写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

北朝鮮の狙い

2017年04月18日 | 生活・ニュース

 北朝鮮による米国本土をも射程に収める核兵器搭載可能なミサイル発射の強行をめぐり、米国との間で一触即発の状況になっていると、連日新聞テレビが報じている。

 核兵器に関しては1970年、国連で、核拡散を防止することを目的に、米国・ロシア・イギリス・フランス・中国の5か国以外の核兵器の保有を禁止する「核拡散防止条約(NPT)」というものが採択されている。最初62か国が加盟していたが、その後増加し現在は190か国が加盟している。

 しかしながら、保有を認められた5か国以外にも、未加盟のイスラエル・パキスタン・インドや2003年にNPTを脱退した北朝鮮が現在核兵器を保有している。これらの国は、NPTが制定時の核兵器保有5か国にのみ保有の特権を認め、それ以外の国には保有を禁止する不平等条約であると主張し、批准を拒否している。

 では、米国と北朝鮮両国の対立の根本的な原因は何か。独裁国家で危険極まる挙動をする北朝鮮がNPTで定められている「保有してはいけない核兵器」を保有し、しかも米国本土にまで届くというミサイルを開発した。米国はにわかに自国の危機につながったということで何が何でも北朝鮮に翻意を促そうとして、あの手この手で威嚇しているということであろう。

 しかし、そもそもNPTで決めてある内容に無理があるのではなかろうか。条約締結時点で核を保有していた先進5大国は核を保有してよい。ほかの国はだめだというのでは、その他の国にとっては、まさに不平等そのものである。

 「危険極まり、保有していけないものであれば、どの国であろうが保有しない」ということにならなければ、非保有国は納得がいくまい。5大国は自らが核を放棄することでしか、他国は納得はしない。今、悪の権化のように言われている北朝鮮がとっている行動は、5大国が核を放棄し、世界から核を放棄するための手の込んだ提案ではないのだろうか。世界のどこにも核がない状況を作ることが、今回の紛争解決の基本である。
  

 

 

 

 

 

2 コメント

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核なき世界に (tatu_no_ko)
2017-04-18 19:32:25
お説の通りだと思います。
国連でも大方の国は、世界のどこにも核のないことを目指し会議が始まりました。
被爆国日本もぜひ参加してほしいものです。
tatu_no_koさん (ロードスター)
2017-04-19 09:50:57
5大国が自ら核兵器を撤廃しない限りは解決しないように思います。まずは「隗より始めよ」でしょう。