温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

吉岡温泉 吉岡温泉館(上湯)

2011年02月15日 | 鳥取県

鳥取の市街地からバスで約30分のところにある吉岡温泉。開湯は1000年以上も前に遡れる歴史ある温泉地ですが、いまではすっかり鄙びてしまい、数軒の旅館が一本の道沿いに静かに並んでいるだけです。私の訪問時も人影が少なく、この温泉地は人々からすっかり忘れ去られてしまったのではないかと、聊か心配したくなるほど寂しい空気に包まれていました。
そんな温泉郷ですが、外湯が2軒存在しており、このうち午前中から営業している吉岡温泉館に行ってみました。この吉岡温泉館は上湯とも呼ばれており、これに対する下湯は午後からの営業です。

 
外観は趣のある外湯かと思いきや、内部は典型的な昭和40~59年代のお役所建築で、狭い上にかなり味気なく、学校や保健所を連想させる内装です。殊に浴室の入口周りなんて、扉の造りといい室名の札といい、もう学校の教室そのものですよ。


男女別の浴室には窓際に浴槽がひとつ、反対側に押しバネ式カランが3基と混合栓式シャワーが2基設置されています。浴槽は相撲の行司が持つ軍配を半分にしたような形状をしており、3~4人サイズといったところで、そのタイルは目が覚めるような鮮やかで強いコバルトブルーです。

お湯は無色澄明、微かに芒硝の味や匂いが感じられましたが、これは泉質が単純温泉ながら芒硝型を示しているからでしょう(ナトリウムイオンが85.59ミリバル%、硫酸イオンが35.55ミリバル%)。
湯温はやや熱め。芒硝のためかやや引っかかりのある硬めのお湯でした。


岩のオブジェの湯口から温泉が投入されているのですが、量は少なめで、この湯口の他にも浴槽中央の底からお湯が供給されていました。人が入るとザバーっとオーバーフローするものの、そうではない時は浴槽の縁ギリギリの水位を保って溢れ出る事が無かったので、源泉を常時投入しながらも循環させているのかと思われます(浴槽内には吸引口らしき穴も確認できました)。
お湯の毛色としては福島県の飯坂温泉に似ているような気もしますが、飯坂よりはお湯に精彩さが欠けているように思われました。なぜなんだろう…。このお風呂に入っているときは気づかなかったのですは、湯上りに温泉街を逍遥していると、この吉岡温泉の湯使いにちょっとしたカラクリがあることに気づきました。それについては、また改めてご紹介します。


新設集湯槽
単純温泉 50.5℃ pH7.9 300L/min(使用量) 溶存物質0.531g/kg 成分総計0.538g/kg

鳥取駅バスターミナル6番のりばから日の丸バスの吉岡線(吉岡行または矢矯(ヤハズ)行)で30分弱(湖山経由は約45分)、吉岡中央または吉岡温泉下車、徒歩2~3分
鳥取県鳥取市吉岡温泉町749-1  地図
0857-57-0555

8:00~22:00
200円
100円リターン式ロッカーあり、その他の備品は無し

私の好み:★★

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