温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

飯坂温泉 切湯

2013年02月20日 | 福島県

摺上川の川岸の崖にへばりつくように位置している飯坂の共同浴場のひとつ「切湯」は、隠れキャラのようなロケーションゆえか(私の主観的見解ですが)比較的空いていることが多く、また他浴場と比べて一回りも二回りも小さいために「お籠り」感が得られるので、個人的には気に入っている共同浴場です。


 
川岸を下りてゆく階段の途中に番台の小屋があって、そこの券売機で料金を支払い、小屋の小窓を開けて箱に券を入れます。以前は階段と川の間に青いトタン葺きの建物が存在していましたが、今では完全に取り払われて、正面に見える「ホテル花乃湯」の側面にその跡が残っているばかり。以前は建物に挟まれて薄暗かった階段も今ではすっかり明るくなって、フェンス越しに川も望めるようになっちゃいました。



ちなみに上の画像は2008年に撮影した切湯入り口まわりの外観です。この頃は建物が蝟集しており、川の対岸は見えないような状況でした。


 
「ホテル花乃湯」の地下にある不思議な共同浴場「切湯」。外来客に媚びを売っていないコンクリ打ちっぱなしの質素な空間が何とも言えず良い感じ。奥に祀られている仏様の前にはお稲荷さんのような朱色の鳥居が立てられています。神仏習合ここにあり。



2人同時に使ったら狭く感じてしまうほど限られたスペースの脱衣室。コインロッカーが設置されている点は、外来客にとってはありがたいですね。



床はサーモンピンク、浴槽内は水色、縁は紺色のそれぞれタイル張りで、側壁はコンクリ打ちっぱなしの浴室。窓の下は摺上川です。室内にカランは無く、窓サッシ下にミラーと石鹸置きが2つあるばかり。掛け湯の際は湯船から直接桶でお湯を汲むことになります。



ちなみに上の小さな画像は2008年時点のお風呂を撮影したもの。タイルの配色こそ今と同様ですが、所々が剥がれており、現行と違って小さなタイルが敷き詰められていたんですね。



四角い浴槽は3人サイズ。浴槽の容量に対してお湯の投入量が多いのか、湯船に体を沈めると一気にお湯が溢れ出し、洗い場は洪水状態になって、その度に桶がプカプカ浮いてどこかへ行っちゃいました。


 
塩ビの直管からアツアツの源泉が投入されています。使用源泉は若竹分湯槽。ホースでしっかり加水しないと熱くて入れませんが、今回は先客がしっかり湯加減を調整してくれていたおかげで、何もしないですぐに入浴することができました。でもホースの水を止めると温度計の針はすぐに動き始め、止めて数分で42℃から45℃へと上昇してしまいました。それだけ浴槽がコンパクトなのであります。湯船が小さいためにお湯の入れ替わりが早いので、お湯のコンディションはいつ訪れても新鮮であり、時間帯のよっては混雑のためにお湯が鈍ってしまう飯坂の共同浴場の中では、そんな鈍りを気にせずに利用することができる貴重な存在でもあります。そもそも導専や仙気と違って、ここはそんなに混みませんから、静かに入浴したい場合にももってこい。共同浴場ならでは渋い雰囲気に包まれながらシャキっとした新鮮なお湯に浸かれる、いぶし銀の外湯であります。


若竹分湯槽
アルカリ性単純温泉 60.2℃ pH8.7 動力揚湯 溶存物質0.7894g/kg 成分総計0.7894g/kg
Na+:198.6mg(84.05mval%), Ca++:30.1mg(14.59mval%),
Cl-:93.8mg(25.00mval%), SO4--:321.1mg(63.11mval%),
H2SiO3:74.8mg,
(平成23年12月9日)

福島交通飯坂線飯坂線より徒歩4分(300m)
福島県福島市飯坂町湯野切湯ノ上32
飯坂温泉公式HP

6:00~22:00 月曜定休
200円
ロッカーあり、他の備品類なし(基本的な入浴グッズは番台で販売)

私の好み:★★★



●おまけ
 
「切湯」から駅方向へ戻る途中、その近所でこんな足湯を発見。名前から察するに、元々はちゃんこ鍋屋さんだったのかな。


 

民有地のようですが無料で足湯が利用できるみたいです。
なお使用されているのは若竹分湯槽のお湯でした。


コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-10-31 12:40:41
ちゃんこちゃんこは方言で石段のことです。食い物のちゃんこにあらず。
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Unknown (K-I)
2016-11-01 02:28:43
わざわざご丁寧に教えて下さりありがとうございます。たしかそんな説明が当地にもあったかと思います(文字通りに真に受け取られるとは思いませんでした。私の書き方がまずかったかな(^^))。
返信する
Unknown (Unkown)
2020-03-08 21:57:22
すみません。
冗談の文章に見えなかったもので。
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