rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

欺瞞の強制と分断(ジャニーズ問題と同根の社会)

2023-09-23 16:19:14 | 社会

虚偽や良心に反する事態を知りながら、あえて知らない事にする「欺瞞」は実社会においてある程度は「大人の対応」として認められると思います。すべてを綺麗事で通す事はかえって社会を混乱させます。しかし、明らかな「犯罪の隠蔽」や「多くの人が苦しむ」事が分かっていながら虚偽を通す、あるいは欺瞞を人に強制する事は「悪」であり「大人の対応」などではありません。

芸能界における枕営業(これはハリウッドを含む世界中であった)や、今回のジャニーズのペドフィリア問題は、昔からある程度認識されていたものの「大人の対応」として「問題化しない」事になっていました。本音では「良くないだろう」とずっと思っていたけど、「大人の対応」で黙殺していた事が一度「大いに批判すべし」という具合に「戒め」が解かれると、社会は一斉に非難の嵐が起こります。それどころか避難の嵐に同調しない者を「悪を許すのか?」と逆に批難し、「今まで大人の対応を取ってきた集団」の分断化さえ起こります。今回のジャニーズ問題はそれが顕著に表れている様に見えます。今まで本ブログではメディア批判を多く取り上げてきましたが、この「欺瞞の強制と分断」は現在の全ての社会問題について、メディアが抱える宿痾であると思います。

言論と表現の自由について発信するOmanのヤヒヤアル・ラービ氏の言語的、非言語的欺瞞に関するまとめによると、「欺瞞」とは故意に情報を操作して完全な事実でないもの(半事実を含む)を他人に信じ込ませる行為とされます。そして「欺瞞」には5つの形式があるとされます。

 

  • 嘘 明らかに事実でない情報を与えて騙す。
  • 隠蔽 都合の悪い情報を隠匿する。
  • 改ざん 都合の悪い情報の中身を、問題の矮小化、あるいは良好な内容に変える。フィクション化。
  • 誇張 主張したい内容を必要以上に強調する。「話を盛る」
  • 曖昧化 都合の悪い内容を明確にせずごまかす。真実が苦痛でしかも虚偽作成ができない場合。

 

氏は対人欺瞞理論(Interpersonal deception theory : IDT)として、言葉(verbal)による伝達での欺瞞の見分け方と、態度(non-verbal)による伝達における欺瞞の見分け方について論じていますが、ここではメディアについて言葉による伝達の場合の欺瞞を象徴する表現例を示します。

 

  • 非直接的あるいは非合理性: 欺瞞を試みる者は部分的に関連する情報を提供するが、合理性に欠ける内容である場合。注意深く検討すると突っ込みどころ満載の記事が相当します。(Burgoon、Buller、Guerrero、Afifi、&Feldman.、1996)。

 

  • 明確さの欠如: この方法では、欺瞞を試みる者はわざと不明瞭で曖昧な言葉を使用して、複数の解釈が可能になるようにします。情報は受信者にとって明確さを欠いています(Burgoon et al., 1996)。

 

  • 非個人的(非個人化): この方法では、欺瞞を試みる者は、表現内容に個人の主張ではなく、まるで一般論であるかの様な回避的なマナーを使用します。そうすることで、個人の主張としての責任を回避します。(Burgoon et al.、1996)。

 

このような議論を踏まえて、以下に最近のメディアの欺瞞性を検証してみます。

 

1) NHKの反省文

9月7日にジャニーズ事務所の記者会見を受けて、今まで問題をあえて見過ごしてきたNHKは社としてのコメントを発表しました。その中で「多くの未成年者が被害にあう中で、メディアとしての役割を十分に果たしていなかったと自省しています。より深く真実に迫ろうとする姿勢を改めて徹底し、取材や番組制作に取り組んでまいります。」と明確に記していますが、メディアとしての役割、つまり「市民の目として権力や悪の真実に迫る姿勢を徹底する」というのはかなりハードルが高い事を述べたものだと感心します。こう宣言したからには、米国でも有力者が多く関わっていたために深く追求されなかったジェフリー・エプスタイン事件について、特番を組んでより深く真実に迫ってほしいものです。

