かいつぶりの日々

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【有効利用】トランクルームの需要

2023年09月28日 | 実務
ネット記事でトランクルームの需要が高まっているとの記事を見つけました。
以前バイクガレージの記事を書きました、過去記事はこちら
トランクルーム、昔はコンテナ倉庫と言われてましたが、現在の市場規模は747億円、これからは4%から5%の市場規模拡大が見込まれるそうです。

背景にはコロナ禍でのリモートワークなどにより家財道具が増えて保管場所を確保する必要が出てきたこと、
建築会社の会社の合理化などにより、工事道具や必要機材を現場近くに保管しておく形が主流になりつつあるということが挙げられます。

さて、このトランクルーム、市場規模拡大と言われてますが、土地運用としてのメリットデメリットをあげると

【メリット】
アパート等に向いていない狭小地でトランクルーム運営は可能です。
スキー用具などは一度訪れたらなかなか次に来ないユーザーも見込まれるので、郊外の土地でも運用は可能であり、解約も少なく安定的な収益が見込めるのがポイントです。
また壁紙などの内装を使う必要がなく、設備が簡単な電気と換気扇等でOKなので維持管理費は多くはかからないのが魅力の一つでしょう。

【デメリット】
賃貸アパート、マンションと比較して総じて収入が低いのは否めません、また、借地借家法が適用されないことから相続税対策には向かないのがデメリットといえます。

【注意点】
ほとんど海洋コンテナと同じ見た目なんですが、ちゃんと建築基準法の建築確認を通さないといけません。昔は海洋運搬コンテナでもOKでしたが、国交省の指導によりちゃんと基礎工事をした「建物」でないとダメになりました。

ですので都市計画法上「倉庫業を営まない倉庫」として扱われますので、用途地域との関係に注意してください(第一種低層、第二種低層、第一種中高層は建てられません)

また老朽住宅→建替え→トランクルームというのは固定資産税が上昇する可能性がありますので、この場合も注意が必要です。

アパートに向かない…とはいえ、アクセス道路の幅員など自動車利用の利便性や道路の系統連続性は大きな要因といえますし、建物配置については自動車が切り返しができるスペースを確保しないといけません(なんせ工事業者さんの車の出入りも想定する必要があるので)、

こういったニッチな土地利用を検討されている方は、専門業者等に早めに相談されると良いでしょう。






【報道】令和5年地価調査発表

2023年09月20日 | 実務
昨日地価調査結果が発表されました、評価員の皆様お疲れさまでした(^^♪

全国的には地価は回復傾向、主要都市以外の地方都市でも31年ぶりに上昇となったようです。全般としては低金利政策が功を奏しているのが大きいと思われます、ただ海外金利と比較すると、ローン金利の変更の可能性もないわけではないので、どうなることやら…
目立ったのは北海道千歳市では住宅地で30.7%の上昇、商業地でも30.8%の上昇となったようです。これは大企業の出資する大規模工場の進出に伴う周辺整備の影響であると…。
滋賀県でも大津及び湖南4市(草津、守山、栗東、野洲)については上昇地点が増加、
特に住宅地は京都からの購入層が流入しており地価の上昇に寄与していると思われます。
ただ県北部の農家集落や郊外の住宅地などは依然として下落基調、
全国で見てもコロナ前の水準に戻ってるのは半分程度だそうです。

まだまだ地価は回復していない場所ありますね。

インバウンドで回復した地域もありますが、その恩恵が波及しないエリアについては、地域のあり方に応じた戦略が求められるのかもしれません。

※写真には深い意味ありません。





【競売】競売物件の購入…その2

2023年09月13日 | 実務
前回は競売物件の購入についてメリット、デメリットをお話しました。
今回は手続き的なお話。

一般に競売物件とは裁判所主導のオークションみたいなもの。
物件情報は前回お話した不動産競売物件情報サイト「BIT」に掲載されています。

欲しい物件を見つけたら購入(入札)手続きに入るわけですが、
上記サイトから三点セット(物件明細書 現況調査報告書 評価書)をダウンロードして、物件の詳細を確認してください。

