※話の流れとしては、前回記事からの続きとなります。
石灰華ドーム見学を終えるとともに、源泉群の一帯で野湯が不可能であることもわかった私は、集落に戻って、温泉宿で日帰り入浴ができないものかと尋ねてみることにしました。各民宿に温泉が引かれていることはわかっていましたし、先程の源泉見学では2軒の宿のオーナーさんにお世話になったので、どちらの宿を訪うべきか迷ったのですが、なぜか「無難」という二文字が頭に浮かんでしまったので、その言葉にマッチしそうな6階建ての"Çetin Otel"へ声をかけることにしました。先程助手席で道案内をしてくださったオーナーさんに、浴室を意味する「バンヨ(Banyo)」という単語を伝えたところ、先方は即座に私の意図を理解し、お風呂へと案内してくれました。
オーナーさんの後について館内に入り、フロントから1フロア下ってゆくと、上画像のようなツインの客室へ通され、ここで入浴するように言われました。大浴場が無いため、入浴のみの利用であっても、客室のバスルームを使うことになるんですね。こうした利用形態はこの宿に限らず、トルコの他の温泉宿でもしばしば見られるようです。
後述するように、入浴前にまずバスタブへお湯を張らなくてはいけませんから、お湯が溜まるまでの間に、客室をちょこっと見学させてもらいました。2台並ぶベッドは、片方はヘッドボード付きでセミダブル、他方はヘッドボードが無くてシングルサイズと、非対称になっており、シングルの方はエキストラベッドに見えなくもありません。室内にはベッド以外にこれといった設備が無く、テレビやソファーも備え付けられていません。洗面台もタイル張りの古い造りで、至って簡素なこの客室は、ただ睡眠するだけの空間と言って差し支えなさそうです。尤も、上層階の部屋を見ていないので迂闊に断言できませんけど、安宿に慣れている旅慣れた人でないと、ここでの宿泊はちょっと退屈かも。
バスルームはこんな感じ。ユニットバスのようにトイレもバスルームに内包されているため、温泉風情なんてちっともありませんが、今回の目的はヒサララン温泉の湯に浸かることですから、そのあたりは目を瞑ることにしましょう。直射日光を浴びながら丘を登ったり下りたりしているうち、結構汗を掻いてしまったので、温泉云々はもちろんですが、この時の私は早く汗を流したかったんです。だから風呂に入れること自体が嬉しく、風情なんか二の次で良かったのでした…。
浴槽の上から黒いホースが垂れ下がっていますが、このブログをご覧の方なら既におわかりの通り、このホースからは温泉が出てきます。配管が突き出る壁際には2つのバルブがあり、両者が合流してホースにつながっていまして、一方が温泉、他方が冷水となっており、この二つのバルブの開き具合によって湯加減を調整します。
加水しない状態でお湯だけを吐出させたところ、ホースから出てくるお湯は65.3℃という高温でした。このままじゃ入浴できませんから、どうしても加水が必要となります。でもお湯の供給量は多く、加水の影響もあるため、ものの数分で湯船は適温のお湯で満たされました。
いざ入浴! お湯は無色透明無味無臭で、癖のないアッサリとしたフィーリングです。ポジティブに捉えれば優しくてマイルドなのですが、意地悪く表現すると掴みどころが無くて個性に乏しく、いくら加水しているとはいえ、源泉地帯ではしっかりと硫化水素の匂いが漂っていたのに、どうしてここまで知覚的特徴が失われてしまうのか、ちょっと残念でした。もしかしたら源泉地帯で目にした自噴湯と異なり、これは造成泉なのかもしれないなぁ…。ま、自噴しているお湯であれ、造成泉であれ、いずれも日本の温泉法に基づけば温泉に該当しますから、日本人の感覚で捉えれば当地の温泉に入浴できたことに間違いありません。バスルームでの湯あみですから景色もへったくれも無く、視界に入ってくるのは白い便器だけ。今回の湯めぐりで最も風情に欠けた一浴となったのですが、個人的には浴感云々よりも、マイナーな温泉地を見つけることができた喜びの方が勝ってしまい、なんだかんだで自己満足に耽れたのでした。いや、お湯だけで評価しても、癖のない浴感ですから、湯上がりに変なベタつきや匂いが残ったり、汗が止まらないようなことはなく、後に響かずサッパリできます。入浴料金は15リラというちょっと高めの設定ですけど、宿のオーナーさんには石灰華ドームへの道案内でお世話になりましたし、バスタオルも無料で貸してくださった上、湯上がりにはお茶もいただきましたので、今回私は文句を言えた義理にありませんね。
静かで長閑な環境の下、豊かな地熱資源に恵まれ、立派な石灰華ドームがあるヒサラランは、未開の観光地としてのポテンシャルを秘めており、もしかしたら今後の開発によっては大化けするかもしれません。
私が入浴したお宿"Çetin Otel"のGPS座標:N39.269462, E28.315645,
15リラ
備品類なし(タオルはサービスで貸し出してくれました)
私の好み:★★
