態

SSRI、SNRI、NSSAなどは増加で抗うつ作用。リスパダールはblockして統合失調症に対応

ドーパミン

A10神経伝達物質

中脳腹側被蓋野、前頭連合野、扁桃体、視床下部

攻撃的感情、快感

快楽物質として性欲に関係(中野さんによるとネットのバッシングもこの作用だろうと)

抗パーキンソン薬

ドーパミン作動薬、統合失調症対策

 

上の表から解るように、大体脳のどのあたりから何が出ていて、大体どんな作用を司っているかは解って来たのですが、単純にそれらの物質を多くしたり少なくしたりすることで複雑な精神疾患の症状がすっきりよくなるとか、反社会的な言動がなくなるとかそのような都合が良いものではないことが理解でします。ただ良い悪いは別問題として、人間の行動の源である「感情」の多寡をある程度コントロールできてしまう段階にまでは来ている事が解ります。これをどのように活かして行くかについての議論はあまりなされていないのが現状ではないでしょうか。

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Airco de Havilland DH 2 1/72 ドイツレベル

2019-09-02 18:26:44 | プラモデル

 第一次大戦初期の英国の戦闘機で、単葉機ドイツのFokker Eindeckerがプロペラと連動して前方に射撃できる機銃を装備できたのに対して、その機構が不十分であったため、後方にプロペラを配して前方に機銃を付けたデザインが採用されました。453機が作られてフランス戦線で活躍したと記録されますが、アルバトロスなどの敵高性能機の出現で間もなく劣勢に立たされて行きます。

 

 モデルは1981年ドイツレベル製で、1994年頃に留学中NYのホビーショップでFokker Eindeckerと共に4ドル程で購入しました。箱はなく袋売りで吊り下げられていました。西ドイツ製らしく、安くても整合やモールドは丁寧に作られていて、デカールも保護膜が貼ってあったので40年経過していても奇麗に貼れました。リグはどこまで張るか悩む所です。1/72でやり過ぎると糸だらけになってしまいかえって現実味がなくなります。まあこれくらいかなあ、という程度張ってみました(ややたるんでますが)。

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