かいつぶりの日々

山林関係に強い不動産鑑定士「合同会社鳰不動産鑑定」のブログです
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不動産の鑑定評価・相談・コンサルティング

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【報道】地価公示(令和4年)

2022年03月30日 | 実務
3月22日に地価公示が発表されましたね。
全国的な話でコロナ禍の影響が緩んでやや持ち直し感があるそうですね。
北海道の北広島、福岡と再開発、積極的な投資が行われてる箇所は上昇ですね。
反対に飲食店街、宿泊施設のある都心商業地は未だに苦戦しているようです。


近畿の話でも同じように、訪日客が多かった大阪ミナミは依然として下落基調、
反対に京都は回復基調となっております。

京都については、以前までがホテル需要に引っ張られてた形ですが、コロナ禍において需要者がホテル事業者からマンション事業者にシフトしたのが大きいと思います。また、京都市は独自の高さ規制により建築面積当たりの供給戸数が制限されているため、需要と供給のアンバランスが発生していることによる価格上昇の側面もありますね。

私の在住する滋賀県は従来通り、大津・湖南エリアは上昇基調、郊外・集落は下落となっておりますね。
大津湖南エリアは京都大阪通勤圏なので、
京都で住宅購入を考える層が滋賀県にシフトしていることもあり、結構な高値で取引されているようですね。

反対に滋賀県北部を中心とした郊外、集落は下落。

人口減、高齢化などのネガティブな要因もありますが、今回は積雪が大きく影響するのかなと思いますね。(年末は大雪でしたし…)

しかし、地方でも福岡は再開発、北海道はニセコエリアの人気や新しい球場など追加投資で価格上昇している市町もみられることから、街の在り方が大きく変わるタイミングかもしれませんね。



【投資】投資としての不動産…その3

2022年03月23日 | 実務

不動産投資の話を続けたんでこれも書こうと…。

今更ながらの「J-REIT」

かれこれ上場して20年くらいですが、

ほかにも投資対象がどんどん増えてきたんで、備忘録的にご紹介。

そもそもJ-REITとは…

REIT(リート)とは、投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設などの不動産を購入し、その賃貸収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。
もともとはアメリカで生まれた仕組みで、「Real Estate Investment Trust」を略した言葉になります。日本では、JapanのJをつけてJ-REIT(ジェイ・リート)と呼ばれています。
小口の資金を出資者から集めてリターンを提供するクラウドファンディングにちょっと似てますね。

特徴的なのは
①現物不動産投資とは違い、小口で少額から投資できる(例えば一万円からとか…)
②不動産賃料をメインの運用としているため、分配金が比較的安定的である。(利益の90%超を配当すると法人税が免除されるとか)
③株式と同じように売買できる
④複数の銘柄(案件)に分散投資できるからリスク分散も可能
⑤不動産の運用・管理は専門家が行うので手間がかからない。


と、良いことずくめですね…。

しかしデメリットもありますね

①売却に際して元本割れリスクがある。…REITの取引価格は市場の銘柄の取引価格で決定されるため、他の金融商品と同様に外的な要因で価格変動が起きやすく、結果として元本割れのリスクが介在する。実際にコロナ禍では半値に下落した。

②災害リスクが介在する…やはり不動産は自然災害に勝てない部分がありますね。地震・水害でも保険が利いても、稼働できない期間が長期に渡る場合には賃料収入が得られない可能性があります。

③投資法人の倒産の可能性がある…これは諸行無常

④配当された利益を元本に組み入れることができない。
これって複利効果のことですが
例えば一口10万円の銘柄を購入し、1万円の分配金を得た場合には元本の10万円に1万円を加えて11万円で運用…ということができないです。銀行の預金なら全然できるんですが…
一万円+自己資金9万でもう一口購入するか、別の銘柄を買うかしないです。なかなか投資としては効率が悪いですね。

⑤分配金の減額リスクがある…コロナ禍で商業ビルの稼働が減ったときとか仕方ないですね。

⑥金融機関の融資が受けられない…現物不動産と比較して担保価値はないんですね。

現物不動産に投資するよりも手間がかからず、資金も少なくて済むのが特徴ですが、やはり投資なので値下りのリスクは避けられず、また少額運用なので、投資としては効率は低いといえるのではと思います。

気軽に始める投資としては良いかもしれませんが、ガッツリ儲けるって形ではなさそうです。


個別の銘柄を指定して買うか、それとも全体的にまんべんなく購入してリスクを分散させるかどうかを証券会社、金融機関などで方向性を示したうえでご相談されるのがよいかもしれませんね、

ここ三回ほど投資の話をしてましたが、すべてに共通して言えるのは「楽してがっぽり儲ける」のは難しいですね(苦( ´∀` ))



【利回り】投資としての不動産…その2

2022年03月16日 | 実務
前回の続きです。

グロス利回りとネット利回りをご説明しました。

ネット利回りが把握出来れば幸いですが、中々情報として入手しづらい…。

では利回りをどう考えるか

例えば、年間100万円の賃料収入がある不動産を1000万円で購入するのと
年間50万円の賃料収入の不動産を1000万円で購入するのではそれぞれ利回りが違います
(1)100万÷1000万×100=10%
(2)50万÷1000万×100=5%

購入価格が下がれば50万でも利回りがアップします。

(3)50万÷800万×100=6.25%

一般的に同じ投資額で収入が多ければそれはうれしい話で

多くの人が(1)または(3)の案をチョイスするかと思います。

しかし、不動産には立地条件、築年数、修繕の必要性などの要因があり、これらは不動産の購入価格及び賃料に大きく影響します。

単純に利回りが高い→ええ感じと判断するのは早計であり、一度立ち止まって不動産をよく見る必要があります。

利回りが高いということは、不動産自体の元本価値が低く、それに見合わないくらいに賃料が高く設定されている(新築時の賃料が設定されている)可能性もありますので…。
すなわち、元本価値が低い→立地が悪い・建物が古い・維持管理が大変などネガティブな要因が存在するということですんで、入居者を遠ざけ空室が多くなる要因ともなります。
空室率がどうか…が判断要素になりますね。

