ハルノさんの本は初めて読む。コロナ禍の日常を描いたエッセイだ。彼女の確信を持つ言い草は気持ちいい。そうだったのか、と納得した。猫屋台は彼女の経営するお店。実家をそのまま生かして改良した居酒屋料理店。予約制。採算は度外視した自由な店。
漫画家の彼女が仕事をしながら営業している。このイラスト入りの連作エッセイが気持ちいいのは彼女が自信を持って自分の考えを押し通すからだ。それはわがままではなく、納得いく意見で無理なく素直に伝わる。世の中がおかしいことを押しつけることなく教えてくれる。
毎日3、4話ずつ10日くらいかけてゆっくり読んだ。まとめて読んでも意味がないから。それでもさすがに最後の方は少し飽きてきたけど、楽しかった。最近コロナものの小説やエッセイが盛んに出版されている。あれは何だったのかを作家たちが検証する。興味深い。