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映画・演劇のレビュー

椰月美智子『消えてなくなっても』

2014-08-31 19:35:59 | その他
 たぶん2,3年前の夏のことだ。夏の大会の試合会場の体育館で、生徒が読んでいた『しずかな日々』を貸してもらった。それが椰月美智子の小説との出会いだ。読んでよかった、と心から思った。  また夏である。この夏の最後にこの小説をたまたま読んだ。夏の終わりにぴったり過ぎて、なんだか怖くなる。ちょうど8月30日から今日、31日に読むなんて、運命だったのではないか、と読み終えて思った。そんなわけで、ここ数日 . . . 本文を読む
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『喰女ークイメー』

2014-08-30 21:24:06 | 映画
 三池崇史監督最新作。もちろん、この後もどんどん新作が続々公開される。相変わらず怒濤の勢いだ。年に何本映画を撮る気なのか。もちろん、彼はやれる限りやる気だ。(たぶん)というか、そうやっているからこんなことになる。しかも、手抜きなしだ。今回もただのホラー映画ではない。もちろん、ただのホラーをさせても、彼ならどこまででもやる。  ここまでで、もう3回も「もちろん」を使った。それくらいに三池崇史は、い . . . 本文を読む
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『きっと、うまくいく』

2014-08-30 20:14:19 | 映画
 きっと面白い、と思いつつも、3時間という上映時間に恐れをなして、なかなか見れなかった。昨年の劇場公開時もそうだったが、DVDになってからもなかなかレンタル出来なかった。ここに至ってようやく見たのだが、こんなにも素敵な映画を今までほったらかしにしていたなんて、なんてもったいないことをしてたのだろうか。そんな気分にさせられる傑作だった。  昨年5月公開され、楽しそうな映画だな、と思い、チャンスがあ . . . 本文を読む
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『ルパン3世』

2014-08-29 21:15:36 | 映画
 なんてド派手な映画なんだろうか。感心するよりも、呆れる。ここまでドンパチ祭りをする必要があったのか。これではルパンたちがただの機械人形でしかなく、その役割を演じて見せただけになる。彼らが人間としてそこにいる気がしない。  最初はおなじみのキャラクターたちが実写で動き回るだけで、楽しかったけど、そのうちそれだけでは、飽きてくる。彼らが何者で、何をしようとしているのか、という映画としては当たり前の . . . 本文を読む
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『トランスフォーマー ロストエイジ』

2014-08-29 20:37:54 | 映画
 この夏最大のスケールのアメリカ映画を見逃すわけのはいかない。出来るだけ大きなスクリーンで見るための、一刻も早く見に行きたいと思ったけど、なかなか忙しくて劇場に行く余裕がなかった。ようやく先日目撃してきた。これは映画と言うよりもアトラクションだろう。それはこれまでの3作品が証明している。  今回、これまでの3作からキャストを一新しての新シリーズ第1弾となる。主人公にベテランのマーク・ウォールバー . . . 本文を読む
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『「また必ず会おう」と誰もが言った』

2014-08-23 20:25:36 | 映画
 こういうロードムービーはこれまでにも結構たくさんあるけど、この映画はそんな中で、少し変わったアプローチを見せる。  旅自体は受け身で、彼は自分から進んで旅に出た訳ではない。どちらかというと、仕方なく、である。しかも、それはつまらない自分の嘘から出発する。東京に行ったことがある、と友だちに嘘をついた。それを嘘にしないための辻褄合わせのため、東京に行く。そんなつまらない理由で旅を始めるような人間が . . . 本文を読む
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『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』

2014-08-23 19:32:30 | 映画
 こういう地味な映画がちゃんと劇場公開されるのは、うれしいことだが、公開から消えるまでがあまりに速すぎて、誰にも知られずに、いつのまにか劇場から姿を消すのはどうだかなぁ、と思う。まぁ、きっと見たい人はちゃんと見ただろうから、これでいいのかもしれないけど。  実は、手帳を見ていて、この夏見た映画で、まだ、ここ(このブログね)に記載していない作品が多数あることを発見した。これはそんな中の1本だ。7月 . . . 本文を読む
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ブルーシャトルプロデュース『零式』

2014-08-22 20:55:30 | 演劇
 最初『ゼロ』を見た時、思いきったことをするなぁ、と感心した。かなり微妙な問題を扱いながら、エンタメとしてきちんと消化した大塚雅史さんの作劇があざといと思う人も多々あったはずだ。敢えて「反戦」を前面には押し出さない覚悟は彼らしい。そういうわかりやすい作り方は、ただの逃げ道になってしまうからだ。彼は、子供たちが空に託した夢を純粋に追いかけることを何よりも大事にすることで、戦争を描くことができると考え . . . 本文を読む
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劇団ショウダウン『マナナン・マクリルの羅針盤』

