にっち・自然に囲まれて

多様な生きものといっしょに生きる雑貨店。

野生のナシの楽しみ。と、14日はルーツのパンの日

2020-09-08 07:56:03 | 生きものあれこれ
こっぽら土澤の建物があるのは、土沢商店街の中でも
上町(かみまち)と呼ばれます。
ちなみに、たこ焼きが人気の「松葉商店」は、中町(なかまち)、
醤油の醸造元「佐々長醸造」は、下町(しもまち)です。

土沢駅に近い上町には、「上町駐車場」があります。
商店街から、土沢駅に向かうために右折したところにある、小さな駐車場。
そこにある、ナシの木が、今回ご紹介する木です。




↑ 今月5日に撮影したもの。雨の日だったので、滴が見えます。

ナシの実は、変形していて、傷もあります。
人の手による世話を離れたナシ。
野生のナシ、と書きましたが、もともとは園芸種であり、
それが何十年も放置され、ふたたび野生の状態になったナシです。




↑ 上町駐車場、5月。ナシの木は白い花を咲かせていました。


八重のサクラもピンクの花を咲かせ、隣のキリの木はまだ葉を開いていません。
セイヨウタンポポが花盛りの5月です。




↑ 冬の駐車場。全体がよくわかります。


2月の雪の中の上町駐車場をみると、木々の配置がよくわかります。
写真左手にヒノキが4本。そしてカエデ。
間をおいて右隣が、ナシの木。その右手には、大きなキリの木があります。
そして、クワ、八重のサクラ、ウメ(車の前)、と続きます。

ここは、かつて人家の庭だったようです。
これら庭木の名残りをとどめる仲間とともに、
人の手を離れて、それぞれが自立の道を歩んできたようなのです。




↑ 夏。ナシの木の梢に咲くノウゼンカズラ。

鮮やかな花が目を引くノウゼンカズラの花が、茂った葉とともに
ナシの木のてっぺんにあります。
これが、果樹園のナシだったら、とっくに切られていたでしょう。
こんな光景を目にすることなどできません。




↑ こちらは、6年前に撮った写真。

ノウゼンカズラのつたが、ナシの木の幹を登っています。
こうして、何年間もナシの木は、ノウゼンカズラに貢献してきたのです。


そして、今。ナシの実はカラスにつつかれて食べられたり、
下にも落ちています。




↑ ナシの実を見上げると、アカタテハがとまっているのに気づきました。


アカタテハは、カラスがつついた傷から、果汁を吸っていたのです。
野生化したナシの木は、この地域の他の植物や鳥、昆虫たちに
多大な貢献をしていたのです。


「森の生活」を書いたソローが、「野生のリンゴ」という文章を書いています。
放置されたリンゴが、ふたたび野生化したリンゴ。

野生で生きる・・・人間にも響いてくる言葉です。
自然の大地で、自らがもつ野生の感覚を呼応させて暮らしていた
ネイティブ・アメリカン。
その本格的な野生の暮らしはできないが、
ふたたび野生化したリンゴのように生きることはできるかも、
と、ソローはその野生のリンゴに共感しています。

切られないで残っていたからこそ、
こうしたことが垣間見られた「上町駐車場」でした。


ところで!

9月のルーツさんのパンの日は、14日(月)です。
予約は、9月11日(金)まで。
通常のパンは、こちらから見られます。
ご注文は、TEL 090-5765-6050 にお願いします。

9月の季節酵母のパンは、
『梅と杏と夏の欠片(かけら)』(ホール886円/ハーフ443円)
酵母は梅酵母で発酵させ、甘い杏と酸味のある杏、2種の杏が
たくさん入ったパン。

もうひとつは、
『チョコっと梅丸』(小型パン・1個220円)
オーガニックチョコチップのパン生地に
自家製の梅ジャムをサンドした夏のパン。

9月14日(月)は、にっち は午前10時30分から、夕方5時まで
営業しております。


どうぞ、ルーツのパンを楽しみにお越しくださいませ!




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