習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

匿名劇壇『レモンキャンディ』

2017-05-23 22:35:26 | 演劇
  「落下する飛行船とんでもなく上空で故障したので、地面に到着するまで、あと7日間」という基本設定がまずありえない。しかも、故障が絶対に直らないというのも、なんだかなぁ、で、このあまりにむちゃくちゃな前提を受け入れないことには、話は先に進まない。飛行船は大気圏外まで上昇しません。(たぶん) ちゃんとチラシを読んでなかったから、最初は宇宙船の中の話だと思っていた。(それでもおかしいけど。 . . . 本文を読む
コメント

犯罪友の会『ラジオのように 改訂版』

2017-05-23 22:33:01 | 演劇
  5年ぶりの再演。新キャストで挑む改訂版。台本には、(たぶん)ほとんど変更はないように思う。キャストに合わせての改稿はなされているのだろうけど、あまり気にならない。   70年代の大阪、下町を舞台にした小さなお話。大衆食堂が舞台。お客はこないけど、常連さんからの出前とかはあり、なんとか生活は出来ているよう。父と2人の娘たち。最近ひとり従業員(彼は実は父親の前妻との子供。 . . . 本文を読む
コメント

『追憶』

2017-05-23 22:26:58 | 映画
  「日本映画界のレジェンド、降旗康男と木村大作の9年ぶりのコンビ作」なんていう宣伝がなされる。そんな時代が来たのか、と感慨に耽る。彼ら2人と高倉健がチームを組み、いくつもの映画が作られた。健さん亡き今、若い岡田准一を迎えて往年の日本映画に挑む。岡田准一が21世紀の「健さん」になれるか、というと、さすがに荷が重い。伝説は受け継ぐものではなく、作られるものだ。   オーソド . . . 本文を読む
コメント

『無限の住人』

2017-05-21 22:10:58 | 映画
2時間21分、ずっと戦いの連続技で見せきる。そういう意味ではこれは実にあっぱれだ。モノクロで描かれる冒頭のチャンバラシーンは凄い迫力で、ド肝を抜かれる。だが、その後も次から次へと、同じような戦いの連続で、でも、それぞれがとてもよく考えられていて飽きささない。凄い、凄いと同じ感想の連続。グルメ番組で、バカなゲストが、何を食べても「おいしいです!」を連発するのと同じで、バカな観客に成り下がるしかない。 . . . 本文を読む
コメント

『スプリット』

2017-05-21 21:42:37 | 映画
これをほめるのは、きっと宣伝マンだけ。シャマランはもう終わってる。一世を風靡した。驚異の作家だった。『シックス・センス』の衝撃のラスト。そんなこと、ありえない、と思わせた。ありえないことは、2度、3度続くと、ただの日常の風景と化す。もう誰も驚かない。驚くことが惰性になるとそれは悲惨だ。 今思うと『アンブレイカブル』は凄かった。僕は『シックス・センス』よりもこの2本目のほうを買うくらいだ。ワンアイ . . . 本文を読む
コメント

『セトウツミ』

2017-05-21 21:30:48 | 映画
こんなバカバカしい映画があるのか。ただただ、無駄話をしているだけ。TOHOシネマズの上映前アニメ『紙ウサギロペ』のロペとセンパイのように。セトとウツミのふたりは、学校帰りに、通学路にある川のほとりで座ってしゃべっている。いつも同じ場所。動くこともなく、ダラダラ。どうでもいいことを。それを聞いていると、笑える。くだらない。意味ない。でも、可笑しい。 これで映画になる、というのが、凄い。これで映画に . . . 本文を読む
コメント

『パーソナル・ショッパー』

2017-05-21 21:01:15 | 映画
主人公の女が霊媒師で、セレブの女性(有名な女優?)のスタイリストかなんか、をしていて、双子の兄が死んで、自分も兄と同じ病気(遺伝か?)を抱えていて、(でも、兄の死は事故?)近い将来死ぬかもしれないという不安を抱きながら(芥川龍之介か!)死んだ兄の霊が見える、とか。さりげなく、提示されていく情報が、遅いから、なかなか描かれていることの全体像が見えないまま話だけは、どんどん進んでいき、なかなか、ついて . . . 本文を読む
コメント

