今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

続・「エサをやるなは殺せと同じ」 ~理屈で勝負の巻~

2018年08月23日 | シリーズ:エサをやるなは殺せと同じ
勝負と言っても、勝ちたいわけじゃないです。みんなが手を取り合うにはどうしたらいいか、と考えるうちにこうなっちゃいました。だから喧嘩はご免だけどもちろん反論大歓迎です。

トシをとると、とにかく理屈っぽくなっていけません。元のタイトルはもう1年以上も前に書いた記事ですが、未消化の部分が随分ありまして、もっとダイレクトに書いた方がいいかなと。何しろこのブログを通してのテーマの核心部分なので、何度も何度も反芻しているわけです。

「理屈で勝負」と書いたのは、このようなテーマのスレッドに必ず出てくる"動物愛誤"の連中の中には、汚い言葉を使う感情的なのは論外として、理論武装した人もいるからです。すると、正統派動物愛護の人たちの分が悪く見える。それではいけないと立ち上がろうと思ったわけですが、立ち上がれたかどうかは読んで頂いた方々のご判断です。


「オジン頑張れ、おれたちの仲間の問題だ」(テンちゃん)

次のスレッドを見て下さい。(ちょっと古いです。)
1年半前の記事「ノラたちを守る道づくり」で紹介したスレッドの再掲です。"動物愛誤"の輩に荒らされることなくいろいろな立場の人が意見を寄せていて、その比率も諸般のアンケート結果に近いので参考になるスレッドです。

スレッドの「エサやり否定」意見を集約すると、「エサをあげるなら(そのノラの)行く末まで責任を取るべきで、取れないなら(かわいそうではあるけど)エサをあげてはいけない。」 その理由は「エサをあげるだけでは他人迷惑になるから」ということでしょうか。しかも避妊手術を自費でしたくらいでは責任をとったことにはならないとも。ちなみに、私自身がスレッドに投稿したことはありません。

どのようなアンケートを見ても、「猫は大嫌いなので殺してしまえ」みたいな人が少数います。(5%程度?) 自分にはこのような人たちを説得する自信もないし、そうなるに至った経緯には多少の興味はあるけど、まあ、"ミハン"にリストアップしてもらうくらいしか思いつきません。(「月9」ドラマより) 一方大多数を構成しているのは、「ノラは可哀相だけど他人の迷惑になるから何もしない」人たちなのです。

さて、本題。
誰もノラにエサをあげなければノラは死にます。今ではゴミ置き場のガードも固く、簡単にゴミを漁れるような環境ではありません。ではエサをあげるなと言う人に質問です。あなたはそのノラが、エサをやらなければ(何処かで)死ぬことを意識して言っていますか。かわいそうだけど死んでもやむを得ないと・・。 だとしたら、あなたは「殺せ」と言っているのと同じです。いやもっとむごいかもしれない。仮面を被っているだけで、堂々と先の5%の仲間入りです。

いやいや、エサをあげなくたってノラはちゃんと生きていく? 根拠は別にして、実はこれが大方の人の考えです。だからエサやりを非難する。わざわざエサをやることでノラが居つき、周囲の人たちが糞害その他で迷惑する、それが非難の理由です。「迷惑なのはノラじゃなくてあなたのような人間だ」とか舌鋒鋭く非難する。これには人のいいスレ主だったらたじたじでしょう。自身を"猫好き"と標榜する人やノラ保護ボランティアの方も多く、「自分もノラ自身も、エサやりというあなたの迷惑行為の被害者だ」と訴える。

しかし猫だって生きていくためには食べなければならない。確かに田舎には人間と関わらない野生化した猫もいるらしい。(公的には「野猫」と言います。) 彼らは昆虫や小動物を食べて生きている。一方人間社会の中で暮らしているのが"ノラ"であり、たとえそこそこの公園や野原があったにしても、住宅地として整備された環境の下では生きていけるほど自然の食料源はない。しかもノラの大半を占める脱走猫や捨てられた猫は、自然界でのエサの捕り方すら知らないのです。飼い猫が虫を見つけても、じゃれるだけで食べないのを見たことがあると思います。

ノラの主たる食料源は人間からの施し物です。この問題を考える上で、まずそのことを認識して下さい。もう一度書きます。みんながエサをあげなければノラは死ぬ。だがエサやりを非難している本人は、ノラが死ぬなんて夢にも思ってないだろう。つまり死ぬ(殺す)ことを想定しないエサやり非難は、自分の知らないところで誰かがエサをやる分には構わないと言っているのと結果的に同じなのです。

