太平洋戦争の終結から64年が経過した今も、戦争により被害を受けた人々の傷はいやされていない。いわゆる「慰安婦」問題は、その中でも重大な問題である。
政府は平成5年、内外関係機関・関係者への調査を踏まえ、河野官房長官による談話を発表した。談話では、旧日本軍が「慰安所」の設置に関与したことや、「慰安婦」が本人の意思に反して集められたこと、それにより「多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」ことを明らかにした。そして、心からのお詫びと反省を表すとともに、「そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える」と述べた。
しかしその後、政府は被害者への閣議決定による謝罪や国家による補償を行っていない。「慰安婦」被害にあった女性たちは高齢になり、訃報も相次いでおり、一刻も早い対応が必要である。
「慰安婦」問題に誠実に対応することは、人々の戦争被害の傷をいやし、日本がアジアを始めとする国際社会と平和的に共存してゆくために不可欠である。また、真に人としての尊厳の守られる社会をつくるためにも不可欠である。
よって本市議会は、政府に対し、下記の事項について強く要請する。
記
1.「慰安婦」被害者へ誠実に対応し、閣議決定による謝罪と国家補償、名誉回復への措置を急ぐこと。
2.「慰安婦」問題の真相究明をさらに進めるとともに、国民の理解を深め、次世代に伝えるよう努めること。
以上決議する。
京都府長岡京市議会
10月、「慰安婦」問題の運動を交流する集会が開かれ、誘われて参加しました。
京田辺市で全会一致をかちとった運動のようすを聞き、すごいと思いました。
その後、長岡京市在住の青年に「長岡でも意見書めざして運動しようよ」と言われました。「もう、証言を聞きにいくばっかりで何もしないのは終わりにしたい」と。
そういう運動を誰と一緒にしたらいいのか・・・?
新婦人とか、親しい団体はあるものの、共産党と近しいところで安易に固めてもよくないのでは・・・?
他の会派で、以前からそういう問題にとりくんでこられた議員(民主フォーラム、ほうれんそうの会に所属)に相談しました。
「いま、一つでも多くの地方議会が意見書をあげることが、運動にはずみをつけるのに一番いいんじゃないの?いいことなんだから早くやりましょう」
そっかあ・・。と思い、案文を相談しました。
よその国から言われたからじゃなく、日本が自らの意志でやるということ。また、河野談話という、政府がやってきたことをベースに必要性を説くことを意識しました。
それに公明党は「党としては河野談話を基本にしており賛同できる」とのことで、表現をより明確にするなどご意見をもらいました。
自民党(平成3会派)は「悪いけど今回は会派として乗れない」とのことでした。ほかの意見書のときは、表現を変えて全会一致をめざす場合もよくありますが、今回はそれも難しいとのこと。
当初は、このような意見書は全会一致が望ましいという考えもありましたが、修正して通す見込みもないならこれで行こう、となりました。
公明党、民主フォーラム、ほうれんそうの会、共産党の共同提案です。
反対討論もあるかと思っていたので、賛成討論を用意しました。
この1週間くらい、ああでもないこうでもないと頭がいっぱいでした。何言われても絶対に反論したいし、また陳腐なことは言えないと思って。
でも、反対討論はありませんでした。
するとこの議題については、自分が賛成討論するだけになります。
これって単なるエエカッコしいではないか・・・?
自分みたいなのが、えらそうに討論できるのか・・・?
どれだけ苦しみをわかってるのか・・・?
そう考えると、ものすごく緊張して、自民党席も、傍聴席も見れませんでした。ただ下向いて原稿を読んでいました。いつになく噛みました。
意見書は自民党をのぞく全員の賛成で可決となりました。
市議選で自公過半数割れ、そして政権交代という情勢が、これまでにない新たな結果を生み出したと思います。
しかし、世界各国に送られるほどの重大な意見書だから、もっと全会一致のために努力をつくす必要があったのではないか・・・と思えてなりません。
会派代表に渡すだけで、説明や説得も何もしないでよかったのか・・・?
市議会として可決は喜ばしいですが、自民党が反対したというのも事実として残してしまいました。
これから意見書がより意味あるものとなるよう、市民運動もすすめて、反対された方にも率直にお考えをお聞きしなければと思います。
最近まじめなブログになってすみません。クリック→