温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

漣温泉 のぞみの湯

2010年12月24日 | 群馬県
 
旧新治村役場から近い地元民向けの小さな共同浴場。地元出身のボーリング会社社長がこの温泉を寄贈したんだそうです。なんとも太っ腹だこと。一時期は外来客を断っていたこともあったようですが、現在はみなかみ町公式サイトの「町営住宅、その他施設」にて当浴場の存在が公開されているので、完全に謝絶という訳ではないようです(都合よく解釈しすぎか)。

国道17号沿いの某所に立地しているのですが、あくまで地元民向け施設であるため案内看板等は一切なく、建物自体も国道に背を向けているので、立地位置のわりには解りにくいかと思います。国道から施設への取り付け道路や、屋根にちょこんと載っている湯気抜きが見つける上での目印になるでしょう。6~7台分の駐車スペースあり。また湯小屋隣に簡易トイレも設置されています。


木造の小さな湯屋は防水の石膏ボードを貼って壁にしただけの実に簡素な造り。農機具を収納する納屋みたいな外観です。無人施設なので脱衣所に置かれている料金箱に自分でお金を投入します。


脱衣所はこんな感じ。簡素です。


(↑画像クリックで拡大)
壁には「建物の老朽化しているので台風並みの強風時には使用を控えるように」と書かれた注意書きが貼ってありました。

 
浴槽は木板を組んで作られた3人サイズ程の物で、塩ビのパイプから源泉が投入されています。ボイラによって加熱されていますが、加水や消毒などの処理はされていません。カランは無いので、かけ湯は湯船から直接汲むことになります。
無色透明で明瞭なタマゴ味とタマゴ臭が感じられます(高アルカリ性泉にありがちな僅かに収斂するような感じもあり)。ヌルヌルに近いツルツルスベスベ感がとても気持ちよく、湯口では44℃位ですが湯船では40℃前後まで下がっているので、若干ぬるめのお湯にじっくり浸かりながらヌルツルスベを堪能することができました。また泡つきが強く、全身が気泡でびっしり覆われ、お湯の中でも細かな泡が沢山浮遊していました。芒硝型のアルカリ性単純泉ですが、芒硝泉的な引っかかりやピリピリ感ではなく、ヌルスベの強い浴感が得られるのは、高アルカリとナトリウムによる鹸化作用の影響なんでしょうか(ちなみに重曹は僅少)。とにかく素晴らしいお湯です。いつまでも入っていたかった…。

一人で湯浴みしていると、地元の方が入ってこられ、部会者の私を寧ろ歓迎して下さいました。一緒に湯船に浸かりながら「湯宿や猿ヶ京と違い、ぬるくて気持ちよいお湯なので、どんどん皆に紹介してほしい」と誇らしげに仰っていたのが印象的でした。
共同浴場は不埒な輩によって荒らされて「部外者お断り」という運命を辿り易いものですが、そうならないよう、マナーを守って、地元のお風呂をお借りするという意識で入らせていただくことが大切ですね。いつまでも存在し続けてほしいお風呂です。


アルカリ性単純温泉 34.8℃ pH9.3 30L/min(掘削自噴) 溶存物質0.72g/kg 成分総計0.72g/kg

群馬県利根郡みなかみ町某所
15:00~21:30
100円
備品類無し

私の好み:★★★

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