今回は、この一冊・宮田武著「シベリア抑留」を採り上げます。
第2次世界大戦の結果、日本をはじめドイツなど400万人を超える将兵、数10万人の民間人が、ソ連領内などのソ連管理地域に抑留され、「賠償」名目に労働を強制されたのがシベリア抑留です。
これはスターリン独裁下、主に政治犯を扱った矯正労働収容所がモデルの非人道的システムであり、それを終戦後の占領地日本人将兵らに適用し、多くの悲劇を生みました。
そして約60万人の強制収容された日本人は、極寒の地で寒さ、飢え、重労働の三重苦で、実に6万2千人が尊い命を落とし、今でも胸の痛くなる思いが致します。
著書「シベリア抑留」はその起源から、約10年間に及ぶ抑留の実態の詳述と全貌が記され、今更のように戦争の悲惨さとともに、ソ連の惨さを痛感させられます。
平和な今こそもう一度、その実態に目を向けたいものです。
< 書籍の内容 >
① 著名 「シベリア抑留」
② 著者 宮田 武
③ 発行所 中公新書
④ 発行日 平成28年12月25日
< この一冊・宮田武著「シベリア抑留」 / 中公新書 >