習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ハルチカ』

2017-03-22 21:32:14 | 映画
1月公開の『僕らのごはんは明日で待っている』に続いて早くも今年2本目の市井昌秀監督作品だ。廃部寸前の吹奏楽部を復活させるために奮闘する新入生の女の子が主人公。彼女(チカ)と幼なじみで、偶然この高校に入って再会したハルタも、彼女に引っ張られて吹奏楽を始める。彼らの部員探しから始まる青春の日々が綴られていく。全体的にはお話自体はあまりリアルではなく、最初はコメディタッチのストーリー展開を見せるが、先日 . . . 本文を読む
コメント

恩田陸『蜜蜂と遠雷』

2017-03-18 04:10:12 | その他
今年(昨年?)の直木賞受賞作。というか、僕には恩田陸が直木賞を今まで貰っていなかった、ということの方が驚きだ。上下2段組み500ぺージを超える大作なのだが、読み始めると止まらない。読みやすいし、一気にラストまで読み終える。(でも3日間かけたけど) 3年に一度開催されるピアノの国際コンクールを舞台にして、エントリー(登場人物の紹介)から大会前夜、一次予選、2次予選、3次予選、そして本選までの . . . 本文を読む
コメント

『チア・ダン』

2017-03-18 04:08:47 | 映画
昨年の河合勇人監督の『俺物語』は極端な人間を描くコメディなのに、とてもリアルで感動的な作品だった。あり得ないことがありえる。それが映画の魅力なら、あの映画はそれをコメディタッチで見せながら、リアルな青春ドラマとして立ち上げることに成功した。もちろん、そこに貢献したのは鈴木亮平である。あの映画は彼という稀有の存在があったからこそ可能だったのである。30くらいの男が高校1年生を演じるという暴挙を実現し . . . 本文を読む
コメント

『ひそひそ星』

2017-03-17 19:55:07 | 映画
  園子温の究極のプライベートムービー。こういう映画を作れるのが、今の彼の置かれた状況なのだ。それはとてもすごいことだ。そして幸せなことだ。今や彼は売れっ子のスター監督になり、こんなにも自由な映画作りが可能になった、ということか。   これは25年前の企画だったらしい。『自転車吐息』でデビューした頃、次の作品として用意していたようだ。でも、これがとても個人的な企画で自主映 . . . 本文を読む
コメント

ザ・ブロードキャストショウ『のんちゃん、旅に出る』

2017-03-15 02:05:25 | 演劇
最初このタイトルだけ見て、これは見たいと思った。『のんちゃん、雲にのる』のパクリなのだが、あの小説の世界へのリスペクトが今の時代の中でどんなふうに映るのか(描かれるのか)それを目撃してみたいと思ったのだ。 小さなスペースでの公演である。初めての劇場(なんばのリバープレイスにあるアカルスタジオという場所)なので、そこもドキドキしていた。この作品の目指すものがそこにも象徴されている気がして勝手に . . . 本文を読む
コメント

川村元気『四月になれば彼女は』

2017-03-15 02:04:19 | その他
正直言ってうさんくさい、と思った。『世界から猫が消えたなら』を読んだとき、あざとすぎて無理、と思った。でも、映画になった作品のほうは監督が彼ではないからかもしれないけど、とても静かないい映画だと思えた。あの原作から、こういう映画ができるのだ、と感心した。川村元気は映画監督ではない。プロデューサーなのだけど、作家としても活躍している。そこにはプロデューサーとしての、リサーチされた観客の嗜好に合わせた . . . 本文を読む
コメント

『ブラインド・マッサージ』

2017-03-15 02:01:49 | 映画
こんなにも強烈な映画を見るのは久しぶりで、完全にノックアウトされた。先日見たパク・チャヌクの『お嬢さん』も確かに強烈だったけど、その比じゃない。これは表面的には恋愛映画なのだけど、そこに盲人というフィルターを通すことで、普通じゃなくなる。盲人だから普通じゃないとかいうのではない。彼らの貪欲な性への渇望に圧倒されるのだ。当たり前のことなのに、それがこんなにも切実で凄まじい。いつものことだが、ロウ・イ . . . 本文を読む
コメント

KUTO-10『あたらしいなみ』

2017-03-15 02:00:12 | 演劇
今回の工藤さんは、なんと台本にサカイヒロト、演出に樋口ミユという大胆な布陣を敷いた。これはすごい冒険だ。まず、このコンビの芝居が見られるというだけで、うれしい。それをKUTO-10でするというのだから、もっとうれしい。十分ありえたはずの、でも、今までなかったこの組み合わせが、工藤さんのもとで、どういう化学反応を起こすのかを楽しみにして劇場に向かう。 予想通りの妥協のない芝居だった。ふたり(も . . . 本文を読む
コメント

