20世紀ウラ・クラシック!<最新版>

このページは、19世紀末から20世紀の末流ロマン派クラシック音楽に焦点を当て、同時代の録音評を中心に紹介しています。

チャイコフスキー:交響曲第5番

2017年06月15日 | Weblog
パレー指揮ORTF(ina配信)1971/1/27放送live

録音は放送ノイズがなくはないがまずまずのステレオ。パレーらしくもなく落ち着いたスピードで鼻歌すら交えながらしっかりチャイコフスキーを演じている。オケは決して万全ではなくホルンなど不安定な箇所もあるが、心に響いてくる「パレーらしくない」ゆったり、音のキレにこだわらず、心情的な演奏(ほんとにパレー??)。優秀録音のライヴだと違うのだろうか、パレーはチャイコフスキーのシンフォニーの録音をライヴ含め幾つも残していて、新即物主義の直線的なものばかりだが、これは違う。正攻法の歌謡的なチャイコフスキーであり、訴えかけるものを持っている…個性は減衰したとしても。二楽章もこのオケにしては感情表現ゆたか。とくに弦楽アンサンブルに著しい。かと言って突出することはなく木管アンサンブルとバランスがとれている。明るめで振幅の少ない音色でも、ダイナミクスとスピードで変化はできている(クライマックスでの高速インテンポはパレーらしい)。落ち着いたワルツ(ここでもパレーらしくもない弱音の柔らかさが意表をつくがさらっと拘りなく煽らない表現はパレーらしいところ)をへて、やや色調変化に乏しい雄渾な四楽章へ。細かい操作なくどちらかというと終始同じ調子でやってしまった、盛り上がりどころのはっきりしない構成感だが、よく聴くと内声の木管が変な音の切り方をしたりしているところまで聴こえて楽しい。クラリネットの音符を切り詰めた発音が心地良い。聴きやすいテンポでちゃんとごまかされず中身を味わえる。弦はやる気も体力も減退せず、やや一本調子の曲を飽きずに弾き通す(聴くこちらは少し飽きる)。大きな音のそのまんまマエストーソまで流していってしまう、クライマックスにはうーん、というところはある。ペットとホルンの淡々とした掛け合いからフランス風にあっさりさっと締める、だがブラヴォが飛びまくるのは良い演奏とみなされたのだろう。
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