音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

ウイズ・エイジング(with aging)・・「老いとともに」

2009-07-12 06:31:38 | 音楽雑記
ウイズ・エイジング(with aging)は「老いとともに」と訳され(朝日新聞,2009/07/11)、
対抗軸と言えるアンチ・エイジングと異なり、穏やかで包まれる雰囲気を感じます

記事には、「身に合った老いの日々」「生きやすし」「年を取るのも悪くない」
「季節や身辺への完成はむしろ豊かになる」「老化に背を向けない」
などの言葉が連なり、深まりゆく人生の敬意も感じる、と書いてあります

音楽療法は「その人がその人らしくあることを健康と捉えて、
心身の健康に役立つ音楽を利用すること」と考えています。
そこには全人的な関わりを尊重される場として、音楽療法士も人生を学ぶ場となり、
相互性のあるコミュニケーションの中に音楽があると言ってもいいと思います

老年期の発達研究では、成熟された感性や経験知に関して、たとえ記憶力が
ピークである若者でも、到底叶わないものが培われていると言われています。
「豊熟した趣」「円熟味」などは関わらないと分からない魅力であり、多くの若者にも
是非コミュニケーションを取りながら、五感を通して感じて欲しいと願います

高齢者の心や動作のリズムに同調してみると、こちらも穏やかになっていくことを
感じます。自然にスピードを落とす、姿勢を合わせてアイコンタクトを取るなど
こちらが自然体になって貴重な技術を得る機会をいただくことになり、
そこに尊厳が生まれてくることを、実践から学んでいます。
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