BBCの2020年の記事から たまたま現在のジャニーズの記事紹介も隣に

 

2)「支援疲れ」という曖昧表現

9月23日の東京新聞国際面には、国連総会に出席し、米国首脳や議会に直接支援を求めたものの、良い結果を得られなかったウクライナ・ゼレンスキー大統領の記事が載っていました。2022年2月以降米国は6兆3500億円にものぼる米国民の血税をロシアとの代理戦争であるこの戦争につぎ込んだにも関わらず、ウクライナ兵40万人を失い、勝利の兆しも見えないこの出鱈目な戦争に、正気な米国民から「もう止めよ」という声が上がるのは当然であるのに、まるで自然災害へのボランティア活動を続けているような「支援疲れ」といいう表現は何を意図した「欺瞞」なのでしょうか。ウクライナに不利な表現をすると「ロシアの味方」と非難されることをガタガタ震えながら恐れ、「若者と市民が犠牲になる戦争を一刻も早く止めよ」という正論さえ封じる東京新聞の記者たちに忸怩たる思いはないのでしょうか。

 

3)温暖化欺瞞にも利用される「ナッジ」「ナラティブ」

 

前回のブログでも紹介した様に、心理学を応用した行動経済学的手法が、メディアの欺瞞に多用されています。「最近の異常気象は地球温暖化が原因」「温暖化の原因は二酸化炭素の増加」「二酸化炭素増加は人類の経済活動」「SDGsが地球を救う」は全て真実として報じられていますが、これもナラティブを活用した欺瞞、サイエンスを「SDGsという新たな経済活動を行うため」民衆を従わせる手段に用いているに過ぎません。宝島社新書 地球温暖化「CO2犯人説」の大嘘 2023年刊、 は日本の著名な科学者8名の共著による金儲けや補助金獲得にとらわれない立場からのSDGsの虚妄を暴いた好著です。温暖化に疑問を抱く様な検索をかけると、SDGs推進派の論客たちのサイトに誘導されて、あたかも温暖化に疑問を抱く事が科学的に否定されているような一見科学的な記事に行き当たりますが、彼らの特徴は地球の温度変化をせいぜい1000年以内でしか説明していない事、2010年以降の温度変化停滞は無視していること、平均気温の測定法の曖昧さは無視していることなど多くの都合がよいナラティブに偏っている事が指摘されます。彼らは世の中の論文の97%は温暖化二酸化炭素原因説を前提にしていると豪語しますが、コロナワクチンの副作用論文が採択されるにはワクチンの必要性に触れないとレビュアーと編集者にrejectされるという現実と同じで、そうしないと論文が載らないからそうしているだけ、注意深く読むと原因は別にあることが指摘されていたりする事は敢えて避けています。東京工業大学名誉教授の丸山茂徳氏によると、昨今の異常気象は北極の偏西風の蛇行によるもので、降水量の増減も周期的なものと説明されます。二酸化炭素よりも化学的環境汚染の方がはるかに問題が大きいと警鐘を発しています。

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ナッジかナラティブか

2023-09-14 13:46:55 | 社会

本人が気付かないうちにある一定の方向に思考や行動を仕向けることが出来れば、大衆をコントロールしやすくなります。知らず知らずのうちに、現代は行動心理学などを駆使したそのような術に溢れていると言えそうです。社会の混乱や争いを少なくするという面では必ずしもそういった技術は「悪」とは言えませんが、権力者が大衆を容易にコントロールする手段として用いているならばそれは忌むべき物であり、我々はその巧妙な詐術を見抜く必要があります。そのような技術の例を備忘録的に記しておきます。

 

I.  ナッジ

ナッジの基本的考え方とナッジ(内発的動機付け)を実際の行動や経済活動に結び付ける構造設計

 

