写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

後ろ姿(紹介)

2016年07月25日 | 生活・ニュース

 今日(7月25日)の毎日新聞のコラム「余録」に、男として大変興味あることが書いてあった。要約してみた。

 「『俺たちはバカなのかもしれない』という雑誌の記事に、2010年3月に行った世論調査で『次の首相にふさわしい人』の順位が載っていた。3位は菅直人(7.4%)、2位が鳩山由紀夫(8.3%)、1位は舛添要一(23.7%)。いずれもりーダーとなったが評価は芳しくなかった。31日の東京都知事選には、今度こそふさわしい人をと思う」

 「そんな時、哲学者・鷲田清一さんの著書『しんがりの思想』を読んだ。右肩上がりの時代ではない今は、先頭に立って道を切り開いていくよりも最後尾で社会全体へ目配りする役割が重要ではないか。登山に例えれば、みんなの安否を確認しつつ最後を歩く『しんがり』だ」

 「リーダーに必要な条件の一つに『後ろ姿』がある。思い浮かべたのは任侠映画の高倉健。多くは語らぬが、後ろ姿で人を引きつける。この人は何を思い、行動しようとしているのか。周囲の人は健さん任せではなく自分でも考えるようになる。組織は一人一人が
指示を待つのではなく、自ら能力を発揮する時に活力にあふれる」

 これを読んで、「なるほど今年の広島カープが強いはずだ」と納得がいった。まずは黒田、
新井という2人のベテランが、自分の息子世代ともいえる若い者に対して、とやかく言うのではなく、後ろ姿で引っ張っているという。

 緒方監督も、選手の起用面では厳しい采配を振るっているようだが、試合で出した結果に対しては思いやりのある発言が多い。このような環境はまさに「後ろ姿」であり「しんがり」の現実版であろう。若鯉の1人1人は、自ら考えながら能力を発揮して、残り試合を突っ走ってくれるに違いない。