2014-08-22 20:32:05 | 演劇
 林遊眠ひとり芝居の最新作である。今回は大航海時代を舞台にして海賊になったひとりの男と彼の仲間たちが、神の国を目指して旅をする海洋冒険活劇だ。最小の劇場で体感する最大のスペクタクル。こんなにも贅沢なエンタテインメントは他にはどこにもない。しかも、フランチャイズである船場サザンシアターは客席が30席しかないけど、ソファシートも含めて、とても豪華な仕様になっている。ショウダウンによるたったひとりのスペ . . . 本文を読む
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劇研「嘘つき」 『ふりしきる ~冬の山で聞いた話~』

2014-08-17 20:17:07 | 演劇
 昨年この作品の原型になった短編作品を見たのだが、あの時には「これが長編になったなら、きっと面白いものになるのではないか、」と思ったのだが、その願いがこんなにも早く叶うなんてなんだか嬉しい。とても不思議な作品で、痛ましい現実が一応はファンタジーのタッチで描かれるのだが、決して甘いだけの作品ではない。20分ほどの短編だから、細部は曖昧なままで、よくわからないのだが、昔話のようにして語られる事実とも幻 . . . 本文を読む
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『ホットロード』

2014-08-17 19:49:41 | 映画
 公開初日に見に行った。期待通りの作品だった。この夏最後に、この夏公開の最高傑作と出会えたことが素直にうれしい。これはほんとうに素晴らしい映画だ。こんなにも無口で、でも、心の一番深いところにまで達する映画はなかなかない。  お話自体は実に他愛もない。普通ならこんな話には恥ずかしくて付き合えない。だが、こんな陳腐なお話なのに、この映画から目が離せない。そして、この映画が描く孤独の深淵は計り知れない . . . 本文を読む
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乾ルカ『モノクローム』

2014-08-15 18:12:48 | その他
 囲碁をテーマにした小説というので、ちょっとどうかなぁ、と思ったけど、(だって、囲碁なんか知らないし)読んでみると、決してそういうわけではなく、孤児の少年を主人公にした青春小説だった。(というか、青春小説って何!)彼が何を感じ、何を思い生きたのかを描く方が、中心になる。でも、核心部分にはちゃんと囲碁が描かれるから囲碁小説というのは嘘ではない。  5歳のとき、母親に棄てられて児童養護施設で育った。 . . . 本文を読む
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『グレートデイズ!』

2014-08-15 16:58:17 | 映画
 障害を持つ少年が父親とともに、トライアスロンの最難関であるアイアンマンレースに挑む姿を描く。ちゃんとサブタイトルには「夢に挑んだ父と子」とある。こういうわかりやすいおせっかいがうざったいけど、映画会社も商売なので仕方ない。だいたいタイトル自身が、原題とはまるで違うはずだ。フランス映画だし、こういうベタなタイトルはない。  自分の力では歩けない。車椅子生活を余儀なくされる彼が、昔、父がトライアス . . . 本文を読む
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小手鞠るい『アップルソング』

2014-08-15 16:52:41 | その他
その日の朝から読み始めて、夜ベットに寝転びながら、読んでいると止まらなくなり、400ページ近い小説を一気に読み終えてしまった。あっという間だった。ひとりの女の生涯を描く大河ドラマだ。スケールが大きい。戦争中から戦後、日本からアメリカへと舞台を移す。  空襲で廃墟と化した町。そこで奇跡的に命をつないだ赤ん坊が主人公だ。家屋を失い、ひとりぼっちになった彼女を親戚の男の子が助け出す。(なんか、この最 . . . 本文を読む
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『イントゥ・ザ・ストーム』

2014-08-14 22:55:15 | 映画
 実はこの映画を見た後、『トランスフォーマー ロストエイジ』をレイトショーで見に行く予定にしていたのだが、なんだか、ぐったり疲れてしまって、やめにした。(というか、相変わらず、無謀なスケジュールを立てるなぁ)  たった89分の映画なのに、凄い疲労度だ。というか、もともと今日は凄く疲れていた。だから、こういう何も考えず見れそうなデザスター映画を見ることにしたのだ。だが、この映画はノーテンキなハリウ . . . 本文を読む
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