引き続き、アメリカ・ネバダ州中部のワイルドな温泉を巡ります。
今回訪ねるのは、アメリカのアウトドア愛好家には有名な野湯である「スペンサー温泉」(Spencer Hot Springs)です。
まずは、田舎町オースティンから国道50号「リンカーン・ハイウェイ」を東へ12マイルほど走ると、トノパー方面へ伸びる州道376号線が分岐していますので、まずは丁字路を右折してその州道に入ります(上画像の地点)。
そして400ヤードほど南下しますと、まもなく上画像に写っているような標識が立つ交差点に行き着きますので、今度はその角を左折します。そして荒野に伸びるまっすぐな未舗装路をひたすら前進します。
未舗装ながら広くて走りやすい道を5.5マイルほど走ると、やがて"HOT SPRINGS"という何の捻りも無いストレートな名前の道が現れますので、この道に入ると・・・
道は緩やかな丘を登りはじめます。今回目指すスペンサー温泉はこの丘に露天風呂が点在しています。広くて平らなところに車をとめて、丘を散策しているうちに・・・
丘の上の露天風呂を発見しました。出入り自由で且つ無料で利用できる場所なのに、こんな立派で広いウッドデッキが設置されているところを見ると、有志をはじめとする多くの人から愛されているに違いありません。
ウッドデッキにはベンチが置かれ、その上で立つ柱には水牛か何かの頭骸骨が飾られていました。荒野のワイルドな露天風呂に相応しいアクセントですね。
バスタブは手掘りかあるいは重機で掘ったような、底の土が露出している造りであり、大きさも相まって、お風呂というより池に近い感じがします。露天風呂のすぐ脇に設置されている黒い金網は、源泉を上から覆うカバー。源泉を護ること、そして訪問者が熱々の源泉に触れて火傷することを防ぐ目的があるのかと思われます。
黒い金網の下では湯気を上げながら熱い温泉が自噴しており、そこからパイプで露天風呂までお湯を引いています。パイプにはバルブが付いているので、投入量の調整が可能です。湯口における温度は60.9℃という高温ですが、ここには加水できる設備も真水もないため、温度調整はバルブによる湯量調整に頼らざるを得ないわけです。
バルブ付き配管の他にも源泉からの流れ込みがあり、いずれにもバルブは付いていないのですが、流量自体が少ないため、湯加減にはあまり影響しないのでしょう。私が訪れた時の湯加減は43.6℃でしたから、日本人でも熱いお風呂が苦手な方にはちょっと刺激が強いかもしれません。
でも実際に私が入ってみますと、熱さでピリピリするのははじめのうちだけであり、山から吹く風がいい感じでクールダウンしてくれるので、むしろちょうど良い塩梅で湯浴みすることができました。超開放的なロケーションに広がる青空のもと彼方の山々を眺めながらワイルドな露天風呂に浸かれる幸せを、存分に楽しませていただきました。
この池のような露天風呂から斜面を下ると・・・
今度は直径2m弱の大きな金だらいにお湯が張られた露天風呂を発見しました。ネバダ州はこの手の家畜用バケツにお湯を張る露天風呂が多いような気がします。
金だらいのお風呂は、上述の池の露天風呂と別の源泉からお湯を引いており、こちらの源泉にも保護用の黒い金網が設置されていました。
湯口の温度は55.3℃でした。こちらも結構な高温ですね。池の露天風呂は表面積が広いので、自然冷却されやすいのですが、こちらは直径2m弱ですから、自然冷却は期待できません。しかも加水できる環境も無し。おそらく先人の配慮かと推測されるのですが、湯口のパイプをエッジに載せて、お湯が半分捨てられるようになっていたのですが、それでもかなり熱く・・・
私の訪問時、湯船の温度は48℃でした。これでは入浴できませんね。
そこで、一旦湯口を完全に湯船から離し、近くにあった木の棒でしっかり湯もみをしたところ、何とか入浴できる温度にまで落ち着いたので・・・
その場で着替えて入浴しちゃいました。
ちょっと熱いけど・・・うん、気持ちよいぞ!