ナッジ(nudge)とはシカゴ大学リチャード・セイラー教授が提唱した行動理論で、「ある行動をそっと促す」ことによって、強制を伴うことなくある行動を自ら行うようにする技術を言います。例えばスーパーのレジに並ぶ間隔を図示するだけで、social distanceと整列の両方の目的を達成できることが実証されています。

身近なナッジの例(悪いことではないですが)

 

1) ナッジには以下の6つの要素があると説明されています。

(1)インセンティブ  行動をするメリットを与える(ポイントを付与するとか)

(2)マッピングの明確化  行動(選択)の結果を理解しやすくする

(3)デフォルトの設定  初めから決まった形を提示すると抵抗がなく受け入れやすい

(4)フィードバックの付与  「良いね」や「閲覧数」の様に結果を「見える化」して受け入れやすくする

(5)エラーの回避   フェイルセーフやフールプルーフで考えなくても間違いを防ぐことでの安易化

(6)選択の簡略化  値段毎のコース料理メニューの様な「お勧め」を提示する(サブスクの手法)

 

2) ナッジを応用した「行動経済学」では「ヒトは理論でなく感情で動く」を前提に以下の様なテクニックが紹介されています。

(1)コミットさせる プロモーションの段階で「参加」を促す(アンケート記入とか)

(2)現状維持バイアス活用   お試し期間の設定でそのまま購入に持ち込む

(3)選択的意思決定  自分で選択したものは正しいと思いたい心理による(ナラティブの手法)

(4)後悔回避  これが最後のチャンス(閉店セールとか)などと売り込む

(5)松竹梅 選択肢を2つから3つにすることで、本当に売りたい商品を選ぶ人が増える(梅が一番だが、松はみすぼらしいから竹を選ぶ人が増えて、結果梅も増える心理)

(6)アンカーリング 高い商品をはじめに多く見せてから値引き品を見せると売れる

(7)気質効果 失敗の言い訳をこちらから用意して提示すると容易に受け入れる

(8)フレーミング効果 同じ内容も提示の仕方で受け入れが異なる

(9)権威への服従効果  いわずもがなの大衆の安心感取得の方法

(10)繰り返し(ザイオンス)効果 視聴する回数が増えるほど違和感がなくなる(嘘も百回聞くと本物に)

(11)返報性原理 おまけを付ける事で恩義を感じさせる

 

これらは日常的に使われている手法で、つい「いらないものを買ってしまう」「余分に買ってしまう」行動につながっている様に見えますし、ある意味「ナッジの悪用」とも言えます。

 

3) コロナワクチン施行に用いられた「ナッジ」の例

 

人類どころか、生物全体において使ったことも成功した例もない「正常細胞への遺伝子導入」によるワクチンを全人類に実施するにあたって、政府権力者側はこの「ナッジ」をフル活用して臨んだと言えそうです。例えば、ワクチンパスポートや旅行支援の条件に入れる(インセンティブ、マッピング、フィードバック)。職場接種やワクチンセンターの設置(デフォルト化、エラー回避)。家族や皆のための接種と強調(コミットや現状維持)。感染予防に失敗しても重症化予防と言い換え(選択的意思決定、気質効果)。無料期間の明示(後悔回避)。新しいワクチンの抗体増加程度が対数目盛である(フレーミング効果)などなど多数。

 

4) 疑惑の多い事象にわざと虚報を流して全体を虚報にみせる

 

危険な山道に登山者が入り込まない様に、導入口にわざと土砂崩れを起こしておくと、その先全体も危険だろうと判断して入らなくなります。これもナッジの応用と言えるでしょう。同じ手法で、疑惑だらけの事象の分析にわざと虚報を混ぜて「虚報である」とファクトチェックで証明することで、疑惑全体を虚報だと思わせる手法もよく見かけます。最近ではマウイ島の火災で市街地の消失具合が異常である疑惑に対して、空からのレーザービーム照射の偽写真をSNSで拡散させて、大手メディアがそれを虚報であると証明、大きく報ずることで公式発表以外を陰謀論であると印象付けようとした例があります。

