グラナダ版シャーロック・ホームズ : 「まだらの紐」 ”The Speckled Band ”
「The Adventure of Sherlock Holmes」
1984年
グラナダ版としては6作品目でジェレミーが若いです!
そして、ホームズの表情、動きにキレがあります。
同時に 後に定番となる”オールバック”のヘアスタイルではなく ”7/3分け”、これもなか
なか 結構でございます(嬉)
ワトソンは初代のデヴィッド・バークです。
これまでグラナダ版に関しては、BBC版に引用されたエピソードに添って書いていたので
すが、この作品はストーリー自体は引用されていませんでした。
ただし、S2E1 ”A Scandal of Belgravia” (ベルグレーヴィアの醜聞)中のセリフとして
”The Specled Blonde” (まだらのブロンド)←こういう言葉のお遊びでさり気なく正典に触
れているんですね。 以前も書きましたが ”The Greek Interpreter” (ギリシャ語通訳)なら
ぬ ”The Geek Interpreter” (オタクの通訳)等 (笑)
”The Specled Blonde ” の事件に関してはドラマの中では言及されていませんでしたが、
ジョンのブログに書かれています。
The Personal Blog of Dr. John H. Watson(ジョン・ワトソンのブログ)
↓
http://www.johnwatsonblog.co.uk/
(※ このブログは大分前に話題になってたのでご存知の方も多いと思いますが、
なかなか面白いのでお時間がある時にゆっくりご覧頂きたいと思います。)
今回久々に正典読み返し グラナダ版も観直したところやはりアチコチ忘れていた点抜け
落ちていた点に気が付きました(何度読んでも、何度観てもその都度忘れる、涙)。
遅きに失しましたが 正典の中でも人気の高いこの作品について 再度正典及び「忌まわしき
花嫁」等BBC版との関連性など併せて書いてみました。(なので時々話が逸れますすし
”The Abominable Bride”(忌まわしき花嫁)の感想と検証で書いた事の繰り返しになります
事をあらかじめお断りしておきます・・・)
冒頭のシーンはストーク・モランでのロイロット博士と鍛冶職人のソーンのもめ事から始まります。
(このシーンからロイロット博士の変人振り、傍若無人振りが伺えます。)
その後、ベーカー街のシーン。
ミルクを配達する馬車(ミルク色!)らしき姿、長閑な朝の風景。
さて、ここからが正典と同じホームズがワトソンを起すシーン。
「ワトソン君、起きてくれないか」とワトソンのベッドの傍でタバコを吸いながら佇むホームズ。
(ホームズは他のエピソードでも何度かワトソンを起しますね)
ホームズはきちんと身づくろいし 既に朝食も済ませた様子なのに「未だ7時15分だぞ」、
「火事か?」と寝ぼけ眼でぼやくワトソンです。(正典では ホームズは普段は朝寝坊なのに・・・
とありますがね)
「違う、違う、ハドソンさんが呼んでいる。 依頼人だ」
非常に怯えた様子の若い女性が待っています。
(このシーンは珍しく正典の描写通りではないのですが、正典では『黒ずくめの服装で厚いベール
を付けた・・』・とあります。 この描写を読んでアッと気づきました。あの「忌まわしき花嫁」
のメアリーの服装がこの場面を踏襲していたんですね。すっかり忘れていて今回符号しました)
↑ 左が正典パジェット版挿絵、右が「忌まわしき花嫁」のメアリー
震えている女性に対して、ホームズは火の傍にどうぞ とかコーヒーをどうぞ とか甲斐甲斐しく
お世話をします。(結構細やかな気遣いを見せるホームズ)
「もう大丈夫です。解決して差し上げます」←話を聞く前に依頼を受けている。 珍しい!