『カフェ・ソサエティ』

2017-05-21 17:51:45 | 映画
今年のウディ・アレンはとてもいい。毎年1本のペースでコンスタンスに新作が公開される近年の彼だけど、ラブストーリーなのに、それだけではなく、彼の大嫌いなハリウッドを舞台にしているのに、そんなにシニカルでもなく、とてもバランス感覚のいい作品に仕上がった。軽やかに流れていくドラマを少し距離を置いて余裕で見守る。第3者のナレーションで話を進めるのもいい。変に感情移入しないで、見れる。主人公の青年を穏やかに . . . 本文を読む
コメント

『アンジェリカの微笑み』

2017-05-18 22:25:47 | 映画
  このオリベイラの遺作(たぶん)は、こんなにもサラリとしたゴーストもの。死者に魅せられた青年の不思議な体験を淡々と描く。いったい何を見せたいのやら、それすらよくわからない。ホラーというには、怖くないし、だいたい怖がらせるために作ってない。   死んだ女(しかも夫がいる)に心惹かれても、彼の恋心は叶うはずもない。しかし、夜の窓辺に彼女がやってきて、夜間飛行を楽しむ。まぁ、 . . . 本文を読む
コメント

クロムモリブデン『空と雲とバラバラの奥さま』

2017-05-18 22:24:36 | 演劇
  いつもながら凄いタイトルだ。奥さまの体をバラバラにするのではない。一人であるはずの奥さまをバラバラに役割分担して、複数の妻を持つのだ。チラシには、(まるで本編と関係ない!)ヤケクソのような「男も嫁ぐ!子供も嫁ぐ!」という謎のコピーもあるけど、バカバカしいやら、なんだかで、笑える。   しかも、芝居がまた、今までのクロムとはまるで違うテイストで、それにもびっくり。これは . . . 本文を読む
コメント

無名劇団『無名稿 出家とその弟子』

2017-05-18 22:22:52 | 演劇
  中学生くらいの頃、この小説を読んだ.当時はとても面白かった、と思ったのだけど、実は今ではもうあまり記憶がない。というか、当時の僕はなんでこんな地味な本を読んでいたのか、それも今では謎だ。それに台本スタイルで書かれた小説なんて、生まれて初めてだったから、そこにも面食らった。最初はとても読みづらかったのを、覚えているような、いないような。そんなこんなを思い出す。   さて . . . 本文を読む
コメント

浪花グランドロマン『夢見る年頃』

2017-05-18 22:21:57 | 演劇
  NGRの芝居でこういう小さな会話劇を楽しむ日が来るなんて思いもしなかった。しかも、今回は女たちだけのお話である。もちろん浦部さんのフットワークはいつも軽やかで、今までだって、どんな題材にも好き嫌い無く取り組んでいた。だが、25年にわたるテント芝居(スケールの大きな作品を作らねばならない、というプレッシャー)を終わらせてからは、より意図的に小さな会話劇にこだわっているようだ。 &n . . . 本文を読む
コメント

魚クラブ『夜が摑む』

2017-05-11 21:18:29 | その他
応典院の広い舞台を自在に使って、夜の闇に取り込まれた男の孤独を描く。この大竹野正典の傑作戯曲の初演にも出演し、初期の大竹野作品に関わってきた昇竜之助が、三部作の最後として取り組む。若いキャストを率いて、彼らが生まれる以前の作品を今の芝居として見せる。大竹野家庭劇は、人間の抱く根源的な不安や孤独をテーマにしているから時代を経ても古びない。いつの時代、どこであろうと変わらない。   この . . . 本文を読む
コメント

『PARKS パークス』

2017-05-09 23:04:04 | 映画
  なんだか、とても残念な映画。こういう爽やかな映画はめったにない、と、とても心地よく見てたのだけれど、終わり方がなんだかなぁ、である。あの少女は何だったのだろうか。そこの決着を曖昧にして、なんとなく終わるのは納得いかない。   主人公の大学生、純(橋本愛)は、いきなり訪ねてきて居座る高校生ハル(永野芽都)に導かれて、50年前のこの公園を旅することになる。これは公園を舞台 . . . 本文を読む
コメント

『スウィート17モンスター』

2017-05-09 23:00:32 | 映画
  『トゥルーグリット』の少女、ヘイリー・スタインフェルドが高校生になって帰ってきた。これは単純に自分に対して自信のない女の子を主人公にした映画ではない。イヤミでゴーマンな女の子でもない。 ある種のパターンには収まらない。破天荒な女の子だ。いろんな意味で面倒くさいヤツであることは確かだけど、この子はある意味でとても正直。しかも素直。自分の気持ちに嘘がつけないから傷つく。周りとも折り合 . . . 本文を読む
コメント