習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

劇団不労社『生きてんだか 死んでんだか』

2017-02-17 00:17:24 | 演劇
なんだぁ、このへんてこな芝居は!こんなの見たことないぞ。というか、誰もこんな芝居はしないぞ、と思う。本気なんだか、ふざけているのか。よくわからないけど、そのなんだかいいかげんな感じがとても面白いのだ。ちゃんとふざけている、って感じだ。 学生劇団(出身)ならではの身内受けする緩いノリがなぜか心地よい。客席も心得たもので、ちゃんとそんな身内の芝居に反応してくれる。アットホームなノリのよさ。普通な . . . 本文を読む
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烏丸ストロークロック×庭ヶ月『凪の砦 総収編』

2017-02-17 00:16:09 | 演劇
総集編ではなく総収編とするこだわりがこの作品の真情だ。ここに収めていくためにこれまでの5つの短編があったのだろう。僕は残念ながら昨年3回に分けて上演された連作を見てないけど、本作を見て、これがまず短編として作られたという事実に納得させられたし、この試みに共感した。柳沼さんはきっと小さなエピソードを積み重ねることで見えてくるものを大切にしようと思ったのだ。それがこうして一つの形になることで、また、新 . . . 本文を読む
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桃園会『ふっと溶暗』

2017-02-17 00:14:52 | 演劇
深津さんの死去から2年半が過ぎた。深津演劇祭が昨年9月から始まり、来年の3月まで続く中、桃園会の登場である。この演劇祭で桃園会は2作品を上演する。今回の本作と、来年3月の演劇祭掉尾を飾る『深海魚』だ。 ただ、この作品が深津さんの戯曲ではないから厳密に言うと本演劇祭の参加作品としては番外編のような立ち位置になる。でも、いや、だからこそ、この作品がこの演劇祭の作品にふさわしい。これは深津さんの母 . . . 本文を読む
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『マグニフィセント・セブン』

2017-02-17 00:12:21 | 映画
公開から3週間目に突入して、どこの劇場でも1日1回から2回上映になっているようだ。僕は実は公開の初日に見に行っていた。今、映画はヒットしないと、一瞬で劇場から消える。まぁ、そんなこと、今に始まった話でもないけど、それが以前以上に極端になっているようだ。しかも、この映画のようなオールスター娯楽活劇ですら、そうなのだから驚くしかない。最初から梅田では初日だけ大きな劇場で上映されることが決まっていたから . . . 本文を読む
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『マリアンヌ』

2017-02-17 00:09:55 | 映画
ゼメギスがまたやってくれた! こういうクラシックな映画を平気で撮れるのは今の時代、彼くらいしかいないのではないか。古典的なラブロマンスである。戦争、悲恋、サスペンス。昔、ハリソン・フォードが『ハノーバー・ストリート』という映画に出たけど、あの時ですら、今時こんな恋愛映画作るか、と感心したほどだ。あれからもう30年以上経つはずだ。21世紀にこれをやりきってくれるなんて、普通じゃない。 ただの戦 . . . 本文を読む
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森見登美彦『夜行』

2017-02-12 22:09:26 | その他
「森見登美彦10年目の集大成」という、いかにも、なキャッチフレーズをつけられた最新作。直前に読んだ森見初の対談集『ぐるぐる問答』とセットで刊行された。新刊が待ちどおしかっただけに、ようやくしかも2冊同時で大喜び。 本作は5篇からの短編連作のようなスタイルになっている。ホラータッチの作品でかなり怖い。いつものユーモアは影を潜め、鞍馬の火祭の夜、行方不明になった女性を核にして、10年後、あの日の . . . 本文を読む
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『虐殺器官』

2017-02-12 22:07:18 | 映画
この圧倒的な情報量、その知的刺激の洪水。目まぐるしい展開。今と言う時代の怖さ。描かれるものは、テロ、戦争ということにとどまらない。2020年という時代設定も危うい。ほんの少し先の未来。いや、未来というより今の続きでしかない。というか、水面下で今起きている現実といっても誰も疑わない。 ラストの2022年の告発シーン(冒頭でも、ちらりと描かれる)もリアルだ。それにどれだけの意味があるか、なんて関 . . . 本文を読む
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『皆さま、ごきげんよう』

