音楽療法のライブ日記

音楽療法士がお届けする、日々の活動記録と情報発信のブログです。

NICU(新生児集中治療室)における音楽療法♪

2014-09-15 07:29:23 | 研究関連
今週末の19日~21日の日程で名古屋国際会議場において
「第14回日本音楽療法学会 学術大会」が開催されます
日本ではまだ音楽療法士が国家資格化されておらず、
必要とされている分野に音楽療法が行き届いていないのが現状です。

アメリカからは多くの臨床の研究報告が届いてきます。
7月17日の当ブログにおいて紹介しました「周産期心理学」に関する
ワークショップが10月末に京都で開催されますが、
その中に参考文献として紹介されていた
『胎児は知っている 母親のこころ』
トマス・バーニーパメラ・ウェイントラウブ共著.日本教文社.2007
からNICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室)
の研究に関する内容を以下に記します、

P146~147
・・・ジョージア・バプティスト医療センター(アトランタ)
の新生児集中治療室の看護師たちは、音楽が未熟児の助けになることを期待して、
ある実験を行なった。この実験では、未熟児のなかでも明らかに気分が安定しておらず、
繁雑に手足をばたつかせたり、激しく頭を動かしたり、
顔をしかめたりする子どもたちが対象として選ばれた。

研究者たちは、対象の未熟児がぐずったら、ます10分間その子をなだめ、
続く10分間に、子宮内の音と女性の歌声とを組み合わせた録音テープを聞かせた。
そして、そのあいだの心拍数、酸素飽和度(血中酸素の濃度)、血圧を記録し続けた。

その結果、未熟児たちは、音楽を聞いているあいだは酸素不足になりにくく、
態度が安定しやすいことがわかった。看護師たちは有効な治療手段を探り当てたのである。
音楽療法は、未熟児をリラックスさせるだけではなく、脳の配線を修整するようだ。・・・
*現在は医学用語として「未熟児」ではなく、「低出生体重児」が使われています。

末巻の原註P12の「音楽療法」には、
NICUで子守歌を流すと、新生児たちの酸素飽和度が低下しにくくなるという他に
体重増加及び入院日数の短縮に関する研究報告が記されている。

最近では「The George Center for Music Therapy,Inc.」
を検索すると以下の研究がみられます。
Standley, J. (2012). Music therapy research in the NICU: an updated meta-analysis.
Neonatal Network: The Journal of Neonatal Nursing. 31(5). 312-316.
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