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映画・演劇のレビュー

『幸せの教室』

2012-06-02 22:36:22 | 映画
 トム・ハンクスが 監督デビュー作である『すべてをあなたに』から、なんと15年ぶりに長編映画のメガホンを取り、あのジュリア・ ロバーツと共演した第2作である。前作と同じようにとても軽やかで、トム・ハンクスらしい作品だ。お気楽な作品だと一蹴しても構わないけど、僕は嫌いではない。この爽やかさは悪くないと思うのだ。ただこんなにもノーテンキではいられないほど、世の中は世知辛くなっているのも事実であろう。こ . . . 本文を読む
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『エッセンシャル・キリング』 『ゴースト・ライター』

2012-06-01 21:01:57 | 映画
 『エッセンシャル・キリング』は説明をしない。ただ、事実を追いかけるだけだ。『アンナと過ごした4日間』のイエジー・ スコリモフスキ監督作品。ムハンマドは生き延びるためにただひたすら逃げる。アメリカ兵から、自然の脅威から。主人公のヴィンセント・ギャロは、耳が聞こえないから、しゃべることもない。83分間、セリフはない。  ただ、ひたすら逃げるだけだ。お話の背景も説明しない。目に見える事実から推察する . . . 本文を読む
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『愛と誠』

2012-05-29 20:01:53 | 映画
いくら三池崇史であろうとも、これはないんじゃないか。プロデューサーは、こんな無謀な企画にGOサインを出して、いいのか。しかも、それなりに大予算の映画である。ここまでふざけた映画で、怖くなかったか?  三池だから大丈夫、とでも思ったのか。でも、観客は、あきれ返ってそっぽを向くのではないだろうか。そして、劇場は閑古鳥が鳴くことになる、かもしれない。たぶん。 これはただの趣味の映画だ。やること為す . . . 本文を読む
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『コンテイジョン』

2012-05-26 19:40:24 | 映画
 ソダバーグ監督の新作は、パンディミックを扱うドキュメンタリー・タッチの作品だ。こういう題材を映像として見せるのが難しい。派手な描写は皆無だ。大体そういうパニックシーンやら、炎上や、アクションとかとは、無縁の映画なのである。では、彼はどういう方法論を取るのか。  彼は、これをまず、オールスター映画として見せようとする。それはこの作品を大作映画として箔をつけるためではない。マリオン・コティヤール、 . . . 本文を読む
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『街角的小王子』

2012-05-24 19:57:32 | 映画
 この小さな映画は、とてもかわいい。75分という上映時間も凄い。劇場用映画としては破格だろう。最近の台湾映画はこういう映画が人気なのか。小さければ小さいほどいい。ささやかであれば、ささやかであるほど、いい。そんな映画だ。2010年9月に台湾で公開されたリン・シャオチュン監督のデビュー作。  パステルカラーの青春映画。おとなしい女の子が、友だちと2人で、捨て猫を見つけるシーンから始まる。その猫を飼 . . . 本文を読む
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『白夜』

2012-05-24 19:53:04 | 映画
 小林政広監督がこんな恋愛映画を撮るなんて、どういう心境の変化なのか。頼まれたから仕方なく撮ったのか。しかも、低予算でとても安易に作られてある。ロベール・ブレッソンの同名傑作映画を視野に入れているのは、当然の話だろうが、ここまで素人映画のように下手に作ったのはなぜか。  しかも、それでおもしろければそれだけでいいのだが、まるでつまらないから、どうしたらいいか、と思う。途中で見るのをやめようか、と . . . 本文を読む
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『RAILWAYS』

2012-05-23 19:05:32 | 映画
 昨年見た三浦友和主演の『RAILWAYS 2』(正式なタイトルは『RAILWAYS  愛を伝えられない大人たちへ‎ 』)を見たとき、やられたなぁ、と思った。ここまでベタに今に日本の現状をてんこ盛りにしなくても、いいじゃないか、と思いつつも、今、これをしなくてはいつやるのか、とも思った。定年真近の団塊で世代の第2の人生にむけてのドラマは、あざといくらいだが、『RAILWAYS』という題 . . . 本文を読む
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『テルマエ・ロマエ』

2012-05-22 21:22:28 | 映画
 平たい顔族プリンスを上戸彩が演じる。これはナイスなキャスティングだ。というか、彼女はプリンスではなくただのヒロインなのだが、彼女を王女さまに設定しても面白かったのではないか。大体、平たい顔族というネーミングが素晴らしい。予告編を見た時から、あの「顔が、平たい!」という阿部寛の驚きの声が、耳に張り付いて離れなかった。あれだけで、この映画を絶対に見たい、と思った。銭湯にいる老人たちの平たい顔もすごい . . . 本文を読む
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『虹色ほたる』