BBC、NHKゴールデンのニュースでも異様に強調された「フェイクに注意」の映像(目的があってわざとフェイクを流したか)

 

II.  ナラティブ

 

医療において、エビデンスに基づいて治療方針を一方的に説明し、説得するよりも、患者さん側の気持ちや立場に立って一緒に治療方針を決める方が治療意欲や方針の受け入れが良くなる事は当然です。自分で選択して決めた事項であれば、結果が悪くても納得がゆきます。正解を押し付けるパターナリズムよりも、患者も治療方針決定に参画する医療が望ましいことに異論はありません。特に高齢者が増加する先進諸国においては、60歳までの1回目の人生に生きる人を対象とした「行きの医療」と、還暦を過ぎて2度目の人生を終焉に向かって生きる人を対象とした「還りの医療」で「違いを設ける」をつける事は当然と考えます。これはnarrative based medicine(NBM)の望ましい例と思いますが、ナッジと同様いかにも患者さんが自ら選んだ様に仕向けて、医療者が望む治療を行い、結果がどうであっても「患者が納得してしまう高等技術」としてNBMが使われる例もあります。

ナラティブの基本的考え方と医療における応用

 

医療のみでなく、最近のブログで取り上げている様に、温暖化問題やウクライナ戦争、差別撤廃における「ポリコレ」の強制にも断片的事実を並べてもっともらしいストーリーを作って規定の真実とするナラティブの手法が使われていると感じます。多くの批判、検証を経て確立した客観的なエビデンスに基づかない権力者に都合が良いストーリーが余りに多いのが現代です。これらの似非真実の特徴はSNSなどへの「反論を封じる」、反対意見に「陰謀論」などのレッテルを貼るといった「特徴的対応」で明確に区別できます。

また根拠の弱いナラティブは立場が変わる事で容易に異なるストーリー、整合性に欠ける内容になる傾向があると思います。以下に例をあげてみます。

 

1) 911をアルカイダ(ビン・ラディン)の立場から見る

ブレジンスキーとビンラディン

2001年9月11日から22年が経過しましたが、ケネディ暗殺事件と同様、イスラム教テロリストによる複数の同時民間航空機ハイジャックとペンタゴン、ニューヨーク世界貿易センタービルへの航空機突入事件についての真実は全てが明らかになった訳ではありません。911はアルカイダの首魁であったウサマ・ビン・ラディンの計画指示で行われたとされていますが、このテロを起こした理由は「湾岸戦争でイスラム教の聖地(サウジアラビア)に米軍が駐留したから」という物でした。米軍は十字軍ではなく、米軍内にもイスラム教徒、ユダヤ教徒もいます。そもそもソ連のアフガン侵攻を駆逐するジハードの目的で米国の援助で作られたのがアルカイダであり、米国自体を異教徒と定義するなら援助を得る事自体が神への冒涜になったはずです。1979年にCIAトップのブレジンスキーとビンラディンが並んで写っている写真もあるし、ブッシュ一族とビンラディン家(元はユダヤ系サウジアラビア人)は長年のビジネスパートナーであった事もマイケルムーア監督の華氏911で暴露されています。

旅客機が突入した映像自体はおかしくないが

旅客機が突入したツインタワーが不自然に倒壊した状況もさることながら、多くのメディアが事件後触れようとしない「47階建ての世界貿易センター第7ビルの倒壊」について、20年経過した現在も不明のままである事が不思議です。このビルには東部CIAの本部の他、エンロンファイルを保管する証券取引委員会、内国歳入庁が置かれ、ニューヨーク緊急事態管理局の本拠地でもありました。このビルが倒壊したことで、多くの都合が悪い証拠品が消失、何よりここから911事件という緊急事態の指揮を執るべきであったのに、当時のNY市長ジュリアーニ氏は「ビルが崩壊すると言われたから事前に(本部を)移した」とテレビインタビューで答えており、BBCやCNNはビルが崩壊する前に「崩壊しました」と報道してしまっています。

頭の左に健在な第7ビルが映っているのに「倒壊した」と言ってしまったライブ映像

 

