夜明けの曳航

銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。

はなまるマーケット

2007年10月16日 | 演劇
話題があちこち飛ぶが、昨年10周年を迎えたというこの番組について。

私も、香港から戻ってきて職探しをしている短い間、本当の意味での専業主婦だったので(香港では、外交官の配偶者も外交団の一員として外交官用パスポートが支給され、公務があり、結構な額の手当ても出る=生活費は夫もちだったので、可処分所得は国立大学の准教授になっても、山の手線内に180平米という分不相応なマンションのローンを抱える今より多いくらいだったので、専業主婦とはちょっと違う)、この番組を見ていた。

今は、もし家にいるとしても、「特ダネ」の方を見ている。

この番組では、ほうれん草はゆでなくても、茎に十文字に包丁を入れて、水にさらしておくと灰汁が抜けますよ(これは今でも使っている)、とか、そういう情報をやっているのである。

夫から渡された生活費は食費、消耗品込みで一月4万円だったのでやりくりが大変だったのである。(ちなみに小遣いとしては6万円をもらっていたが、これでは、服も買えないし、旅行にも芝居にも行けない。自分で稼がなければ人間らしい生活はできないと思い、必死で就職活動をしたのである。東大の同級生も夫の海外転勤から帰国後はほとんど専業主婦になっており、40過ぎてブランクのあるおばさんの再就職は半端なく大変だった)

また、女性の家庭料理の先生がよく出てくるのだが、気づいたら、ほとんどみんな、母子二代、場合によっては祖母から三代同業なのである。
しかし、みな結婚しているのに、母親のブランドを引き継ぐため苗字は母親と同じ、ということは、二代目からは仕事上夫婦別姓ということ。家庭料理という、極めて主婦的な仕事で夫婦別姓というのがなんとも皮肉で面白い。

はじめは、どうして割とやんちゃなキャラクターのやっくんが主婦に受けるのかなあ、と不思議だった。

でも、見ているうちに、主婦は自分の旦那とやっくんを重ね合わせているのだなあとわかってきた。

彼は、けしてそつのないタイプではない。ゲストに対して決してお世辞をいわないし、紹介される食べ物も、おいしくないときには、口には出さないが、見ているほうにはそれとわかるリアクションをする。でも、立場上それを表立っては出さないように必死に苦労しているところが、主婦から見ると、「うちの旦那も、私たちを養うために、会社ではきっと同じような苦労しているんだろうな、でも、私にだけは本音を見せてくれるのよね」と親近感を持つのである。

でも、彼のような性格だと、NG発言のできない、しかも下品なこともいえない朝の生番組は相当プレッシャーなのか、番組内で上手にストレス解消していることもある。

たとえば、高橋克典が、吹雪ジュン(堤さんがプチブレークした1996年の『ピュア』では叔母甥関係だったのに)と相愛になる『年下の男』(内館牧子脚本)の番宣のために出演したとき、「高橋さん、個人的にはずっと年上の女性というのはいかがですか?」(このときまだ未婚)と聞いたのには、心底「意地悪だなあ」と思った。
高橋が下積み時代、吉田日出子と長く同棲していたことは、オフィシャルファンサイトにも出ているほど、公知の事実、やっくんも知らないはずはない。高橋も困っていた。

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和久井映見,堤 真一,高橋克典,高岡早紀,篠原涼子
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もっとも、ゲスト自身が、上手に意趣返しに使っていたこともあったなあ。
やはり、渡辺淳一原作のドラマの番宣で、緒形拳が出たとき、ちょうど、共演者のトヨエツが中山美穂らしい相手との恋愛を書いた本を出したばかりで、緒形拳は、にこにこしながら、「豊川さんはとってもいい人で、僕にこの本をサイン入りでくれたんですよ」と、そのサインの箇所を示すと、「緒方拳さま 豊川悦司」と書いてある。
大先輩の俳優の名前を間違えるなんてこれほど失礼なことはない。
緒形は本当は、トヨエツは失礼な奴だといいたかったのだろう。しかし、こんな形でうれしそうにいえば、建前上は悪意があるとはいえない、実にうまい意趣返しの仕方であり、将来、参考にしたいと思った。

それにしても、司会者二人の無知ぶりもご愛嬌を越えている。

やっくんは、吉本多香美がゲストの時、「小さい頃からスポーツにはコンプレックスがあって」といったら、「すみません、コンプレックスってどういう意味ですか」と聞いていた(知ったかぶりしないところは評価すべきなのだが)。

また、岡江久美子は、前にドラマ『七人の女弁護士』(最近釈由美子でリメイクした)で弁護士役をやっていたくせに、クイズコーナーで、「弁護士バッジは何の花を模しているでしょう」という問題が解けなかった。

まあ、その辺が主婦を安心させるのでしょうけど。
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