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No1470『ピクチャレスク・ジャパンー世界が見た明治の日本ー』~あの時代の人々の表情にときめいて…~

明治時代の日本を訪れた外国人がとらえた記録フィルムの上映会
「ピクチャレスク・ジャパン」が
2月、京都国立近代美術館で開催された。
どれも10分以内の短い、音もない映像ばかり。
「ピクチャレスク」とは、
現代美術用語辞典によると、
「絵のような」、「絵の主題としてふさわしい」といった意味の言葉で、
上映会で観た映像は、どれも、絵のように美しく、見事な映像でした。

『日本の学童たち』(1904/英/2分)では、
幼い子どもたちが、
行列をつくって歩いていく。
おかっぱ頭やいろんな子がいて、
どの子も無邪気で可愛いらしい。

『日本のアイヌ』(1913/米/3分)では、
アイヌの人たちが民族衣装を着て
並んで立っていて、
カメラを前に、緊張しながらも、
にこやかに笑っていたのが印象的だった。

葬列もあれば、祭列もある。
カメラにさらされたことのない人々の表情が、
とても素朴で、新鮮にみえて、
大好きな清水宏監督の映画の世界を思い出した。

とりわけ、おもしろかったのは、
『保津川の急流下り』(1907/仏/7分)。
舟からの眺めだけでなく、
川を下ってゆく舟を俯瞰で山の上からとらえたり、
川岸の方からとらえたり、
随分凝ってつくられていて、
迫力があり、みごたえがあった。

『鵜飼』(1911/英/10分)は、
鵜匠のおじさんが、わかりやすいように、
鵜呑みを何度もやって見せてくれたのが、
おもしろかった。

『日本の軽業師』(1914/英/6分)は、
年端の行かない少年たちが、
次々と樽回しとかの軽業を披露し、
とにかくすごかった。
ものすごい訓練をしたことがうかがわれ、
厳しい世界を想像した。

今回、柳下美恵さんがピアノを演奏してくれた。
ピアノの優しい旋律のおかげで、
ゆるやかに、自然に、
あの時代の、あの世界に入り込んでいくことができ、
いろんな感情を共有できたような気がする。
常時睡眠不足の私は、ピアノがなければ、寝てしまったと思う💦。

今回短編ばかりで、1本、1本、まるで違う世界だから、
弾くのは、本当に大変だったと思うけれど、
柳下さんのピアノは、
それぞれに、見事な導入の道をつくってくれた。

帰り道、
京都の街を歩きながら、
明治のあの時代の人たちが、タイムスリップして、
今、この京都の街をみたら、
どんなことを思うのだろう、
なんて想像して、
ときめきながら、ひとり、鴨川まで歩いた。

上映された映像はいずれ
国立映画アーカイブの下記のHPに掲載されて、
誰でも観ることができるようにする予定だそうです。

今でも、すでに
「映像で見る明治の日本」というサイトで
相撲とかの映像を見ることができて、おもしろいので、
ぜひのぞいてみてください。
(こちらは、ピアノ伴奏はなく無音です。)

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