2) ウクライナ戦争をドネツク・ルガンスク共和国から見る

 

以前のブログで「侵略されたウクライナが常に攻撃していて、侵略したロシアが防御しているのでウクライナが負け続けている」と解説しました。しかし視点を変えてロシアが併合したドネツク・ルガンスク共和国側から見ると、2,014年の独立宣言以降ずっとウクライナ側に攻撃され続けていると言えます。ロシア軍が昨年2月に一時キエフ近郊に迫った時を除くと、3月の自主的撤退以降はロシア軍を含めて両共和国の支配地域に重厚な防御線を構築してずっと守備をしている。しかも攻撃するウクライナ軍の10倍の火力で防御しているのがこの1年のウクライナ戦争の実態です。これではウクライナに100%勝ち目はありません。ナラティブの視点を変えると見えるストーリーがかなり変わると思います。

ちなみに、8月末からウクライナはロボティナ地区で春季攻勢開始から数万の兵力を失い、2か月以上破れなかったロシアの第一防衛線を突破したと大はしゃぎですが、戦術を「機甲部隊の後ろを歩兵が続く」のを戦車・歩兵戦闘車がことごとく破壊されるので「まず歩兵が進んで道を確保してから戦車を進める」に変えただけです。対戦車濠やコンクリートの堡塁は闇にまぎれた歩兵ならば超えることができるから第一防衛線を突破したと言えるのですが、後続の重車両が超える事ができないのでいつまでも第二防衛線にたどり着きません。ロシア軍は車両には効果が薄いけど歩兵には強力なクラスター弾で攻撃してくるので後塵の防御がない歩兵部隊は非常に悲惨な結末になります。しかもウクライナ軍の展開は平地に沿ってロボティナの南東に進んでいるだけなので高地の塹壕から狙うロシア軍の圧倒的な有利が続いています。昨年2月以来のウクライナ軍の戦死は40万名、対してロシア軍は5万名と言われていて、既に若い男性がいないウクライナは女性や学生の徴兵、海外にいる徴兵適齢男性の帰還命令を出しました。

ロボティネでは攻撃するウクライナ軍がロシアの第一防衛線を超えたと言うが   ロ軍のクラスター弾と思われる切れ目のない激しい弾幕が車両の防御がない歩兵たちを襲う

 

私は気の毒なウクライナ国民のためにも一刻も早く停戦、休戦を行うべきと考えますが、米国には米国兵が犠牲にならずロシアを攻撃できるこれ以上の効率的軍事費の使い方はない、と豪語する議員もいて、平和を希求する動きはありません。皆さんは戦争を続けるべきと考えているでしょうか。

戦争を止めるために早くトランプを大統領に復帰させよとタッカーカールソンとの対談で話すハンガリーのオルバン首相

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今更ながらDSとは何か

2023-09-08 22:21:00 | 政治

世界が表に出ている政治家らに依って動かされているのではなく、「富と経済を支配する一部の富裕層のネットワークにより動かされている」とする考えは「陰謀論」として話されてはいけない事、「トンデモ系」のレッテルを貼られたくなければ触れない方が良い話題、とされてきました。しかしロスチャイルドなどの巨大財閥が水面下で国際政治に影響を与えている事は「常識」の範囲であり、この2-3年、ビル・ゲイツがWHOやワクチン開発の至る所にポリシーメーカーとして登場するに至り、どうも我々が民主主義で選んだ「選良たち」が世の中を決めているのではなさそうだ、という事がかなり頭の鈍い人達にも分ってきた(分かってしまった)と言えるでしょう。そこでトランプ大統領がDeep State(影の政府DS)と呼んだ存在は具体的にどのような存在かをまとめておきたいと思います。

 

I.  地球の富の50%以上を富裕者上位1%が所有する

 

貧富の格差を研究するOxfamという組織があります。2015年に出された「富の独占を進める富裕層エリート達」という冊子があります。破綻してしまいましたが、Credit Suisseの集計を用いて、2014年の段階で地球上の富の48%が富裕層トップ1%の所有であると示しています。それは2020年には54%にまで増加するだろうと予想されました。

