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映画・演劇のレビュー

A級MissingLink 『罪だったり罰だったり』

2017-10-13 23:30:56 | 演劇
  3本がそれぞれ自分たちの罪について、その罰について、しっかり見つめてみるという正攻法の芝居で、がっつり作られてあり見応え満点。こんなにもわかりやすいA級作品って初めてではないか。でも、それが観客に対するサービスでも妥協でもなく、このテーマに対する作り手の真摯な姿勢を示すものになっていて素晴らしい。重いテーマをガツンと突きつけてくるけど、重い芝居にはならない。とても見やすい芝居でさら . . . 本文を読む
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大阪新撰組『フェルナンド・アラバール作品撰 Vol.3』

2017-10-11 22:38:37 | 演劇
  今回は「ドストエフスキーという名の亀(」演出:栖参蔵)と「遁走曲エロチカ」(演出:阿矢)の2本立。このわけのわからなさが短編故、作品の魅力になっている。もし、長編でこれをやられたなら腹が立つところだが、短編ならキツネにつままれた気分でスコンと受け入れられる。なんか騙されたような、でもそんな不思議って、どこにでもあるかも、という気分。理屈の通らない不条理をそのまま受け止める、という感 . . . 本文を読む
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げきだんS-演s?『仮説「I」を棄却するマリコ オリジナルver. 』

2017-10-11 22:35:37 | 演劇
   先日のアニバーサリーver.と較べると、とてもわかりやすい作品に仕上がっていることに驚く。各作品はそれぞれちゃんと劇場に合わせたアレンジがなされているのだが、基本は同じ台本を使ってある。それをこんなにも肌合いの違う2本の作品に仕上げたのだ。台本を書いたはせひろいちはこのオリジナル版の方にも少し手を入れてくれたらしい。オリジナルはもちろんこのウイングフィルドで上演されたも . . . 本文を読む
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金蘭座『弟よ』

2017-10-06 20:19:22 | 演劇
  これはとてもオーソドックスな芝居だ。「ザ・演劇!」とでも言いたくなるようなクラシック。それに若い女の子たちが挑む。と、いっても金蘭会高校の公演ではなく、創立20周年を迎える金蘭座として挑むわけだから、決して若い女の子集団、というわけではない。しかし、彼女たちが演じると、いくつになっても10代の頃の輝きを失わない。   それは演技メソッドが金蘭会高校と同じ(というか、そ . . . 本文を読む
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『上海的處女 SMオペラ』

2017-10-06 20:16:57 | 演劇
  鏡は何を映すのか。鏡売りによる象徴的なシーンから始まる。「娼館」という狭い世界とそこを囲む上海租界という同じように狭い世界。だが、その背後には茫洋とした巨大な「世界」が広がる。これは、「未来のない男」と「未来を知らない女」とのラブストーリーとしても読める。彼女は、言葉だけではなく、目も奪われる。2人の女のナレーションにより話は展開していく。テンポがよくなり、ドラマに弾みができる。説 . . . 本文を読む
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万博設計『駱駝の骨壺』

2017-10-02 21:20:47 | 演劇
  落語の『らくだ』はとてもアバンギャルドな作品で、まぁ、むちゃくちゃな話なのだが、それを土台にして、橋本匡市はとても端正でオーソドックスな小劇場演劇として再生させた。死んでしまった娘のいる部屋で過ごす夫婦の姿を狂気としてではなく、とても穏やかな会話劇として見せる。 もちろん中心にいるのはもの言わぬ死者である大切な娘である。彼女の死という「現実」を巡って夫婦は言葉を交わす。後悔、現状 . . . 本文を読む
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演劇企画 無有場『同じ窓の者たち』

2017-09-28 20:46:36 | 演劇
  こういうものをやりたいという気持ちはよくわかるのだが、そこに見せ方(技術)が伴わないから、気持ちばかりが空回りした。しかも、芝居自体が説明過多でテンポも悪い。90分がとても長く感じる。若いのに懐古的なドラマを感傷過多で見せられると鼻白むが、これは節度を保ち、ある種の距離感は保っている。そこは評価できるのだが、残念ながらそこまで、だ。   同窓会に集まった6人の男女。高 . . . 本文を読む
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虚空旅団『Voice  Training』

