習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『この国の空』

2015-08-29 19:18:57 | 映画
野中柊の力作長編『波止場にて』を読んでいたら、どうしてもこの映画を見たくなった。もともとこの夏一番見たい映画だったのだが、なかなか機会が作れず、今日まで見逃したまま過ごしてきたけど、そろそろいいかげん見に行かなくては公開が終わりそうなので、ほかの用事をキャンセルして見に行く。 『波止場にて』は昭和10年代、横浜が舞台となる。10歳だった少女が戦禍をくぐりぬけて、戦後を生きた姿を描く。戦争が終わ . . . 本文を読む
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夏の読書  『神様のカルテ 0』 他多数

2015-08-29 18:52:05 | その他
この夏休み20冊くらい本を読んだ。でも、時間がなくて、ほとんどの本について、ここに書いていない。そこで、ほんの少し、おもしろかった本のことを紹介しよう。20冊のうち、4,5冊は書いたけど、ほかにも面白い本がたくさんあった。 20冊は別に多くはない。夏は40日くらいあったから、いつもと変わらない。だが、夏休みは授業がないから、忙しい。普通に授業があれば空き時間にのんびりできるけど、そうじゃないか . . . 本文を読む
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川上弘美『猫を拾いに』

2015-08-29 18:51:24 | その他
この短編集を読みながら、そのあまりに心地よさに陶然となる。川上弘美の世界はいつも同じだから、読みながら、この小説絶対に読んだことがあるよ、と思った。でも、2013年10月出版だから、もし読んでいるなら、2014年ということになる。昨年のことだ。昨年これを読んだ記憶はないから、絶対に思い違いである。でも、まるでデジャブみたいに、描かれるお話に記憶がある。もちろん、ほかの川上弘美の短編集にあるお話に . . . 本文を読む
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『みんな! エスパーだよ!』

2015-08-27 20:18:41 | 映画
ありえんわ、と思った。深夜のTVシリーズでオンエアされた時、毎回見ていた。園子温がTVドラマを撮るという快挙に興味を抱き、見たのだが、バカバカしいにもほどがある。こんなアホなドラマをよくもまぁ、TVで流すよなぁ、と感心した。くだらない、としか言いようがない。と、思いつつも、なんだか癖になり、最後まで見てしまった。 幼稚で低能。でも本気で、ひたむき。テレることなく、全力投球が眩しい。 ただ、園子 . . . 本文を読む
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『0・5ミリ』

2015-08-27 20:06:44 | 映画
怒濤の3時間16分。この映画を見ること、って、けっこう勇気がいる。映画館ならまだ大丈夫だけど、家でDVDで見るには、この長さはきつい。だが、始まったら、スクリーン(ブラウン管だが)から目が離せない。こんな地味な映画なのに。凄いことだ。 4人の老人が出てくる。彼らの出番は10分、20分、3人目が坂田利夫で30分。メインは津川雅彦。この話が70分。介護の問題を扱う。でも、シリアスというよりもこれはち . . . 本文を読む
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楽市楽座『バードフラワー』

2015-08-25 18:34:42 | 演劇
今年も楽市のツアーが大阪にやってきた。今回の作品は、いつも以上にシンプルで静かな芝居。この単純さがいい。ストーリーなんか、もうほとんどないに等しい。90分の至福の世界、そこを彩るいくつもの歌がいい。心地よい時間が過ごせれる。今回は佐野キリコさんが主役(彼女はお姫様もいいけど、それより、今回のような男役の方がいい)、彼女の歌声を思う存分聞かせるのもいい。廃墟となった劇場で歌うシーンは本編の白眉だ。 . . . 本文を読む
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『破風』

2015-08-25 18:33:55 | 映画
今回は台湾鉄道を使って高雄からスタートして西から台北へ、東回りで再び高雄まで、台湾全土をぐるっと1周するという旅だ。7日間しか休暇は取れないから、ポイントを絞る。台中と花蓮を重点的に見て、台北はスルーする。初日、無事、夕方には台中に着き、ホテルに荷物を置いて、さっそく映画館(なんだか、なぁ、とも思うけど)に行く。サマーシーズンの大作の数々から1本をチョイス。個人的には王童の新作(『3丁目の夕日』 . . . 本文を読む
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『天空の蜂』