2015年の段階で世界のトップ1%の富裕層が世界の富48%を所有し、2020年までには50%を超えるとした集計

 

2023年1月に出されたOxfamの「富者生存(survival of the fittestにかけたrichest)」という冊子ではコロナ禍の2020年から2021年にかけて、新たに生まれた富の63%が上位1%の富者に渡った(Credit Suisse Global Wealth Reportによる)と報告されています。Forbesの集計によると、億万長者の富の集中が20世紀に比して、近々10年に凄まじい勢いで増している事が解ります。世界的に格差の拡大、中間層の喪失、2極化が進んでいる事を表しています。

コロナ禍で儲けたのは結局富裕層1%だけという集計 富の集中はこの10年で著しく進んでいる。富を持つ者が「富と権力の持続」を望むのも自然と言える。

 

II.  富裕権力者の総意を実働部隊に会議で披露する

 

富裕層1%のそのまたごく一部の超富裕層の人達は、自分たちの経済支配の現状を継続させるために予め内々にごく一部の人達で(これら表に出ている人の他に、実際は土地などの計り知れない資産を持つ少数の貴族や王家の家系があってそちらが本命)方針を決めた上で、非公開のビルダーバーグ会議などを開いて方針を固め、ある程度公開性であるダボス会議などで、世界中の政治家、メディア、有力者などに方針を徹底させます。金の流れを支配できれば、社会の流れを支配することは可能です。一見「被支配者が自分たちで進んで選んだ様に見える政治体制」も実際には金の流れに従って決まった体制であり、これらの体制を決めている総称が「DSと表現される物」と言えましょう。

 

III.  被支配者が多すぎるとやりにくい

 

1%の支配者にとって、99%の被支配者の数が多すぎるのはやりにくいものです。その他大勢が反乱を起こして支配者を追い出されては困ります。そのためには被支配者は弱者で大人しく、全体主義的に抑圧されて、適度な娯楽や幸福で満足して働いて支配者に奉仕し続ける事が望ましい姿と言えます。

 

藤井 聡氏 「全体主義としてのグローバリズム」講演から引用   全体主義的グローバル資本主義の行き着く先と本質を示すスライド

 

被支配者が団結しない様、戦争をさせ、憎しみ合わせ、分裂させて支配する(divide & rule)。定期的に病気を流行らせてワクチンなどで体力を弱らせる。ナラティブという手法で、自分たちが納得して服従するように仕向ける、といった手法を取らせる事が現在行われています。ただ思惑通りには進んでいない様にも見えます。やり方が露骨すぎるからでしょうか。

増田悦佐 氏 (2022年刊)

 

IV.  サイエンスをナラティブ(自ら納得して選択する)の手段に用いる

権力者が決めた政策を、暴力に依らず進んで民衆に従わせるには、従いたくなる動機としての権威、畏怖の念、或いは「権威に従わない時に被る被害への恐怖の感情」などが必要になります。古来より為政者は様々な方法で民衆を従わせる手法を考えてきました。その主な変遷を図に示します。

 

古代には「自然の力」を利用し、その意思を伝える「巫女」の預言が用いられました。原始的宗教を用いた王制の時代です。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教など一神教の教義が完成すると、「神の名の下」による宗教的権威による支配が行われます。神の権威による支配で、これは今も一部有効と言えます。

民族国家の概念が確立すると、「民族の優位性」「血の純潔」といった漠然とした概念に「価値と権威」を持たせ、それらが個人の生活よりも優先されるという思想で民衆を従わせる手法、「民族主義による支配」は現在でも使われています。

資本主義が発達して経済的格差が決定的になると、「所有を否定」する原始共産制が「人類の平等を実現する究極の思想」であり、資本主義を否定して人類進化の終わりには共産主義に到達する、という経済理論が大きな権威を持っていた時代がありました。「革命」の名(権威)の下にあらゆる個人の自由を制限する政策が正当化され、それに従わないことは「反革命的」であり糾弾・弾圧されても仕方ないとされる思想で、「経済理論による支配」と言えます。

