夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

品格とは

2007年10月16日 | 読書
女性の品格 (PHP新書)
坂東 眞理子
PHP研究所
ベストセラーになっているので一応、『女性の品格』を読んだ。

72ページに、

「流行を取り入れた服は質がよくて長く着れそうでも、デザインは必ず古くなって十年二十年と着ることはできません。」

まちがいなく、ら抜き言葉は品格がない。
他人に「品格」を説く本にこういう間違いがあること自体が、胡散臭さをよく表している。

大体、フェミニスト的には「女性の」と区別すること自体が噴飯ものである。

男性ならよくて女性なら品格がないなどということを認めること自体、一応ジェンダーに携わっている人間のくせに到底許しがたいことである。

著者はこんな人だと思わなかったので正直ショックだった。

前の前の内閣で「男女共同参画・少子化」問題担当大臣に猪口邦子がなったときも、不適格だと思った(もうやめたからいいけど)。
というのも、あの人は、夫のことを公的な文章で「主人」と抵抗なく書くし、ジェンダーバイアスに基づいた役割分担をしていることを平気で日経新聞のコラムに書いていたからだ。

いわく、「子供が小さいうちは、自分は外での交際を諦め、専ら家で主人の内外からの客をもてなすことに専念していた。しかし、子供が大きくなって、主人が『邦子もそろそろ外に出たら』といってくれたので、国連軍縮大使を引き受けたのである」

女性の中でもキャリアを持って活躍している人が、ジェンダーバイアスに鈍感であることを、日経新聞の夕刊という媒体で堂々と示すことが、どれだけ有害かわからないのか、と憤った。そんな人に男女共同参画などできるわけないのである。

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