続いては、前回記事で取り上げた「ティルタサニタ公園」の向かいにある温泉露天風呂「グヌン・パンジャン」(Gunung Panjang)を訪れることにしました。
まずは上画像の横断幕が掛かっているゲートで、小屋の下にいるおじさんに入園料Rp10,000を支払います。ゲートのまわりにはワルン(屋台の小屋)が並んでいるので、ドリンク類や簡単なおつまみ程度なら現地で調達可能です。
入園した先にある階段で丘の上へ登り、小径の左手に建つ祈祷小屋の脇を抜けてゆくと・・・
俄然視界が開けて、周囲の田園風景を見下ろす絶景が広がりました。この見晴台に温泉露天風呂があるのです。
露天風呂自体は極めて質素な作りですが、浴槽はいくつかに分かれており、なかでも主浴槽はプールのように広々しています。お風呂の一部にはビニールシートを継ぎ接ぎした即席のテントが張ってありますので、この下に入れば赤道直下の鋭い陽光を遮って湯浴みすることができます。テントの手作り感がなんとも言えないローカルな風情を醸し出していますね。私が訪問した時には、地元の若者たちが着衣のまま温泉に入って談笑していました。
先ほどのゲートで入園料を支払いましたが、入浴する際には別途Rp5,000を、お風呂の前で店番しているお爺さんに支払います。ここには温泉露天風呂以外に客が利用できるような施設はないのですが、なぜゲートで一括徴収せず、このように支払いを分けているのかは不明。ま、なんらかの権利関係が存在しているのでしょうね。私が料金を支払ってしばらくすると、お爺さんは乾燥させた真っ白いココナツの粉の袋詰め作業をはじめました。
露天風呂は丘の斜面に沿って緩やかな段々状になっています。最上段には2つの小さな浴槽が並び、そこへパイプから温泉が注がれていました。パイプから出てくるお湯を口に含んでみると、「ティルタサニタ公園」の個室風呂と同様に、非常に塩辛く、そして刺激を伴う硫化水素臭が感じられました。
パイプに温度計を突っ込んでみると、吐出時の湯温は40.6℃。すでにこの時点でかなりぬるめですから、浴槽では40℃未満です。でも赤道直下の常夏ですから、むしろこの温度でも数分浸かるとしっかり温まります。二つの浴槽は、一般的な浴槽よりやや深い作りなので、肩までしっかり浸かることのでき、しかも全浴槽の中で最も湯温が高いため、日本人でも入り応えがあるお風呂と言えるでしょう。
最上段の露天の隣にはテントで囲われた掘っ立て小屋があり、内部は2つの部屋に分かれています。一つは更衣室なのですが、もうひとつは小さな内湯となっていました。でも前回記事で取り上げた「ティルタサニタ公園」の個室風呂と同様、浴槽はカルシウムで分厚く覆われて非常に狭くなっているため、浴槽としての機能を果たしておらず、単なる掛け湯用の湯壷と化していました。
小屋に隣接した副浴槽は38℃で、熱くもなくぬるくもない、長湯向けの絶妙な湯加減です。最上段の湯船から流れてくるお湯を受けているほか、岩から伸びる細いパイプからもお湯が注がれており、どうやらこの丘の岩盤のあちこちからお湯が湧出しているようでした。浴槽の底には湯泥が溜まっており、上画像のように手で掬うことができました。
副浴槽の隣が、絶景を眺めながら湯浴みできる主浴槽です。
上から流れてくるお湯を受けているため、湯温は34℃とかなりぬるめ。でも日中はとても暑いので、むしろこのくらいの温度の方が気持ちよいんですね。ちなみにpH値は6.56でした。お湯は、湧出時こそ無色透明ですが、空気に触れると濁り始め、この露天風呂では緑色を帯びた灰白色に強く濁っていました。
東南アジアらしい麗しの景色を眺めながら主浴槽で湯浴みする私。あぁ絶景哉。34℃のぬる湯ですが、塩辛い温泉ですので意外にも体がよく温まります。
この主浴槽の更に下段には、プールみたいに広い槽があるのですが、そこの温泉水は完全に冷めており、しかも不気味に濁っていたので、今回は入っておりません。
しかしながら、その下段の冷めきっている広い槽の近くには、このようにテント掛けされた一人サイズの小さな槽があり、温度を測ってみたら37.6℃というそこそこの温度でした。どうやらこの小さな湯溜まりは独自の源泉を有しているようです。先述したように丘の斜面ではあちこちでお湯が湧いているわけですね。
ボゴールから車で約1時間の田舎ですが、ジャカルタからも同じく車で1時間半でアクセス可(渋滞にはまるとこの限りではありませんが…)。プリミティブな作りの鄙びた雰囲気も魅力的な、自然溢れる麗しの素晴らしい温泉露天風呂でした。
入園料Rp10,000、入浴料Rp5,000
備品類なし
私の好み:★★★
許可を頂く前に勝手にリンクさせて頂いています。順序が逆ですみません。ご了承頂けますか?
私が現地で見たのは、ココナツの中身をほじくって乾かして粉にしていたように記憶しているのですが、もしかしたら湯の花かもしれません。正直なところ、はっきりとしたことは忘れてしまいました。申し訳ございません。
リンクはご自由ですので、許可等不要です。これからも宜しくお願い致します。、