石灰華ドーム見学を終えるとともに、源泉群の一帯で野湯が不可能であることもわかった私は、集落に戻って、温泉宿で日帰り入浴ができないものかと尋ねてみることにしました。各民宿に温泉が引かれていることはわかっていましたし、先程の源泉見学では2軒の宿のオーナーさんにお世話になったので、どちらの宿を訪うべきか迷ったのですが、なぜか「無難」という二文字が頭に浮かんでしまったので、その言葉にマッチしそうな6階建ての"Çetin Otel"へ声をかけることにしました。先程助手席で道案内をしてくださったオーナーさんに、浴室を意味する「バンヨ(Banyo)」という単語を伝えたところ、先方は即座に私の意図を理解し、お風呂へと案内してくれました。
オーナーさんの後について館内に入り、フロントから1フロア下ってゆくと、上画像のようなツインの客室へ通され、ここで入浴するように言われました。大浴場が無いため、入浴のみの利用であっても、客室のバスルームを使うことになるんですね。こうした利用形態はこの宿に限らず、トルコの他の温泉宿でもしばしば見られるようです。
後述するように、入浴前にまずバスタブへお湯を張らなくてはいけませんから、お湯が溜まるまでの間に、客室をちょこっと見学させてもらいました。2台並ぶベッドは、片方はヘッドボード付きでセミダブル、他方はヘッドボードが無くてシングルサイズと、非対称になっており、シングルの方はエキストラベッドに見えなくもありません。室内にはベッド以外にこれといった設備が無く、テレビやソファーも備え付けられていません。洗面台もタイル張りの古い造りで、至って簡素なこの客室は、ただ睡眠するだけの空間と言って差し支えなさそうです。尤も、上層階の部屋を見ていないので迂闊に断言できませんけど、安宿に慣れている旅慣れた人でないと、ここでの宿泊はちょっと退屈かも。
バスルームはこんな感じ。ユニットバスのようにトイレもバスルームに内包されているため、温泉風情なんてちっともありませんが、今回の目的はヒサララン温泉の湯に浸かることですから、そのあたりは目を瞑ることにしましょう。直射日光を浴びながら丘を登ったり下りたりしているうち、結構汗を掻いてしまったので、温泉云々はもちろんですが、この時の私は早く汗を流したかったんです。だから風呂に入れること自体が嬉しく、風情なんか二の次で良かったのでした…。
浴槽の上から黒いホースが垂れ下がっていますが、このブログをご覧の方なら既におわかりの通り、このホースからは温泉が出てきます。配管が突き出る壁際には2つのバルブがあり、両者が合流してホースにつながっていまして、一方が温泉、他方が冷水となっており、この二つのバルブの開き具合によって湯加減を調整します。
加水しない状態でお湯だけを吐出させたところ、ホースから出てくるお湯は65.3℃という高温でした。このままじゃ入浴できませんから、どうしても加水が必要となります。でもお湯の供給量は多く、加水の影響もあるため、ものの数分で湯船は適温のお湯で満たされました。
いざ入浴! お湯は無色透明無味無臭で、癖のないアッサリとしたフィーリングです。ポジティブに捉えれば優しくてマイルドなのですが、意地悪く表現すると掴みどころが無くて個性に乏しく、いくら加水しているとはいえ、源泉地帯ではしっかりと硫化水素の匂いが漂っていたのに、どうしてここまで知覚的特徴が失われてしまうのか、ちょっと残念でした。もしかしたら源泉地帯で目にした自噴湯と異なり、これは造成泉なのかもしれないなぁ…。ま、自噴しているお湯であれ、造成泉であれ、いずれも日本の温泉法に基づけば温泉に該当しますから、日本人の感覚で捉えれば当地の温泉に入浴できたことに間違いありません。バスルームでの湯あみですから景色もへったくれも無く、視界に入ってくるのは白い便器だけ。今回の湯めぐりで最も風情に欠けた一浴となったのですが、個人的には浴感云々よりも、マイナーな温泉地を見つけることができた喜びの方が勝ってしまい、なんだかんだで自己満足に耽れたのでした。いや、お湯だけで評価しても、癖のない浴感ですから、湯上がりに変なベタつきや匂いが残ったり、汗が止まらないようなことはなく、後に響かずサッパリできます。入浴料金は15リラというちょっと高めの設定ですけど、宿のオーナーさんには石灰華ドームへの道案内でお世話になりましたし、バスタオルも無料で貸してくださった上、湯上がりにはお茶もいただきましたので、今回私は文句を言えた義理にありませんね。
静かで長閑な環境の下、豊かな地熱資源に恵まれ、立派な石灰華ドームがあるヒサラランは、未開の観光地としてのポテンシャルを秘めており、もしかしたら今後の開発によっては大化けするかもしれません。
私が入浴したお宿"Çetin Otel"のGPS座標:N39.269462, E28.315645,
15リラ
備品類なし(タオルはサービスで貸し出してくれました)
私の好み:★★
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます