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映画・演劇のレビュー

『本能寺ホテル』

2017-01-18 23:02:21 | 映画
鈴木雅之監督の『プリンセストヨトミ』は、原作には及ばないけど、とてもよくできた娯楽大作だった。今回彼は再び同じキャストを使い、この歴史大作に挑んだ。コンセプトは同じで、舞台が大阪から京都に移し、豊臣から織田信長に変わる。 今を生きるふつうの女性が偶然から歴史の大きな分岐点に立つことになる、というお話だ。それをコメディタッチで見せていくのも前作を踏襲している。ただ、前作は万城目学の原作があった . . . 本文を読む
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たなぼた×北村成美 コラボ企画『bonvoyage ブルーバード観光で行く,秘境・パワースポットと温泉の旅』

2017-01-18 23:00:04 | 演劇
たなぼたが北村成美と組んで作り上げた作品。ダンスと演劇のコラボ。でも、そこはたなぼたであり北村成美である。一筋縄ではいかない。なんだかとても泥臭い作品で、親しみやすい。カッコ悪い。でも、そこが魅力でもある。だいたいこのタイトルである。タイトルそのままのお話。というか、あまり話はない。特に前半は「これはなんなんだ?」というくらいに作りが緩い。明確なストーリーラインがあるのに、そこから逸脱していく。ダ . . . 本文を読む
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『僕らのごはんは明日で待ってる』

2017-01-16 02:43:26 | 映画
こういう地味な映画がちゃんと作られて、全国東宝系で公開されるって、いいことだ、と思う。パッケージングはジャニーズ事務所のタレントを使ったアイドル映画のスタイルを踏み、キラキラ青春映画(今発売中のキネ旬が、たしかそういうようなネーミングをしていた)を装うけど、これはその手の映画とは一線を画する。だって、原作は少女マンガではなく、瀬尾まいこの小説である。恋愛小説だけど、高校生のシーンもたくさんあるけど . . . 本文を読む
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『マンガ肉と僕』

2017-01-16 02:40:52 | 映画
杉野希妃の第1回監督作品。2作目のほうが先に公開されていて、そちらはもう見ているけど、実は、あまりおもしろくなかった。だが、こちらは実に刺激的な作品だ。8年間の歳月の中で、3つの恋愛を3つの時間のなかで描き、そこにひとりの男の姿を切り取る。 ただの恋愛映画ではない。面倒くさい女たちに弄ばれる男を描くように見せかけて、弱いつまらない男の当然の帰結を描く。杉野監督の視線は辛辣で、怖いくらいだ。3 . . . 本文を読む
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大島真寿美『ツタよ、ツタ』

2017-01-16 02:37:26 | その他
沖縄から始まる。ひとりの女性の生涯を描くのだが、確かにこれはこれで大河ドラマである。だけど、よくある女の一代記ではない。まるで昔話でも語るようなタッチだ。過酷なお話なのに、なんだかほのぼのしている。 まるで関係ないけど、このタッチは陳凱歌の新作『道士下山』を思わせる。これはファンタジーではないのに、まるで、遠い昔のお話のようだ。リアルでなくてもかまわないし、こんなにもリアリズムなのに、リアル . . . 本文を読む
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『土竜の唄 香港狂騒曲』

2017-01-16 02:36:49 | 映画
新年1本目の映画はド派手なバカ映画がめでたくていい。そこでこの映画にした。なのに、これがなんだか真面目なのだ。 まず、前作の続編という当たり前のことがちゃんと律儀に守られてあるのに驚く。こういうばかばかしいコメディはいい加減でいいから、前作のお話なんか了承事項としてすっ飛ばして始めるのがパターンなのに、なんてマジメなんだぁ。でも、そんな真面目さすらふざけているように思わせるのが、実はこの映画 . . . 本文を読む
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『道士下山』

2017-01-11 22:25:32 | 映画
こんなにもシンプルなタイトルの映画はなかなかないだろう。しかもこのタイトル通りの内容である。ある若い道士が山を下りて下界に下り、人生を知る。それだけのお話だ。陳凱歌の新作である。 世界を代表する巨匠の待望の最新作なのに、日本ではなんと劇場公開すらなされないまま、DVDリリースである。だが、その理由はわからないでもない。アート映画ならまだしも、こういう単純な娯楽映画を今の日本の観客は彼に求めな . . . 本文を読む
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MEHEN『ハローワールド、私の世界を愛してる』