寒さのために震えているのではなく 恐ろしさの為だと言う女性を観察し 何時もの通り彼女
の行動を推察するホームズです。
友人のファリントッシュ夫人からホームズを紹介されたと言う彼女の名前はヘレン・ストーナーと
言い、義父の名はロイロット博士だと云います。
ロイロットは優秀な医者でありインドで診療所を開いていた時に未亡人であったヘレンの母と結婚
したのですが、母は英国に帰国後事故で亡くなった。
母には年収1000ポンドの財産があったが 死後は義父が管理をしている。
その義父は英国に帰国後人が変わった様になり周辺の人たちとはもめ事ばかり起し邸内にはジプシー
(放浪者)達を住まわせ、インドの動物たち(ヒヒやヒョウ等)を放し飼いにしている 等々変わり者
らしい。
ヘレンには5歳年上のジュリアという姉が居たが(正典では双子) 苦労が多く30歳で既に白髪まじり
になってしまっていたが そんな姉が2年前不審な死を遂げたのだと云います。
結婚を控えていたジュリアはある晩ヘレンの部屋を訪れ 夜中に口笛と奇妙な物音がすると怯えて
いました。
その後ジュリアの叫び声を聞き 慌てて部屋に駆けつけたヘレンが見たものは 部屋からよろめき
出て来て倒れたジュリア。 最後の言葉は「まだらの紐が・・・」と言って事切れました。
外傷も無く毒も検出ず、警察も入念に調査したが死因は不明だった。
ワトソンも色々と推測してみるもののはっきりした答えは出なかった。
ホームズは、「この件はもっと深い訳がありそうだ」 ”These are very deep waters”
(※ このセリフは”The Abominable Bride”にも引用されています)
その後自身も結婚が決まった時に突然寝室の改装が始まり、ロイロット博士からジュリアが使って
いた寝室を使うように指示されたヘレンは その晩自身も口笛の音を聞き 不審に思い 身の危険
を感じた為朝一番にホームズを訪ねたのだと語ります。
(その説明を聞くジェレミーの表情の変化が素晴らしいのです。 眉の動き、唇の動き1つ1つの
微妙な表情の変化がホームズがこの事件にのめり込んでいく状況を一体感を持って感じさせられるのです。)
その話を聞いたホームズは、今夜義父に知られずにその部屋を見られるかと訊ね
午後早めにストーク・モランを訪ねる事を約束し それを聞いたヘレンは帰宅しました。
ワトソンは朝食を食べ始め、ホームズは難しい顔をして考えています。
↑ こんな表情のホームズ珍しいです!
そんな時、いきなりロイロットが訪ねてきます。
赤ら顔でいかにもの悪人ずら(笑)← インド帰りで日焼けしているって事なんだけど・・・
「どっちがホームズだ?」 ”Which one of you is Holmes?” (※ このセリフも”The Sign of
Three” その他の作品に引用されています)
「娘が来た事は分かっている。 何を話した?」といきり立つロイロットに話をはぐらかすホームズ
ですが、そんな彼に対し 「お前の事は知っている。 出しゃばりホームズ。 お節介な警察の手先
ホームズ!」と悪口雑言で怒るロイロット。
「わしの家に干渉するな」と火かき棒を手に取り、曲げて見せ脅して帰る。
ホームズは、「面白い人だ。 私だって負けないぞ」と・・・
↑ うぐッ! ↑ ホームズも負けずにうぐッ!と火かき棒を元に戻す
・・・・・to be continuedです
→ グラナダ版 『まだらの紐』 : 2/3
『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index
「The Adventure of Sherlock Holmes」
1984年
グラナダ版としては6作品目でジェレミーが若いです!
そして、ホームズの表情、動きにキレがあります。
同時に 後に定番となる”オールバック”のヘアスタイルではなく ”7/3分け”、これもなか
なか 結構でございます(嬉)
ワトソンは初代のデヴィッド・バークです。
これまでグラナダ版に関しては、BBC版に引用されたエピソードに添って書いていたので
すが、この作品はストーリー自体は引用されていませんでした。
ただし、S2E1 ”A Scandal of Belgravia” (ベルグレーヴィアの醜聞)中のセリフとして
”The Specled Blonde” (まだらのブロンド)←こういう言葉のお遊びでさり気なく正典に触
れているんですね。 以前も書きましたが ”The Greek Interpreter” (ギリシャ語通訳)なら
ぬ ”The Geek Interpreter” (オタクの通訳)等 (笑)
”The Specled Blonde ” の事件に関してはドラマの中では言及されていませんでしたが、
ジョンのブログに書かれています。
The Personal Blog of Dr. John H. Watson(ジョン・ワトソンのブログ)
↓
http://www.johnwatsonblog.co.uk/
(※ このブログは大分前に話題になってたのでご存知の方も多いと思いますが、
なかなか面白いのでお時間がある時にゆっくりご覧頂きたいと思います。)
今回久々に正典読み返し グラナダ版も観直したところやはりアチコチ忘れていた点抜け
落ちていた点に気が付きました(何度読んでも、何度観てもその都度忘れる、涙)。
遅きに失しましたが 正典の中でも人気の高いこの作品について 再度正典及び「忌まわしき
花嫁」等BBC版との関連性など併せて書いてみました。(なので時々話が逸れますすし
”The Abominable Bride”(忌まわしき花嫁)の感想と検証で書いた事の繰り返しになります
事をあらかじめお断りしておきます・・・)
冒頭のシーンはストーク・モランでのロイロット博士と鍛冶職人のソーンのもめ事から始まります。
(このシーンからロイロット博士の変人振り、傍若無人振りが伺えます。)
その後、ベーカー街のシーン。
ミルクを配達する馬車(ミルク色!)らしき姿、長閑な朝の風景。
さて、ここからが正典と同じホームズがワトソンを起すシーン。
「ワトソン君、起きてくれないか」とワトソンのベッドの傍でタバコを吸いながら佇むホームズ。
(ホームズは他のエピソードでも何度かワトソンを起しますね)
ホームズはきちんと身づくろいし 既に朝食も済ませた様子なのに「未だ7時15分だぞ」、
「火事か?」と寝ぼけ眼でぼやくワトソンです。(正典では ホームズは普段は朝寝坊なのに・・・
とありますがね)
「違う、違う、ハドソンさんが呼んでいる。 依頼人だ」
非常に怯えた様子の若い女性が待っています。
(このシーンは珍しく正典の描写通りではないのですが、正典では『黒ずくめの服装で厚いベール
を付けた・・』・とあります。 この描写を読んでアッと気づきました。あの「忌まわしき花嫁」
のメアリーの服装がこの場面を踏襲していたんですね。すっかり忘れていて今回符号しました)
↑ 左が正典パジェット版挿絵、右が「忌まわしき花嫁」のメアリー
震えている女性に対して、ホームズは火の傍にどうぞ とかコーヒーをどうぞ とか甲斐甲斐しく
お世話をします。(結構細やかな気遣いを見せるホームズ)
「もう大丈夫です。解決して差し上げます」←話を聞く前に依頼を受けている。 珍しい!