2017-09-24 15:43:29 | 演劇
   まるで劇中で描かれる3コマの授業を受けたような気分にさせられる芝居。さらには、ラストのまるで打ち切るようなエンディングも見事。人生は続いていく。そんな日々のなかの1コマのように、芝居は終わる。普通の芝居なら「ここで終わるよ、」というサインを出し、作品をまとめようとするところだ。でも、作、演出の高橋恵はそんなおきまりにパターンには見向きもしない。もちろん、いきなりで、尻切 . . . 本文を読む
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げきだん S-演s?『仮説『I』を棄却するマリコ』

2017-09-24 15:38:14 | 演劇
  S-paceの10周年を記念して旗揚げされたコヤ付き劇団。民間の劇場が、新しく劇団を旗揚げするなんて、かつてなかったことではないか。劇団が自分たちの本拠地として劇場を持つということなら、今までもなくはなかったけど、劇場がまずあり、そこに劇団を作るのである。だいたい個人が自前で劇場を持つということは、普通はない。みんなしたいと思っていても、なかなか簡単にはできることではない。S-pa . . . 本文を読む
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Random Encount 『Second.』

2017-09-18 20:01:38 | 演劇
  前回の『ウサギ小屋裁判』は欠席した(たしか、法事で行けなかった。)だから彼らの芝居を見るのは2年振りになる。毎年コンスタントに新作を発表している周防夏目の2017年作品。最近の彼はとても落ち着いたタッチの作品を作る。今回もそうだ。白い扉だけのある空間。そこに閉じ込められた人々。劇中でも触れられるが映画の『キューブ』のような感じ。でも、ここは閉ざされた場所ではなく、この扉にある部屋だ . . . 本文を読む
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くじらstaff presents!『屋上のペーパームーン』

2017-09-18 19:51:25 | 演劇
  17年の歳月を経て、ようやくの再演である。今までも何度となくアプローチはなされてきたのだが、初演のビルの屋上での上演を踏襲する、という縛りから実現は困難を極めた。別に劇場で上演してもいいのだけど、くじら企画は初演の「野外、屋上」という特別な空間に拘った。そこは譲れない。だから、今の現状では、もう出来ない。それだけの話だ。   だが、今回「くじら企画」としてではなく、く . . . 本文を読む
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コンブリ団Re:sources『夏休み のばあちゃん家』

2017-09-18 18:57:56 | 演劇
このチラシが素敵だ、初めて見たときに、「絶対にこの芝居が見たい」と思った。そう思わせるだけのものがちゃんとそこにはあったのだ。コンブリ団の芝居だと後でわかった。とてもよくできている。広げてもいいけど、折り曲げたらもっといい。チラシの文章が好き。「夏休み、五右衛門風呂。ぽっとん便所。(ぼっとん、では、ないのかぁ)海水浴。母のお弁当。ばあちゃん家。今はもうない。」表の端に書かれたその7行が、折り曲げる . . . 本文を読む
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ロイン機関『鳥の火』

2017-09-12 22:13:32 | 演劇
  とてもよく出来た脚本(朝田大輝)だと思う。お話として面白いだけではなく、そこには可能性があるからだ。アレンジ次第でいろんなものに化ける。そんな本だと思った。それを演出の丑田さんは、丁寧にテンションを下げて描く。これをハイテンションに演出したなら別の芝居になる。そうすることで、コミカルな作品として楽しいものにも処理可能だ。だが、そうはしない。重くなりすぎたら失敗する。難しいのはそのバ . . . 本文を読む
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オリゴ党『エクスカリバーズ』

2017-09-12 22:07:38 | 演劇
  25周年記念作品。(第3弾、だけど) 今回の作品が記念作品としては最大の大作で、なんとキャストも25人集めた。(もちろん、たぶん、わざと)2時間10分の大作。見る前には、ド派手で、剣劇シーン満載のアーサー王伝説を描くアクション大作だろう、と勝手に決めつけていたら、なんと暗黒の中学時代を描く重くて、キツくて、暗い作品で驚く。   葬儀のシーンから始まる。主人公の男(有馬 . . . 本文を読む
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少年眼鏡『私、自分が20歳になるなんて絶対嘘だと思ってた。』

2017-09-07 21:24:56 | 演劇
  2人芝居。どこにでもいるような2人の女の子たちの恋バナ。20歳を目前に控えた2人はほんのちょっと恋に臆病。彼女たちはルームシェアしているなかよし同士。奥手の女の子の初めての恋を、耳年増のもうひとりの女の子が見守り、応援する、という図式。でも、2人の友情が、間に入った男の子のせいで壊れていく。 演じる2人の女の子たちがとてもいい。正直言うと、芝居を見始めた最初少しがっかりした。 . . . 本文を読む
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