2015-08-16 19:43:59 | 映画
この映画がダメなのは、こういうお話であるにも関わらず、このなんとも言いようのない緊張感のなさはどうだ。どうしてこんなにもスリリングなお話をここまでお間抜けに作れるのだろうか。お話自体はタイムリーだし、充分面白い映画になるはずだった。原作は東野圭吾。せっかくのお話を、ご都合主義で安易な展開にしてしまい、つまらない。 1995年の出来事として設定されている。原作小説が出版された年だ。映画は原作をその . . . 本文を読む
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『S 最後の警官 奪還』

2015-08-15 16:54:10 | 映画
較べることに何の意味もないと知りながらも、どうしても『ミッション・インポッシブル ローグネーション』を見た直後にこういう映画を見てしまうと、この日米大作を比較してがっかりすることになる。アメリカ映画は凄い、と思ってしまわざるを得ない。予算のかけ方が半端じゃない、とか、そんなお話ではない。この日本映画の「超大作」がダメなのは、スケールがしょぼいのではなく、台本が悪すぎるのだ。それはこれが安易なTV . . . 本文を読む
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『フランシス・ハ』

2015-08-15 16:53:19 | 映画
この地味なアメリカ映画が、とても心地よい。今時モノクロ映画なのだ。もちろん、それは確信犯で、でも、いまさらジャームッシュ『ストレンジャー・ザン・パラダイス』ではない。この映画はスタイリッシュでおしゃれなアート映画なんかを目指さない。 ひとりの女の子の毎日を描く青春映画なのだ。だからこれはパステルカラーの映画でもいい。「頑張る彼女に乾杯!」なんて感じでもいい映画なのだ。しかし、そうはならないし、 . . . 本文を読む
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『ミッション・インポッシブル ローグネーション』

2015-08-15 16:52:36 | 映画
『スパイ大作戦』がこのタイトルになった時は凄い違和感があったのに、今ではこちらのほうがしっくりくる。それくらいに馴染んでしまったし、本家であるTVシリーズなんかもう誰もイメージしない。トム・クルーズの最高ヒット作の第5弾。ハリウッドのヒットメイカーの看板シリーズは本人のイメージを限定してしまい、役者自身はあまりいい気分じゃない場合も多いのだが、彼のこのシリーズは別格。イーサン・ハントは戦い続ける . . . 本文を読む
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エイチエムピー・シアターカンパニー『阿部定の犬』

2015-08-10 19:19:15 | 演劇
熱い芝居である。オリジナルの熱気をそのまま再現しようとした。そんな「ザ・アングラ」をいつもクールな笠井さんが相変わらずクールなタッチで見せる。なのに、それが水と油にはならない。 とてもスリリングな作品に仕上がった。3幕3時間半に及ぶ作品を2時間50分に仕上げた。全体のテンポをあげていくと、どんどん短くなった。本当なら2時間20分にだって出来た。いや、もう出来ている。でも、そうはしなかった。僕は2 . . . 本文を読む
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dracom『たんじょうかい♯3』

2015-08-10 18:04:40 | 演劇
今年もドラカンは『たんじょうかい』をする。これで3年連続。でも、今回が最後になるらしい。残念だが、仕方あるまい。そろそろ筒井さんの作品が見たい、とたくさんの人たちが思っている。というか、誰か『たんじょうかい』を引き継いでくれないか、と筒井さんは書いている。(当日パンフによる)関西にはまだまだ凄い作家がたくさんいる。そんな作家たちを紹介して欲しいのだ。ドラカンとしては、今回で終わるけど、『たんじょう . . . 本文を読む
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『ジュラシック・ワールド』

2015-08-07 07:46:47 | 映画
スピルバーグに任されて新鋭コリン・トレボロウ監督がメガホンを取ったシリーズ第4作は会心の出来だ。ドキドキハラハラの映画の王道を行く娯楽巨編。まだほとんど経験もない(これが監督2作目!)若い監督にこれだけのプロジェクトを任せる。(自身も監督2作目であの『ジョーズ』を作った!) 不安はあったはずだし、周囲の反対もあっただろう。だが、スピルバーグは(きっと)押し切ったのだ。その結果がこれである。不安なん . . . 本文を読む
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『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』

2015-08-07 06:41:46 | 映画
予告編を見ているような気分だ。テンポがよすぎて、サクサク行く。でも、それは膨大なお話のダイジェストにも見える。巨人を避けて城壁を作り、その中で暮らす100年間。その間、彼らは巨人を見ていない。巨人の存在を実在のものとは信じきれない人々が徐々に増えてくる。誰も(100年以上生きている一部の人たち以外は)実物の巨人を見た人はいない。巨人なんか、ただの伝説ではないか、と思う。(戦争から70年。戦争を知ら . . . 本文を読む
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