2017-02-12 22:05:24 | 映画
2010年の『汽車はふたたび故郷へ』以来となるイオセリアーニの久々の新作だ。前作は自伝的作品で情緒的な作品だったけど、今回はいつもの彼に戻ってノンシャランとした映画のようだ、と期待した。なのに、なんだかまるで乗れない。 映画はしりとりのような展開をする。あるエピソードのお尻で次のエピソードの人物が登場し、そちらにカメラがついていく、というパターンで次の話が、と、だらだらと流れていく。作品の態 . . . 本文を読む
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『新宿スワンⅡ』

2017-02-12 22:02:24 | 映画
快進撃を続ける園子温の新作は昨年の『新宿スワン』の続編。前作がヒットしたから二匹目のドジョウを求められた。で、もちろん引き受ける。やれるものならなんでもやる、というのが今の彼のスタンスなのだろう。オファーがあるなら力尽きるまでやってやろうじゃないか、という心意気で挑んだ(か、どうかは知らないけど)。で、玉砕している。 久々につまらない映画を見た。退屈すぎて途中からどうしようかと困った。しかも . . . 本文を読む
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『ミス・ペレグレンと奇妙なこどもたち』

2017-02-12 21:58:35 | 映画
ティム・バートンの最新作はとてもチャーミングで切ない冒険物語だ。見る前はもっとかわいらしい童話のようなお話なのかと思っていたが、見始めてこれは少しようすが違うぞ、と思わされる。一見すると、よくあるような不思議な世界に迷い込みそこで暮らす奇妙なこどもたちと出会い一緒に過ごす心地のよい時間を描くのか、と思わせておいて、実はさにあらず。そこにとどまったりはしないのだ。現在から1943年のある日で時間が止 . . . 本文を読む
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まはら三桃『白をつなぐ』

2017-02-12 21:50:16 | その他
毎年1月広島で開催される都道府県対抗駅伝を舞台にした物語。福岡代表チームのメンバーの事前合宿(1泊2日)からスタートして出発の日、アップ、前夜、当日(1区から7区まで)、懇親会、帰郷という大会のすべてが描かれていくほんの数日間のお話。 7区間を走る7人のメンバー(中高生から大学生、社会人の混成チーム)にサポートメンバー、監督、コーチというその10数人を主人公にする。大会前後の数日のドキュメン . . . 本文を読む
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劇団いちびり一家『スカート』

2017-02-07 00:11:20 | 演劇
おばあちゃんのスカートの中に隠れていたオスカル(ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』)をモチーフにして、いつものように自由自在に妄想の翼を広げる「いちびり一家」最新作。前回の〔いちみり☆しあたぁ〕『怪談隣の家』も素晴らしかったけど、今回、大きな舞台を縦横に使い切ったこの作品は最高に素晴らしい。 演劇であることの魅力を最大限に満喫させる。応典院をここまで広い空間にして見せる芝居はなかなかないだろ . . . 本文を読む
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『裁かれるのは善人のみ』

2017-02-07 00:08:27 | 映画
放置されたままのクジラの巨大な骨。その強烈なポスターのビジュアルが印象的で、それだけでこの映画が見たい、と思う。もちろん、今ロシアを代表する(というか、世界を代表すると言ってもいい)巨匠アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の新作である。今回も実に重い映画だ。しかし、ここからは目が離せない。 壮大な風景の中で描かれる人間の営み、という基本的なコンセプトはいつも変わらない。自然の圧倒的な描写がまずあ . . . 本文を読む
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藤野佳織『爪と目』

2017-02-07 00:07:59 | その他
この不気味な小説は、3歳の少女の大人びた視線を通してすべてが語られていく。大人になった今の彼女の視点から、当時の彼女の周囲のドラマが、3歳の時間のリアルタイムとして見せていかれる。「あなた」と語られる新しい母となる女性のことを、「わたし」であるあの頃の自分の目から語るのだ。 事故に(自殺かも)よって母を喪い、そこに新しい母として入ってきた父の愛人だった「あなた」。あなたは別にわたしの義母にな . . . 本文を読む
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DIVEプロデュース『メイド・イン・ジャパン』

2017-02-07 00:05:00 | 演劇
今週は野心作ばかりが登場するけど、その中で一番楽しみにしたのが、この作品だった。土橋淳志脚本、笠井友仁演出、という布陣だけで期待はマックスになろう。しかも、このタイトルである。パンフにもあるようにテーマは今の「日本」だ。こんな大きな漠然としたテーマを設定して、どこをどう描こうとしたか、気になって仕方なかった。さぁ、「日本」をどう描くのか。お手並み拝見。 「メイド」は、メイド喫茶のメイドのこと . . . 本文を読む
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