さらに、生きていることを前提にすれば当然ながら糞もする。エサやりで居着かなくても地区のどこかにはいるわけです。そして糞をし、悪戯することもあるでしょう。それが自分の庭でなければいいのでしょうか。自分の庭がたまたまノラのトイレに使われても、運が悪かったと諦めるのでしょうか。まさか、エサやりを止めればノラが糞をしなくなると思っているわけではないでしょう。殺さない限りはです。

前回も述べたように、いわゆる規則やマナーを守らないエサやりは別。しかしエサやり自体を自己中と言うのなら、知らない場所で糞をするのは構わないというのもやはり自己中、そして事なかれ主義の賜物だ。それは単に、問題解決のために試行錯誤で何かをしたいと思う人と、自分は何もせずに他人に文句ばかり言う人の差でしかない。

エサをやらなければノラは死ぬ。死なない限り何処かで糞をする。・・・もう一度問います。糞害根絶を目指すあなたは、ノラは徹底的に殺すべきだと主張するのですか? エサやり非難は、そこまで突き詰めてはじめて成立するのです。

「不幸なノラを増やさないためにエサをやるな」というのもおかしな論理。"不幸なノラを増やさないためにノラを殺せ"ということです。この言い方が猫ボランティアの人たちに多いのは意外だ。もちろんこんなのはノラ想いでも猫想いでもない、迫害そのものです。はっきりと「殺せ」と言った方がよほどわかり易い。しかしそうでないのなら、今すぐに言い方を改めてほしいのです。そのために勘違いする人が何人もいて、ノラが本当に迫害されているのだから。

ノラの問題は地域住民全員の問題です。「興味がない」とか「関わりたくない」とか言ったってノラはいる。人間のエゴの副産物として生まれたノラに贖罪の意識を持てとまでは言わないが、ノラを可哀相だと思うのならエサやりを認めましょう。そして、生きている限り糞もする、ということを認めましょう。どうしても嫌なら「殺せ」とはっきり言って下さい。人間性の仮面を被って、エサやり非難に矛先を向けるのは筋違いです。ノラなんかに自治会費を使うな? いやいやそういうことのために自治会費はあるのでしょう。ノラを減らしたいのなら、まず猫を捨てる人間をやっつけることから始めましょう。


「騒々しい家にもやっと慣れてきたんだニャン」(みう)

さて、上に掲げたスレッドをもう一度見てみて下さい。
このスレッドは建設的な提案が多いスレッドですが、スレ主のエサやりに迷惑だと言っている人は、本人が如何に猫好きや博愛を標榜しても結局は「殺せ」と言っているのと同じです。でもそのことに気付いていない。都会の真ん中で、冬であっても、虫やトカゲを食べて生きていけると思っているのです。そして、エサやりを止めれば糞害もなくなると思っている。それが「殺せ」と言わずにエサやり非難している人たちの、自分でも気付いていない本質なのです。

一方スレッドを見ればわかるように、本当にノラが可哀相だと思う人はエサやり非難をしていません。代わりにいろいろな提案をしている。「近隣の人たちや抗議された相手と話し合う」「薬を駆使して猫アレルギーを克服(して飼う)」「引っ越して飼う」「里親募集する」「ボランティア団体に相談する」等々。その実現性は別として、何とかスレ主をサポートしたい、あるいは当該ノラを救いたいという気持ちが滲み出ているのです。

ただ、だからと言って自分には、これらエサやり非難の人たちを逆に非難するつもりはありません。何故ならこの人たちの善意は本物で、単なる"勘違い"が加わっただけだと思っているからです。だがその"勘違い"が連鎖反応を生み、今やエサやり禁止は固定観念になってしまった。これを真の動物愛護の観点から覆すのは容易なことではないと承知しています。

各自治体が出しているエサやりガイドラインをよく見れば、エサやり自体は人間味に溢れた尊い行為としています。そして、"適正な"エサのやり方について指針を出している。エサやり自体を禁止している自治体などあるはずがない。何故ならそれは動物愛護法違反というれっきとした犯罪になるからです。そのことを知らない人たちが、「エサやりは当該自治体によって禁止された」などと嘯(うそぶ)いているのです。

このような都市伝説まがいの勘違いが横行していること自体が、日本人がまだ成熟しきってない証拠なのかもしれませんね。


「オジンは暇だとちょっと過激になるから気をつけてね」(ニャー)


<後注>
一過性の場合を除いて、同じノラに対する継続的なエサやりには道義的な責任が生じるという上述の意見は正しいと思います。何よりそのノラの行く末に対する責任です。ひとたびノラの信頼を得た以上は何とかしてエサやりを継続すべきで、周辺への配慮もそのためです。自分も「ノラたちとの共存を目指して・その1」の中で提案しましたが、まずは所轄官庁のガイドラインを参考にして下さい。最も大事なことは(自身も含めて)里親探しを始めることです。その方法はインターネットで調べればたくさん出てきます。



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