2017-01-11 22:23:49 | 演劇
今年最初の芝居。ウイングカップ参加作品。初めての集団と接するときは、いつもなんだかドキドキする。どんな世界を見せてくれるのか、そこにはまだ見たことのないような世界が広がるのか。それとも、どれだけがっかりさせられるのか、とか。SF的な世界観を持つ作品は、当たり外れが大きいから、かなり怖い。チラシは雰囲気があって期待大。ちゃんと内容も説明してあるから、台本は早い時期にできているのだろう。これは主宰であ . . . 本文を読む
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『ディストラクション・ベイビーズ』

2017-01-11 22:22:22 | 映画
真利子哲也監督の商業映画デビュー作。初期の自主映画は何本か見ていたし、中編映画も何本か見たけど、これは満を持しての長編作品となる。想像通りの過激な作品で、彼のスタンスは変わらない。というか、想像以上に激しい。こんなにも挑発的で実験的な作品を作るのか、と驚く。 見るものを不快にさせる。理由のない暴力は人を不安にさせる。不安な気持ちを煽る。だが、それはただ、観客を刺激して不快感を募らせたいわけで . . . 本文を読む
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2016 (DVDで見た)映画ベストテン

2017-01-02 18:28:22 | 映画
① 『雪の轍』  ヌリ・ビルゲ・ジェイラン (トルコ) ② 『セレナの惑い』  アンドレイ・スビャキンツェア (ロシア) ③ 『白い沈黙』  アトム・エゴヤン (カナダ) ④ 『幸せのまわり道』 イザベル・コイシェ (アメリカ) ⑤ 『フレンチアルプスで起きたこと』 リューベン・オストルント (デンマーク) ⑥ 『ホワイトゴッド 少女と犬の狂詩曲』 コ . . . 本文を読む
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2016小説ベストテン

2017-01-02 18:24:05 | その他
① 西川美和 『永い言い訳』 ② 小川糸  『ツバキ文具店』 ③ 森絵都  『みかづき』 ④ 角田光代  『坂の途中の家』 ⑤ 白石一文  『記憶の渚で』 ⑥ 柚木麻子  『幹事のアッコちゃん』 ⑦ 畑野智美  『夏の終わりのハル』 ⑧ 羽田圭介  『コンテクスト・オブ・デッド』 ⑨ 村田沙耶香  『コンビニ人間』 ⑩ . . . 本文を読む
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2016 演劇ベストテン

2017-01-02 18:20:06 | 演劇
① 『革命少年』 レトルト内閣 ② May 『モノクローム』 ③ 青年団  『冒険王』 ④ クロムモリブデン  『翼とクチバシをください』 ⑤ A級missing link 『 或いは魂の止まり木』 ⑥ カメハウス  『どろどろどる~んぷらすてぃっく』 ⑦ 南船北馬  『これっぽっちの。』 ⑧ Iaku  『車窓から、世界の』 ⑨ . . . 本文を読む
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2016 映画ベストテン

2017-01-02 18:15:54 | 映画
① 『リップヴァン・ウインクルの花嫁』  岩井俊二  (日本) ② 『神様メール』  ジャコ・ヴァン・ドルマル (ベルギー) ③ 『光の墓』  アピチャッポン・ヴィラセタクン (タイ) ④ 『クリーピー 偽りの隣人』  黒沢清 (日本) ⑤ 『永い言い訳』  西川美和  (日本) ⑥ 『君の名は。』  新海誠  (日本) ⑦ 『怒り』  李相白 . . . 本文を読む
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劇団きづがわ『追憶のアリラン』

2016-12-31 01:02:25 | 演劇
この芝居とは直接関わり合うことはない個人的なことだが、この夏、僕も韓国に行ってきた。10数年前、初めて訪れた釜山を再訪した。今度もいつもと同じように徒歩での街歩きが中心で、今回はどちらかというと、観光地ではなく、なんでもないところばかりを見て来た。だから、あまり有名なところには行ってない。どちらかというと、人があまり行かないところが中心で、やはり楽しい。(まぁ、前回行った時、おのぼりさん状態だった . . . 本文を読む
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無名劇団『ハッスル☆ライフ』

2016-12-31 01:00:46 | 演劇
チラシにあった解説は強烈だった。「祖母と私」を描くということはそこにちゃんと書いてある。でも、あれだけ見たらもっと凄まじいお話を想像した。しかし、実施の芝居はもう少しマイルドなタッチになっている。太宰治の『走れメロス』を引用して、目的に向かって全力で走りぬけていく少女の人生を描く島原夏海の自伝的作品。 祖母と本人との関係を題材にしたのだが、それを劇団員と話し合いアレンジして台本とした集団創作 . . . 本文を読む
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