20世紀は科学の時代であり、科学の進歩によって人類の文化的生活は大きく発展しました。国家の枠を超えて、人類全てを従わせる手法として「科学の権威」が用いられる様になったのが21世紀の現在と言えます。そしてその権威を偽装して、まるで正統な科学である様に詐欺的手法で用いたのが「科学の衣を着た政治的プロパガンダ」なのです。つまりコロナ感染症、温暖化、ワクチンなどを反論を封じた上で科学的に一部真実であることを交えて政策全体が科学的真実である様見せかけると言う、サイエンスをDSが被支配者を進んで従わせる「ナラティブの手段」と化しているのです。

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F-16 C Fighting Falcon 1/72 Hasegawa (ゲームチェンジャーになれなかった超傑作機)

2023-09-03 20:54:00 | プラモデル

最近ウクライナへの供与で俄に脚光を浴びているジェネラル・ダイナミックF-16 Fighting Falconを作りました。F−16は1970年代に最後の有人戦闘機と言われたF104の後継機として、大型のF14やF15が計画されていた際に、小型軽量で機動力とコストパフォーマンスに優れた機体を模索した米国空軍により研究開発が発注されてジェネラル・ダイナミックス社、現ロッキード・マーチンが提案した機体です。胴体も翼の一部として一体的に設計するBlended Wing Bodyによる美しい形状、操縦もフライバイワイヤとコンピューターを駆使した当時最新のメカニズムを搭載して試作機の登場時点から注目を集めました。私も1970年代に試作機YF-16を見てから、P−51ムスタング、F-86スーパーセイバーに継ぐ傑作戦闘機であると注目して当時ハセガワから出た1/72のプラモデルを早速作りました。

F16C 実機   70年代に出たYF−16のプラモ 米国旗をモチーフにしたトライカラーで塗装されていた。現在の塗装、濃淡グレーの競演とは対照的。

F−16は数々の改良を加えながら4,604機も製造され、NATO各国など10数カ国で使用され、現在も次世代機との交換まで使用されています。

1980年代以降中東などほぼ全ての戦乱に参加はしてきましたが、湾岸戦争やコソボ内戦など戦況を転換させるほどの活躍に至る事はなかったようです。ウクライナ戦争においてもウクライナ軍への供与が戦況を変える切り札になる如く言われていますが、100%無理です。機体をみれば解る様にステルス性はほぼなく、現代の高性能対空ミサイルにチャフで回避する他ありません。空戦性能も最新でなく、対地攻撃も十分な管制バックアップが必要とされます。何よりウクライナ軍に戦闘機パイロットがおらず、ロシア軍機とはヘッドアップディスプレイで表示される機体の傾きが逆でもあります。吸気口が胴体下部で大きく開口しており、車輪も小さいので整備された滑走路が必要です。

在欧米空軍86戦術航空群512戦術飛行隊所属の機 中央から300ガロン、370ガロン増槽、BL755クラスター爆弾 AIM9L(第3世代)サイドワインダー4機装着。

モデルは安定のハセガワ製なので安心して作れましたが、最近の米軍機はNATO仕様も含めて濃淡グレーの競演と呼べる様な塗装で、グレーだけで6種類くらい使いました。幸いクレオスから各種カラーが発売されているのでそれらを使用して作りました。梯子に乗っている地上員はハセガワ製の米軍航空員セットから流用しました。キットにはBL755クラスター爆弾が搭載されていましたが、攻撃する側がクラスター爆弾を使うと、味方が不発弾で負傷して湾岸戦争では多数の米軍兵が犠牲になったと言われます。それが解っていながら、攻撃しているウクライナ軍にクラスター弾を供給している「米国の非情さ」を批難しない専門家も酷いものだと思います。一方で守る側はクラスター弾は威力が弱く、壁を破壊しないので余り怖くないと言われています。

デカールは細かい所までよく出来ていました。

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