レトルト内閣『オフィス座の怪人』

2017-03-15 01:58:40 | 演劇
もうこれは明らかに『オペラ座の怪人』のパロディなのだが、(数年前にこの同じ近鉄アート館で同じコンセプトの芝居をスクエアもしていたけど、)それを三名刺繍さんがしたならどうなるのか。興味津々で見た。アート館の3周年企画である「VIVA!ミュージックアート館2017」の一環としての公演である。普段のレトルト内閣の本公演とはいささか趣を異にするのは仕方ない。イベント企画だから、。準備期間も十分じゃないし、 . . . 本文を読む
コメント

『若葉のころ』

2017-03-15 01:57:11 | 映画
映画を見て号泣するなんてことは最近めったにない。というか、昔だってなかなかそこまではしない。だから、声を出して泣く人(僕ですが)なんてほんとに久しぶりに見た。これを映画館で見なくてよかった、と思う。もし、昨年5月の公開時に予定通り劇場で見れていたならとても困ったことだろう。昨日、夜明け前のリビングでひとり見た。 でも、だからこそこんなに素直に泣いてしまったのかもしれない。今という時期も僕には . . . 本文を読む
コメント

2月の小説、DVD

2017-03-08 23:42:13 | その他
2月の小説は豊作だった。忙しいから映画や芝居をあまり見に行けなかったので、小説やDVDをたくさん見た。読んだ。DVDは12本。小説は13冊。あれ、あまりたくさんじゃない。要するに少ない持ち時間の中では、かなりの量をこなせたという意味での「たくさん」なのだろう。でも、さすがにそれぞれの感想を書く時間まではなかった。思いつくままに、軽くメモ程度の感想を書いておく。 古谷田奈月『シュンのための6つ . . . 本文を読む
コメント

『お嬢さん』

2017-03-08 23:40:24 | 映画
パク・チャヌクの新作だ。昨年『シークレット・ガーデン』でハリウッドデビューを果たした彼が再び韓国に戻り、作った大作である。日本の統治下にあった朝鮮を舞台にして、朝鮮で育った日本人女性と彼女の世話をすることになるメイド、彼女の持つ遺産を奪うため彼女に近づく詐欺師の男、その3人のお話。3部構成で2時間半の大作である。視点を変える3つの同じ話が(微妙に重なるという程度だけど)そのズレを通して、彼ら3人の . . . 本文を読む
コメント

いとうみく『車夫』

2017-03-08 23:39:02 | その他
車引きの少年が主人公。時代劇ではなく現代のお話。浅草周辺には観光客相手にした人力車がたくさんいる。吉瀬走は高校を中退して、ここで働いている。両親が家出して、ひとり取り残された彼は、偶然からこの仕事に就いた。高校の先輩が世話してくれたのだが。陸上部にいた。走るのが好きだった。高校を中退したくはなかった。でも、ひとりぼっちになり、身寄りもない17歳が授業料は払えないし、生きていくためには働かなくてはな . . . 本文を読む
コメント

『彼らが本気で編むときは、』

2017-03-08 00:15:49 | 映画
とてもいい作品だと思うけど、惜しい。生田斗真が女に見えないからだ。無理して女らしくしなくても、そこに彼女がいるだけで、女らしさが立ち上るといいのだが、無理がある。 男の体で生まれてきた女の孤独。自分の性癖を理解してくれ全力で守ってくれる母親(田中美佐子)がいたから、ちゃんと女性として生きてこれた。そして、素敵なパートナー(桐谷健太)にも恵まれて、介護士としての仕事を持ち、幸せな日々を送る。で . . . 本文を読む
コメント

LINX’S プロデュース(仮)『メビウス 201703』

2017-03-08 00:12:26 | 演劇
打ち棄てられた2体のロボット。廃棄され、あと少しで寿命も尽きる。ここはロボットの墓場。彼らは最後に人間のフリをして、恋をする。製造されて、これまでの時間に見てきたさまざまな風景が彼らの中にはインプットされている。これは彼らの記憶のできごとなのか。それとも、夢なのか。2体は、というか、ふたりは、今まで何度となく生まれ出会い愛し合ってきた。その長い歴史を一瞬の夢のような記憶として再生する。いろんな場所 . . . 本文を読む
コメント