反対に利回りが低いとされる不動産では
元本たる不動産の価値が高い場合が考えられますね。
そもそも立地が良く土地価格が高いとか建物新しいとか、維持管理がしっかりしているとかですと、入居者も定着し、満室稼働となる可能性が高いです。

元本価格のうち、建物のさることながら土地価格が投資利回りの大きな構成要因となっていることから、投資対象が都会か地方かによって大きく利回りの水準も変わります(地価水準が異なるので)


利回りの目安を簡単にご紹介しますと、一般的にグロス利回りは三大都市圏では4%~6%、地方では8~10%と言われてます。ちなみに滋賀県は12%~14%程度かと(広告をザックリ見ただけなんで精緻な数値ではありません)

もちろん物件によって差異はありますがこの水準より大きい利回りについては、何かしら理由があるものとして注意する必要があります。

例えば、元本価値のほか、土地の権利が借地であるとか調整区域にあるとか共有地であるとかなど、流通を阻害している要素がある場合には、利回りが高くなります。

利回りの高い物件に投資した!って喜んでても、しばらくして維持管理や入居者募集で奔走するのは本末転倒な話ですよね…。
こう考えると、不動産はローリスク・ローリターンがあるべき姿なのかなと思いますね。

少し不安な方は、投資不動産についての概要を、一度専門家にご相談されることをご検討ください。

投資に関してもう一つだけアドバイスすると、ちょくちょく見かける100%借入で不動産を購入する不動産投資は本当に危険です。ある程度の自己資金で購入したほうがリスクは無いです。(借入に頼っていると不測の事態に対応できないことが多いです)
管理などの運用計画の下で運転資金的な形で借入などを検討されることをお勧めします。

不動産の投資って色々とありますね。




【実務】投資としての不動産

2022年03月09日 | 実務
ご存じのように不動産は投資対象として人気があります。
本屋さんに行けば、「初めてわかる不動産投資・」「サラリーマン大家」・「ゼロから始める大家さん」などなど、「不動産投資」のコーナーではいろんなキーワードの本が並んでますし、ネットでも速攻検索できます。
確かに要説鑑定評価基準では投資対象としての危険性は他の金融資産と比較して小さいと記載していることから、他の資産の代替品としてカウントされますね、
さて、この投資対象としての不動産では利回りという言葉が付きまといます。

不動産広告、投資の案内ではこの利回りが購入、投資の大きな判断要素となりますが、これは、投資した額に対する収入を意味しております。つまり購入額に対する一年間の賃料収入ですね。
この利回りには表面利回り(グロス)と実質利回り(ネット)とあり、

表面利回り(グロス)は→一年間の賃料収入÷購入額 
で表します。広告などに記載されているのがこれ。

この時注意が必要なのは、経費(費用項目)が控除されていないことです。
通常賃貸物件は
・維持管理費
・火災保険
などの費用が掛かりますが、上記の利回りにはこれが反映されていないです(すなわち実質的な収入はこれより低い)
また、物件の購入に係る諸費用(詳しくは弊blogおうち探しを参照)も含まれておりません。たまに表面利回りうち満室を想定した「想定利回り」というものも提示されていますね。

これに対して諸費用等を反映したのが実質利回り(ネット)
 実質利回り(%)=(直近1年間の家賃収入-年間諸経費合計)÷(物件の購入価格+物件購入時の諸経費合計)×100

実質的な収益・投資採算性を見るにはこちらが参考になりそうですね。
ただ、これには先行きのリスク(空室、賃料値下げ、金利変動など)は反映しきれない点があることに留意。

ではちょうどよい塩梅の利回りってどうなのか

これは続きでご説明したいと思います。



【おうち探し21】家を高く売る方法

2022年03月02日 | おうち選び、住むとこ選び
引っ越しシーズンに入りました、

家の取引がぐっと増えるこの時期ですが、
せっかくのマイホームを事情で手放すこともあるかと思います。

思い入れのある家をできるだけ高く買ってほしいと思うのが普通ですね。

家を売るときのポイントを少し…。

おそらく複数の仲介業者さんに見積もりを出すと思いますが、
一番高いとこにすぐに飛びつくのではなく
大体の相場を把握することが重要です。

広告価格、公示価格、路線価、固定資産税価格の÷70%で水準がわかりますね。

あとは売り希望価格とどんだけ離れているか、高すぎるとすぐに売れず値下げ→結局水準となります(高い業者さんに高くした理由を聞いとくと良いでしょう)、

隣接地の境界などは把握しておく方がよいです。権利証に添付された図面を参考に、境界がちゃんとあるかどうかをみておきましょう、
また、未登記増築部分があるかないかで売買の手続きが変わります。ここも重要😄
ボロい部分などは全部修繕が望ましいですが、無理な場合は把握のみしておきます。

あとは
基本的な話ですが…家を掃除して
できるだけ部屋をきれいに見せましょう、庭も草刈を積極的に
今までお世話になった家に対して感謝の気持ちで、お手入れしましょう。

きれいな家の方が当然印象は良いです。仏壇など残置物がある状況で引き渡しなどは論外です。

購入検討されている方(仲介業)に対しての質問などはすぐに対応するようにしたほうがよいです。
結局のところ、家の価値って住んでる人に大きく依存します。

売る方も買う方も気持ちのいい取引になるようにしたいですね