寒さのために震えているのではなく 恐ろしさの為だと言う女性を観察し 何時もの通り彼女
の行動を推察するホームズです。
友人のファリントッシュ夫人からホームズを紹介されたと言う彼女の名前はヘレン・ストーナーと
言い、義父の名はロイロット博士だと云います。
ロイロットは優秀な医者でありインドで診療所を開いていた時に未亡人であったヘレンの母と結婚
したのですが、母は英国に帰国後事故で亡くなった。
母には年収1000ポンドの財産があったが 死後は義父が管理をしている。
その義父は英国に帰国後人が変わった様になり周辺の人たちとはもめ事ばかり起し邸内にはジプシー
(放浪者)達を住まわせ、インドの動物たち(ヒヒやヒョウ等)を放し飼いにしている 等々変わり者
らしい。
ヘレンには5歳年上のジュリアという姉が居たが(正典では双子) 苦労が多く30歳で既に白髪まじり
になってしまっていたが そんな姉が2年前不審な死を遂げたのだと云います。
結婚を控えていたジュリアはある晩ヘレンの部屋を訪れ 夜中に口笛と奇妙な物音がすると怯えて
いました。
その後ジュリアの叫び声を聞き 慌てて部屋に駆けつけたヘレンが見たものは 部屋からよろめき
出て来て倒れたジュリア。 最後の言葉は「まだらの紐が・・・」と言って事切れました。
外傷も無く毒も検出ず、警察も入念に調査したが死因は不明だった。
ワトソンも色々と推測してみるもののはっきりした答えは出なかった。
ホームズは、「この件はもっと深い訳がありそうだ」 ”These are very deep waters”
(※ このセリフは”The Abominable Bride”にも引用されています)
その後自身も結婚が決まった時に突然寝室の改装が始まり、ロイロット博士からジュリアが使って
いた寝室を使うように指示されたヘレンは その晩自身も口笛の音を聞き 不審に思い 身の危険
を感じた為朝一番にホームズを訪ねたのだと語ります。
(その説明を聞くジェレミーの表情の変化が素晴らしいのです。 眉の動き、唇の動き1つ1つの
微妙な表情の変化がホームズがこの事件にのめり込んでいく状況を一体感を持って感じさせられるのです。)
その話を聞いたホームズは、今夜義父に知られずにその部屋を見られるかと訊ね
午後早めにストーク・モランを訪ねる事を約束し それを聞いたヘレンは帰宅しました。
ワトソンは朝食を食べ始め、ホームズは難しい顔をして考えています。
↑ こんな表情のホームズ珍しいです!
そんな時、いきなりロイロットが訪ねてきます。
赤ら顔でいかにもの悪人ずら(笑)← インド帰りで日焼けしているって事なんだけど・・・
「どっちがホームズだ?」 ”Which one of you is Holmes?” (※ このセリフも”The Sign of
Three” その他の作品に引用されています)
「娘が来た事は分かっている。 何を話した?」といきり立つロイロットに話をはぐらかすホームズ
ですが、そんな彼に対し 「お前の事は知っている。 出しゃばりホームズ。 お節介な警察の手先
ホームズ!」と悪口雑言で怒るロイロット。
「わしの家に干渉するな」と火かき棒を手に取り、曲げて見せ脅して帰る。
ホームズは、「面白い人だ。 私だって負けないぞ」と・・・
↑ うぐッ! ↑ ホームズも負けずにうぐッ!と火かき棒を元に戻す
・・・・・to be continuedです
→ グラナダ版 『まだらの紐』 : 2/3
『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index