2012-05-21 19:51:56 | 映画
 1977年という設定だ。昨日見た『デメキング』といい、これといい、偶然だろうが、70年代がちょっとしたブームだ。(といっても、この2本だけだし、僕が偶然見ただけだが)  あの夏の日を描く。ダムの底に沈んだ村。最後の夏の記憶。少年は偶然そこに連れていかれる。ひと月ほどの時間をその村で過ごすことになる。懐かしい風景、自然、が描かれる。その中で夏休みを楽しむ子どもたちの姿が描かれる。  少年は、交 . . . 本文を読む
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『デメキング』

2012-05-21 19:21:53 | 映画
 とても変な映画だ。まるで予備知識なく見た。マンガの映画化であることと、怪獣が出て来るらしいことくらいだ。SFチックなしょぼい映画ではないか、と思うけど、なんとなく心魅かれた。で、かなり驚く。2009年の作品だ。  何を伝えたいのかが定かではない。なのに、とても気になる。曖昧なままストーリーが流れていき、謎は謎のまま、投げ出されていき、そして結論は定かではない状態でいきなり終わる。放り出された気 . . . 本文を読む
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『冬の小鳥』

2012-05-19 09:34:06 | 映画
 作者であるウニー・ルコント監督の自伝的作品だ。彼女の実体験がモデルになっているのだろう。孤児院に預けられ、やがてフランス人の里親に引き取られるまでが描かれる。とても個人的で、小さな話だ。父親の記憶もない。そこでの日々もきっと虚ろなものだ。9歳の少女の孤独と不安。それだけがくっきりと胸に刻まれてある。そのかすかな記憶を頼りにして、紡ぎあげたドラマは、そのあまりに繊細で、傷つきやすい心情がひしひしと . . . 本文を読む
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『別離』

2012-05-18 21:16:00 | 映画
 アスガー・ファハルディ監督の、この新作映画は、前作である『彼女が消えた浜辺』に続いて、今回もミステリータッチの作品で、この文芸映画っぽい日本語タイトルにはそぐわない。  イランの抱えるさまざまな問題が消え隠れするのも前回と同じだ。富裕層の夫婦と、生活に窮する夫婦の2組の男女と、それぞれの子供たち。2つの家族の現状がこのお話の背景にきちんと描かれるから、これは現代イラン社会の縮図にも見える。 . . . 本文を読む
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『モンスターズクラブ』

2012-05-18 20:34:41 | 映画
 同じ日に『KOTOKO』と『モンスターズクラブ』を2本続けて見てしまったのは、ちょっとした不幸だったと思う。どちらも同じように、ほぼ登場人物がひとりで、閉ざされた空間を舞台にして、自分を精神的に追い詰めていく話である。この2本立は見ていてかなりきつかった。それでも『KOTOKO』はまだいい。好き嫌いはあるにしても、映画自体が力を持っているからだ。  豊田利晃監督の『空中庭園』はとても好きな映画 . . . 本文を読む
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『ル・アーブルの靴みがき』

2012-05-17 18:50:53 | 映画
アキ・カウリスマキ監督の新作である。ポスターがとても気に行った。もちろんそんなことは関係なく彼の新作が公開されたなら、内容も知らずとも、まず見に行く。彼が『真夜中の虹』で彗星のように日本デビューしてから、どれだけの歳月が過ぎたことだろう。あの衝撃は今でも忘れることはできない。何も語らない。極限にまで削ぎ落とした簡潔な文体。なのに、圧倒的なインパクト。たった75分の映画なのに、その豊穣なイメージの . . . 本文を読む
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『HOME 愛しの座敷わらし』

2012-05-16 22:17:02 | 映画
 原作を読んだ時には、とても素敵な気分になれた。ほんのちょっとだけれど、現実から抜け出して夢の世界に誘われた。煩わしい都会から遠く離れて、岩手の田舎の村での生活を満喫させられた。築100年の藁ぶき屋根の大きな家で、暮らす。ここには何もないけど、ここでの暮らしのひとつひとつが新鮮な驚きに満ちている。そして、その家にはなんと可愛い座敷わらしがいて、家族はそのシャイな女の子と少しずつ友だちになる。正直言 . . . 本文を読む
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