写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

絶 食

2006年07月09日 | 季節・自然・植物
 毎日顔を合わせるやつが、このところ絶食をしている。痩せるためでも健康のためでもなさそうだ。

 我が家の離れの外壁に、1週間ばかり前に女郎グモが巣を張った。車の通りがある道に面して張っている。

 車が飛び込んでくるかもしれないが、小さな虫が飛んでくるような気配のないところである。

 なんでそんなところがいいと思ったのか、クモに聞いてみたいところであるが、話し相手になってくれないので、毎日観察してみることにした。

 こいつには気になることがあった。クモについて私は詳しくはないが、巣の真ん中に陣取って獲物を待つ姿勢が気になる。

 頭を地球の中心の方へ向けている。みんなこういう姿勢で待っているのか。頭に黄色の血がたまらないのか小さな疑問がわく。

 まあ、このことは、子供電話相談室にでも聞いてみることにするが、1番関心をして見ていることがある。

 1週間もの間、初めの位置から微動だにしないこと。トイレにも行った様子はない。若そうだからそれで済むのか。

 この暑さの中、飲まず食わずで頑張っている。一体、どのくらいの日数こうしておれるのだろうか。

 巣の状態は、張った当初のままで、獲物が掛かった様子もない。黒地に黄色のアクセント模様をつけたタイガースファンのような女郎グモは、何時まで持ちこたえることが出来るのか。

 早く獲物を取ってくれ。いや、早く獲物よ飛んでこい。待つ身はさぞかしつらかろう。

 かと言って、ボランティア精神をこんなところで出して、えさを与えては自然の摂理に反するし、まったくも~、気になるクモである。
   (写真は、微動だにしない「女郎グモ」)