池の露天は泥がちょっと混じってモスグリーンに濁っていましたが、金だらいはそのような不純物が少ないため、お湯がクリアに済んでおり、お湯そのものが気持ちよいのです。そんな透明なお湯をテイスティングしてみますと、弱金気と弱石膏感が感じられ、キシキシと引っかかる浴感が伝わり、お湯の排水流路は成分付着によって赤茶色に染まっていました。おそらく塩化土類泉なのではないかと思われます。
広い敷地に複数の温泉があるため、キャンピングカーで訪れる人が多くみられました。アメリカ人もワイルドな温泉が好きなんだということがよくわかる、とっても開放的で爽快な露天風呂でした。
GPS:32.326864, -116.859789,
随時利用可
無料
野天風呂につき備品類なし
私の好み:★★★
今回訪ねるのは、アメリカのアウトドア愛好家には有名な野湯である「スペンサー温泉」(Spencer Hot Springs)です。
まずは、田舎町オースティンから国道50号「リンカーン・ハイウェイ」を東へ12マイルほど走ると、トノパー方面へ伸びる州道376号線が分岐していますので、まずは丁字路を右折してその州道に入ります(上画像の地点)。
そして400ヤードほど南下しますと、まもなく上画像に写っているような標識が立つ交差点に行き着きますので、今度はその角を左折します。そして荒野に伸びるまっすぐな未舗装路をひたすら前進します。
未舗装ながら広くて走りやすい道を5.5マイルほど走ると、やがて"HOT SPRINGS"という何の捻りも無いストレートな名前の道が現れますので、この道に入ると・・・
道は緩やかな丘を登りはじめます。今回目指すスペンサー温泉はこの丘に露天風呂が点在しています。広くて平らなところに車をとめて、丘を散策しているうちに・・・
丘の上の露天風呂を発見しました。出入り自由で且つ無料で利用できる場所なのに、こんな立派で広いウッドデッキが設置されているところを見ると、有志をはじめとする多くの人から愛されているに違いありません。
ウッドデッキにはベンチが置かれ、その上で立つ柱には水牛か何かの頭骸骨が飾られていました。荒野のワイルドな露天風呂に相応しいアクセントですね。
バスタブは手掘りかあるいは重機で掘ったような、底の土が露出している造りであり、大きさも相まって、お風呂というより池に近い感じがします。露天風呂のすぐ脇に設置されている黒い金網は、源泉を上から覆うカバー。源泉を護ること、そして訪問者が熱々の源泉に触れて火傷することを防ぐ目的があるのかと思われます。
黒い金網の下では湯気を上げながら熱い温泉が自噴しており、そこからパイプで露天風呂までお湯を引いています。パイプにはバルブが付いているので、投入量の調整が可能です。湯口における温度は60.9℃という高温ですが、ここには加水できる設備も真水もないため、温度調整はバルブによる湯量調整に頼らざるを得ないわけです。
バルブ付き配管の他にも源泉からの流れ込みがあり、いずれにもバルブは付いていないのですが、流量自体が少ないため、湯加減にはあまり影響しないのでしょう。私が訪れた時の湯加減は43.6℃でしたから、日本人でも熱いお風呂が苦手な方にはちょっと刺激が強いかもしれません。
でも実際に私が入ってみますと、熱さでピリピリするのははじめのうちだけであり、山から吹く風がいい感じでクールダウンしてくれるので、むしろちょうど良い塩梅で湯浴みすることができました。超開放的なロケーションに広がる青空のもと彼方の山々を眺めながらワイルドな露天風呂に浸かれる幸せを、存分に楽しませていただきました。
この池のような露天風呂から斜面を下ると・・・
今度は直径2m弱の大きな金だらいにお湯が張られた露天風呂を発見しました。ネバダ州はこの手の家畜用バケツにお湯を張る露天風呂が多いような気がします。
金だらいのお風呂は、上述の池の露天風呂と別の源泉からお湯を引いており、こちらの源泉にも保護用の黒い金網が設置されていました。
湯口の温度は55.3℃でした。こちらも結構な高温ですね。池の露天風呂は表面積が広いので、自然冷却されやすいのですが、こちらは直径2m弱ですから、自然冷却は期待できません。しかも加水できる環境も無し。おそらく先人の配慮かと推測されるのですが、湯口のパイプをエッジに載せて、お湯が半分捨てられるようになっていたのですが、それでもかなり熱く・・・
私の訪問時、湯船の温度は48℃でした。これでは入浴できませんね。
そこで、一旦湯口を完全に湯船から離し、近くにあった木の棒でしっかり湯もみをしたところ、何とか入浴できる温度にまで落ち着いたので・・・
その場で着替えて入浴しちゃいました。
ちょっと熱いけど・・・うん、気持ちよいぞ!
池の露天は泥がちょっと混じってモスグリーンに濁っていましたが、金だらいはそのような不純物が少ないため、お湯がクリアに済んでおり、お湯そのものが気持ちよいのです。そんな透明なお湯をテイスティングしてみますと、弱金気と弱石膏感が感じられ、キシキシと引っかかる浴感が伝わり、お湯の排水流路は成分付着によって赤茶色に染まっていました。おそらく塩化土類泉なのではないかと思われます。
広い敷地に複数の温泉があるため、キャンピングカーで訪れる人が多くみられました。アメリカ人もワイルドな温泉が好きなんだということがよくわかる、とっても開放的で爽快な露天風呂でした。
GPS:32.326864, -116.859789,
随時利用可
無料
野天風呂につき備品類なし
私の好み:★★★
思わず「シェーン!」と叫んでしまいそう。
しかし途中の道路、どこもかしこもひたすらまっすぐ。
他に車の陰もなくて、これなら私でも運転できそう。
でも何かあっても助けてくれる人もいなそうですね。
まさに「シェーン、カムバーック!」の世界ですよね。このエリアは荒野が広がる只中に廃墟の街が残っているので、きっと映画のような光景が繰り広げられたんだろうな、と勝手に想像してしまいました。
このあたりの道路なら、どなたでも楽に運転できるかと思います。しかも日本じゃ決して体験できない果てしない平原の直線道路ですから、ドライブが本当に楽しかったです。でも携帯の電波は入らず、お店も無く、GSもありません。本当に何にもない世界でした。