写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

元日閑話

2011年01月02日 | 生活・ニュース

 元日の楽しみと言えば、何と言っても年賀状。慌ただしい年末に書くのはおっくうだが、頂いた時の嬉しさを思うと、やはり出しておかないといけない。
 10時半、今年は例年より少し早い時間帯に届いた。毎年のことであるが、いろいろ考えた上で出さなかった人から来ている。今年はことのほか、その枚数が多い。あわてて、それに対するはがきを書く。そんなこんなで昼過ぎまでパソコンとプリンターに向かっていた。
 やっと一息ついて、コーヒーを飲みながら、頂いた賀状をゆっくりと読み返す。「この字はあの頃のままだな」とか「まだ仕事をしているのか……」とか「こんな所まで海外旅行に行ったのか」とか「孫が多いんだな~」とか「相変わらず版画がうまいな」とか、ぶつぶつ言いながらめくっていくと、いろいろなことが読みとれる。。
 来た賀状の内、6割のものの宛名書きがパソコン印刷、残り4割が手書きであった。私はというと、今年からパソコン印刷に変えた。手書きの労力に比べると雲泥の差があった。手書きに勝るものはないと思いつつも、よる年波、つい怠惰に流れてしまった。
 車の板金屋さんからの賀状が来ていた。「本年も幸多き年でありますよう」と書いてある。昨年は2回もこの店のお世話になった。後ろのバンパーの下をコンクリートの壁に少し擦って傷つけたのが1回、プラスチック製のスカートを縁石に当ててへこましたのを脹らませてもらったのが1回である。
 小さな傷であるが直してもらった。お金を払ったあと「お互い、またよろしくお願いしますとはいえませんね。あまりお世話になりたくないもんで……」と笑いながら店を出たことを思い出した。板金屋さんからの賀状は、また来てくださいと言われているようで、あまり嬉しくはない。 
 「お前の私生活丸見え」と書いた遠くのかつての同僚がいた。「いつもブログを読んでいます」と書いてくれている人が何人もいた。コメントを書かない隠れ読者だ。時々でも読んでくれていることが分かって嬉しい。
 1枚のはがきで、友や知人の近況を知る。年に1回、大変な労力でもあるが、それ以上の喜びを運んでくれる。止めたいが止められない。不思議なはがきだ。