桧原温泉 桧原ふれあい温泉湖望

山形県側から白布峠を越えて福島県へ抜けた5月某日、桧原湖畔に佇む公衆浴場「湖望」へ立ち寄ってひとっ風呂浴びてきました。こちらは桧原集落の中心地にあり、北塩原村の出張所と棟続きになっています。


　
周囲はちょっとした公園のようになっており、周囲を取り巻く多くの石碑類が目を惹きます。湯殿山や金毘羅さんなど信仰にまつわるものや、日露戦争や日支事変（日中戦争）の従軍記念など戦前の社会を反映するもののほか、「磐梯山破裂罹災死没之墓」や噴火100周年記念供養碑がひときわ目立っていました。みなさまご存じのとおり、桧原湖は磐梯山の噴火に伴い川が堰き止められて出来たものであり、噴火の際には500人以上が命を落とし、桧原村がすっかり湖底に沈んでしまったわけで、当地にとっては決して忘れられない大災害なんですね。


　
石碑類が並ぶエリアの片隅には、県内随所に設置されるようになったこんな機器も稼働していました。ちなみに、この時の数値は0.168μSv/h（2012年5月下旬）。



さてステップを上がって浴場専用の入口へ。


　
玄関を入ると、男性浴室入口の左手に休憩用のお座敷があり、更に左手の奥は村役場の出張所とつながっていて、こちら側に設けられている浴場受付専用の小窓で料金を支払います。


　
脱衣所は公営の公衆浴場とは思えないほど綺麗な状態が保たれており、気持ち良く利用することができました。洗面台が2台もあるところは嬉しいですね。


　
こじんまりとした浴室は至ってシンプルで、洗い場にシャワー付き混合水栓が3基、そして浴槽がひとつあるだけですが、こちらも丁寧にメンテナンスされており、清潔感が漲る気持ち良い室内です。水栓はユニバーサルデザインなのか、レバーがとても大きく、老人や障害を持った方でも使いやすい構造になっていました。シャワー固定用のレールが設置されているところも立派。



グレーのタイル貼りの浴槽は2～3人サイズ。公営の浴場ながらしっかりと掛け流しの湯使いとなっており、浴槽の角に設けられた湯口からふんだんに源泉が注がれ、槽の隅から惜しげもなくオーバーフローしています。お湯は無色澄明無味無臭で、癖が全く無くて非常に優しく、フワフワ柔らかく軽い浴感が楽しめた上、湯中には細かな気泡がたくさん浮遊しており、入浴すると体毛にびっしりとその気泡が付着しました。刺激の強い温泉が苦手な方でも、こちらのお湯でしたら支障なく入浴できるでしょうし、何よりクセのないお湯ですから普段使いにはとても便利でしょう。



ガラス窓には目隠しのため遮光フィルムが貼ってあるため、窓を閉めたままだと景色は見えませんが、開けると梢越しに桧原湖を眺望することができ、まさに「湖望」という施設名がピッタリな状態になりました。
公営の公衆浴場らしくないクオリティの設備と湯使いが楽しめる、好印象の施設でした。


アルカリ性単純温泉　47.0℃　pH8.5　195L/min（動力揚湯）　溶存物質0.1722g/kg　成分総計0.1887g/kg
Na+:35.5mg(92.22mval%),
SO4--:18.6mg(23.08mval%), HCO3-:55.2mg(53.25mval%),

JR磐越西線・猪苗代駅より磐梯東都バスの桧原行で「湖望の湯前」下車、徒歩1分
福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字道前原1131-54　　地図
0241-34-2004

10:30～20:00（受付19:30まで、冬季の営業は17:00まで）　火曜定休（祝日の場合は翌日）
400円
シャンプー類あり、ドライヤー受付貸出

私の好み：★★★