写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

永遠に生きる

2018年02月22日 | 生活・ニュース

 岩国市報に目を通していた時「受講生募集」の欄に目が留まった。JA岩国(農協)が「農業を基礎から学ぶ」と題して、岩国地域農業入門塾というものを開塾し、その塾生を募集するものであった。

 十数年来、裏庭の菜園で四季折々家庭菜園をやっている奥さんが、常日ごろ納得のいく野菜が作れないことから「野菜の作り方を教えてくれるところが何処かないかしら」と言っていたことを思い出し「こんないいものがあるよ」と受講生募集の記事を見せた。

 1.対象者;販売を目的として農業を営むことを希望する農業未経験の方、最近農業を開始され、技術習得が必要とお考えの方。
 2.開講期間;平成30年5月~平成31年2月、月1回、全10回
 3.研修内容;野菜・果樹・花などの栽培に関する基礎的な講義・実習
 4.募集人員;20名(書類選考で決定)、応募期間3月30日まで
 5.受講料;8000円/人(テキスト、視察代)
 6.講座内容;農業の基礎知識、農機具の使い方、土づくりの知識、夏・秋冬・春野菜の栽培知識・管理、生産現場の視察、病害虫・農薬の知識、山口県農業大学校の視察、出荷販売実習、果樹栽培の知識、剪定・栽培管理、

 読んでいた奥さんの目が輝き始めたと思ったとき「私、これに応募するわ」と大きな声で言うではないか。どうやら本気のようである。応募用紙はJAに置いてあるという。買い物に出かけた折にJAに立ち寄って応募用紙をもらった。昨年度開塾したものだという。ひとつ気になることを聞いてみた。

 「販売を目的とはしていませんが応募できますか?」「農業技術を習得する目的であれば結構ですよ」ということを聞き、家に帰ると早速奥さんは申込書に書き始めた。その時「お父さんも応募しないの?」と責めるような言い方をする。私だってまんざら興味がないわけではない。日々食卓に上る野菜が、立派に育ったものであれば嬉しく食も進もうというものである。奥さんに促されながら私も応募することにした。

 はてさて、「農業に関しての熱い思い」の欄に書いたことが評価されて、晴れて入塾を許されるかどうか。はたまた暗黙の年齢制限などに引っかかったりしないのだろうかなど、気を揉んでいる。JAの人が、あのガンジーの「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」という名言を知っているかどうかが合否を決めそうである。