温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

相鉄 硬券入場券 全駅掲載(2012年) 

2012年03月05日 | 旅行記
まさか自分が入場券の蒐集にハマってしまうとは思わなかった…。

私は小さなころから相鉄が大好きでした。大手私鉄に仲間入りする前から大手に匹敵する大量輸送を行っていましたが、大手ではあまり見られない独特の個性が凝縮された会社&路線でもありました。列挙してみると…
電車の車体からエレベータ、エアコン、そして蛍光灯一本に及ぶまで徹底的に日立(冬季の扇風機カバーに貼ってある広告シールも日立。元々日立系だった東京モノレールなら日立色に染まるのは素直に納得できますが。)。日立式電磁直通という相鉄でしか採用されていないブレーキ。直角カルダンやディスクブレーキに固執した足回り。抵抗制御からいきなりVVVFへジャンプアップした制御方式。旧6000系などに見られた不規則な側面の窓配置。パワーウィンドー。車内の鏡(関東では他に新京成がありますね)。扇風機スイッチ(国鉄の気動車みたい)。やたらに多い吊り手。4ドア車なのにクロスシートを導入したこと。京成車並みに少ない車内の蛍光灯とそれに起因する薄暗さ、最終製造が2001年である9000系まで国鉄103系と同じドアエンジンTK-4を搭載しつづけたこと。電動車には必ずといってよいほどパンタグラフが取り付けられ、PS16とPS13を混用するのは当たり前、9000系にPS13を載せることすらあったこと。3050系というゲテモノ車両の存在。ED10が牽引する米タン。「ほほえみ号」「アートギャラリー号」「緑園都市号」。
書き始めてみると、相鉄の特殊性って枚挙にいとまがありませんね。そんな相鉄も、9000系導入あたりからまず日立の独占が崩れ、10000系以降はJR東の通勤車のカスタムメイドとなり、ATSも無線もJR仕様へ更新、などなど上述した個性の数々が急速に過去帳入りしつつあるのは、鉄道ファンの方々ならもう既にご承知の通りです。でもそんな相鉄にあって、まだ昔の姿を残し続けているもののひとつが硬券入場券であります。

某日の夜、ほろ酔い気分で横浜から相鉄に乗って自宅へ帰ろうとしたとき、なぜか「現在、関東の大手私鉄で全駅に亘って硬券入場券を発売しているのは相鉄だけ」ということを思い出し、思いつきで横浜駅2階改札の窓口で硬券の入場券を買い求めたところ、駅員さんは二つ返事で発券し、ダッチングマシンでサクッと日付を入れて手渡してくれました。こんなに簡単に入手できるのか…。横浜から急行に乗り、小田急へ乗り換える大和駅でも試してみましたが、ここでもやっぱりごくごく普通に発券され、ダッチングマシンによる日付刻印がなされました。この時です、私の蒐集スイッチが入ってしまったのは。それからというもの、早めに退社できそうな日は、会社最寄りの代官山から東横線で横浜へ出て、旧ジョイナスイレブン側の小さな改札横にある「星のうどん」でごぼう天うどんを胃袋へ掻き込み、売店でタカナシ牛乳を飲みほしてから、夜な夜な各駅へ赴いて入場券を買い求め続けました。

夏ですと一日乗車券が発売されますが、冬季はそれが使えないため、各駅ひとつひとつで下車していたらその都度初乗り運賃が掛ってしまい、相当な出費が必要になってしまいます。幸い私は沿線の土地勘があるので、駅間距離の短い区間は電車に乗らずに歩いて移動したり、あるいは路線バスを活用してワープするなど、出来る限りの工夫をこらしながら、のべ5日間を費やして全駅の入場券をコンプリートしました。以下、3区間に分けてアップしてみます。



(券面上の「無効」は私が入れました)
まず横浜から西谷まで。スペースの都合、西谷という中途半端なところで区切ることはお赦しを。
各駅とも天虎工業のダッチングマシーンが常備されていました。券のサイズはB型で無地。

・横浜:1階定期券売り場と2階窓口(忘れ物窓口)で券面に相違あり。○S○2と印刷されている方が2階で発券。
・平沼橋:券はSUSの専用チケットホルダに収納。横浜とは異なる様式の券。用紙の色が白く、活字の形状も異なる。「客車内に立入ることはできません。」という文字の大きさが横浜に比べてかなり小さい。
★以下便宜的に、横浜と同じ様式を、平沼橋と同じ様式をとする
・西横浜:様式A。券面左下にダッチングのインクが滲んでしまっているが、これは駅員さんが悪いのではなく、ちょっとした特殊事情が原因。有人改札にて対応。
・天王町:様式A。改札脇の小窓にて対応(ブザーで呼出)。
・星川:様式A。定期券売り場にて販売。スチールキャビネットから券やダッチングを取り出していた。仮設駅舎ゆえか。
・和田町:様式B。券売機横の小窓にて対応。券はSUSの専用チケットホルダに収納。とても丁寧な駅員さんが対応してくれ、ダッチング後に「こちらでよろしいでしょうか」と確認させてくれた。
・上星川駅:様式A。券面に斑点がみられる。この駅のみならず様式Aの券は表面にシミ(斑点)が現れていることが多い。用紙の質に問題があるのか。こちらも小窓で対応(ブザーで呼出)
・西谷:様式A。券面の斑点が目立つ。シミだらけ。