(入札)
めぼしをつけた物件については入札期間中に入札用紙を入手し、それに必要事項を記入して裁判所に提出します。
物件には売却基準価額と 買受可能額が記載されていますが、最低価格としては買受可能額以上の入札をしなくてはいけません。
また売却基準価格の20%が保証金 として取り扱われ、入札時に納付しなくてはいけません。
これは買受申出保証金と記載されている項目ですね。
ちなみに売却基準価額とは、裁判所の評価額であり、買受可能額は売却基準額の80%(前述の買受申出保証金を控除した額)の金額を表してます。


(落札、代金納付)
この入札で一番高い値段を提示した方が落札するわけですが、落札後もいろいろあるわけで…。
売却許可の決定の通知を裁判所からもらったら、期日までに代金を納付します。

(交渉、その他)
移転登記などは裁判所のほうで行うのですが、一番の問題は引き渡し。
この作業は落札者が行います。
空き家ならまだしも居住中の物件ももちろんあるので、居住者がスムーズに立ち退きしない場合もあります。
立ち退きの交渉のほか、残置物の処理、鍵の解錠、付け替えなどのなかなか大変な作業がありますが、一番大変なのはこの交渉。
スムーズに進まない場合は、裁判所に引き渡し命令を申し立てることとなります。
(引き渡し命令、強制執行)
この申し立ては代金納付から6か月と決まっておりますので、この期間に留意して作業をすすめることが大事です。
また、裁判所の命令がでてすぐに退去してもらえるならまだしも、居住者が不服申し出を行った場合にはその申し出について審査があるので、さらに引き渡しが先になります(;'∀')、また、残置物がある場合には勝手に処分してはならず、必ず居住者等に連絡して確認する作業が必要です、上記の通り拗れている場合でも確認の作業は必要で、まったく話にならない場合は強制執行の段取りということになりますね、ちなみにこれらの費用は落札者負担、さらに取得できるまで長くなります。
(このあたりは管轄の裁判所に聞いていただければと思います)

これらの手続きを経て入手できれば、普通に使っていただいてもOKな形となります
しかし「市場価値より安い」とは言え、なかなか手続きが煩雑なので一言で安いとは片づけられませんね。空き家か居住中か、残置物あるかないかとのチェックなど物件選びは慎重に。




【実務】競売物件の購入

2023年09月07日 | 実務
今回は競売物件、
簡単に言えば裁判所で開催されるオークションで不動産を買うということです。

一般の市場より安く買えるのでお得な感じもします、
メリットとしては
競売物件のメリットはやはり価格が安いことでしょう。
地域にもよりますが、たいていの競売物件は、一般の相場より価値が低く見積もられているため、おおよそ通常査定の6~7割程度の価格で購入することができます。
売買物件については全国各地の競売情報を一度に検索できるサイト『BIT(不動産競売物件情報サイト)』で検索可能ですので広く情報の収集が可能な点でしょうか。ちなみにこのサイトは最高裁判所から委託を受けて運営されているものなので安心して利用できます。

デメリットとしては
物件情報は3点セット「物件証明書」「評価書」「現状調査報告書」 から得られますが、それ以上の情報が入手しにくいこと。内覧が難しいことなどがあげられます。
あと売主がいないので取得後に問題が発覚しても責任を問うことができないなどです。このあたりは一般の物件と大きく異なりますね。
また、住宅ローンが組めない、予納金が必要など、金銭的な融通が利かないのが特徴です。

昔は個人が競売で入手して~という事案もたくさんありましたが、今はリフォーム会社が落札して修理して転売という形が多くなり、昔ほど落札価格が安いという印象はないですね。

個人で競売で購入…という方は、昔より難易度が上がっているとイメージしていただければと思います。
手続きについては次回お話します。