札幌滞在中に我が胃袋がスープカレーを欲した某日、宿泊先のホテルがあるすすきの界隈で良い店ないかなと探していたら巡り会えたのがこのお店。
携帯のナビでたどり着いた場所は、どう見ても赤提灯がぶら下がっていそうな、およそスープカレーとは無縁と思われる外観の雑居ビル。本当にここで良いのかしらと不安になりながら階段を上がっていったら、踊り場にはちゃんと「Suage」と店名が切り抜かれたプレートが掲げられていました。
店内はそんなに広くないものの、ダイニングバーみたいな内装で落ち着いており、おしゃれな雰囲気。明らかに若いお姉ちゃん達やカップルが多く、30代半ばで小太りのオッサンが一人でノコノコ現れるには些か場違いな感がありましたが、ちゃんとカウンター席も用意されていたので、他の客に背を向けることによってあまり客層に気後れすることなくお食事することができました。
数あるメニューの中から今回チョイスしたのは、上富良野産ラベンダーポークの炙り角煮カレーで1100円也。スープに浮かぶ角煮とゆで卵が男の食欲をそそりますね。カレースープに関してはズブな素人の私は味について詳しいことがわからないのですが、スープには細かく刻んだオニオンが入っているために優しい甘みが含まれており、スパイスも単に辛いだけでなくてほろ苦味や甘みなどいろんな要素が多層的な味わいを醸しだし、それらが赤米をブレンドしたライスにマッチして、とても良いコンビネーションを生み出していました。
また他のメニューでも同様かと思われますが、串に刺さったジャガ芋・人参・茄子などのお野菜が店名の通り素揚げされてスープカレーの中で湯浴みしており、この素揚げによって野菜の甘みが強調されるために、クレヨンしんちゃんを馬鹿にできないほどお野菜が苦手な私もスンナリと美味しく食べられちゃいました。殊にジャガイモは北海道で最近人気の「インカのめざめ」を使っており、これがまるで栗と勘違いしてしまうほど甘い。
辛さは5段階で好みに調整できるので辛いのが苦手な人も大丈夫。ライスの量は普通(中)だと男にはちょっと物足りないかも。雰囲気といい味の方向性といい量といい、基本的には女性客をメインターゲットにしているのかもしれませんが、辛さもライス量も好みを選べるので、男女を問わずおいしくいただけるお店だと思います。素材が持つ味を存分に引き出したスープカレーでした。
soup curry Suage + 本店 (スープカレー / すすきの駅(市電)、すすきの駅(市営)、資生館小学校前駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
昼総合点★★★★☆ 4.0
ご存じの通りスープカレーは北海道のご当地グルメとして確立してますが、お店の数は札幌がズバ抜けて多く、犬も歩けば棒に当たる状態で、あちこちにあります。でも老若男女を問わずポピュラーってことではなく、極端な言い方すれば、主に若い女の子が好んで食べるようなものだと解釈してよろしいかと思います。都内のスープカレー屋さんが恵比寿や下北沢など、女子人気の高い街に多いのも、そんな背景があるかと…。
シャバシャバしたカレーなのでボリューム感に乏しく、ガッツリ感を欲する漢には向かないのかもしれません。私は大好きなんですけどね…。