横浜~西谷の裏側です。横浜2階については表面と同じく○S○2の印刷あり。



続いて、鶴ヶ峰~海老名です。各駅ダッチングマシン完備(全て天虎工業製)
・鶴ヶ峰:様式A。やはりシミが多い。改札向かいの駅事務室にある小窓で対応(ブザーで呼出)。
・二俣川:様式B。定期券売り場(グリーンぽけっと)で販売。
・希望ヶ丘:様式B。有人改札にて対応。「客車内に立入ることはできません。」という表記の横幅が、他駅の様式Bに比べて大きくなっているのが特徴的。
・三ツ境:様式A。少々斑点が見受けられる。定期券売り場(グリーンぽけっと)で対応(夜8時までだが、カウンター式有人改札とつながっているため、入場券購入はそれ以降でもOK)
・瀬谷:様式A。有人改札にて対応。
・大和:様式A。少々斑点が見受けられる。定期券売り場(グリーンぽけっと)で対応(夜8時までだが、それ以降に入場券が購入できるかは不明)。
・相模大塚:様式B。有人改札にて対応。券はSUSの専用チケットホルダに収納。希望ヶ丘と同様に「客車内に立入ることはできません。」という表記が大きい。入場券購入者に配布するポストカードを予め専用ビニル袋に納めてあるのもこの駅ならでは。
・さがみ野:様式A。カウンター式有人改札で対応。硬券関係の設備は奥の方にあるらしく、どのような状況になっているかは確認できず。
・かしわ台:様式B。西口の有人改札にて対応。職員通路のような狭い歩道を延々と歩かされる東口(旧大塚本町)の改札にも駅員は配置されているはずだが、そちらでも硬券入場券を販売しているかについては不明。
・海老名:様式A。定期券売り場(グリーンぽけっと)で対応。私は夜10時くらいに訪れたがそんな時間でもOK。この様式にしては斑点がほとんど見当たらず綺麗な券面。



鶴ヶ峰~海老名の裏面です。様式Aについては各駅ともシミが目立ちます。




ラストはいずみの線各駅です。新しい路線だけあって緑園都市といずみ中央以外はダッチングマシンがありません。
・南万騎が原:様式A。ダッチング無し。有人改札で対応。券面の天地幅ギリギリのスタンプ印で日付が捺される。駅員氏曰く「(ダッチングによる日付を希望の場合で)もし緑園都市へ行くなら、そこでダッチングを頼んでください」とのこと。
・緑園都市:様式A。ダッチングあり。定期券売り場(グリーンぽけっと)で対応。
・弥生台:様式B。ダッチング無し。有人改札で対応。この駅には券面におさまる幅の日付スタンプが無いため、駅員氏はどこに捺すべきか悩んだ末に裏面へ捺印した。
・いずみ野:様式A。ダッチング無し。有人改札で対応。丁度良いサイズの日付スタンプあり。
・いずみ中央:様式A。ダッチングあり。改札脇の小窓で対応。
・ゆめが丘:様式B。ダッチングは無いが、その刻印字体を模した日付スタンプがある。希望ヶ丘や相模大塚と同様に「客車内に立入ることはできません。」が大きい。
・湘南台:様式A。券売機脇の小窓で対応。ダッチング無し。券面におさまる幅の日付スタンプが無いため、対応した駅員氏は券面のオデコに日付を捺した。いままで何枚も硬券を購入してきたが、ここに捺してくれた人は初めて。

なお一番最後にはゆめが丘駅で購入した「ゆめきぼ乗車券」という企画モノの硬券もついでに載せておきました。ゆめが丘と希望ヶ丘の両駅で販売されており、二つの駅相互間で乗車できる片道乗車券でして、縁起の良さゆえ、特に受験シーズンは売れ行きが良いんだとか。驚く勿れ、一編成まるごとこの乗車券の自社広告で埋まっている列車もあるほどです。私が購入した時には、乗車券の他、紙の絵馬や卓上型カレンダーも一緒にもらえました。券面は私鉄おなじみのPJR地紋、当駅の入場券と同様にダッチングを模した日付スタンプが捺されています。些細なことですが、ゆめが丘は「が」なのに希望ヶ丘は「ヶ」なんですね。


いずみ野線各駅と「ゆめきぼ乗車券」の裏側です。最後の○06は「ゆめきぼ乗車券」です。

はぁ、疲れた…。
でも各駅とも実にスムーズに発券してくださったので、精神的には何らの苦労なく蒐集できました。また駅によってはポストカードや台紙を一緒にくれる場合もあり、特に今回は平沼橋・西横浜・上星川・鶴ヶ峰・三ツ境・海老名・緑園都市・弥生台・いずみ中央・ゆめが丘・湘南台でその駅オリジナルのカード(その駅の昔の写真など)を入手することができました。尤も、元々は各駅に昔の駅の写真を印刷したポストカードが用意されていたようなのですが、私が今回もらえなかった駅では既に配布されて品切れであるか、あるいは単に私が要求しなかったため配布しなかっただけかと思われます。
ついでに申し上げれば、今回の蒐集中、ある2つの駅では、購入した券で実際にダッチングを体験させてもらいました(駅員さんの厚意があらぬ方向へ向かうのを阻止するため、あえてその駅名は公表しません)。一般はなかなか触れられないものであり、しかも製造が中止されて相当の年月が経つ骨董品的な機械でもあり、なおかつ駅で現役で使われているものでもありますから、駅員さんのご厚意には心から感謝申し上げます。とても貴重な体験でした。

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