いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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米朝首脳会談は中止。 summit conference was canceled

2018-05-25 20:05:53 | 日記
 (1)米大統領として初めて北朝鮮の非核化を実現して同首脳と会談するとして胸を張って、同支持者からはノーベル平和賞の声もあがってご満悦のトランプ大統領だった。
 6月12日にシンガポールで米朝首脳会談を開催すると発表したばかりだったが、昨日にトランプ大統領は同会談を中止するとの書簡を北朝鮮の金正恩委員長に送ったと表明した。

 (2)公表された書簡によると、トランプ大統領は最近の北朝鮮側の「敵対心や怒りに鑑みると、私は今、計画通りに会談することが適切だとは思わない」(報道)と会談中止理由を語っている。

 事態はすでに北朝鮮に拘束されていた米国人3人は解放されて帰国し、昨日は米国メディアなどに北朝鮮のすべての地下核実験場坑道の爆破、閉鎖が実施公開されて、これだけ見れば米国のしたたかで一方的な利益外交の成果のようにも見える。

 (3)同書簡には「もしあなたがこの最も重要な首脳会談について心を入れ替えたならば遠慮なく私に連絡」(報道)してほしいと結んでいる。さんざん米国側の要求に応えておいて、突然ハシゴを外された格好の北朝鮮がこれにどう反応するのかだ。

 トランプ大統領は数か月の間に金委員長が2度訪中して習近平主席と会談して北朝鮮の態度が変わったと、名指しはしなかったが最近の北朝鮮の「敵対心や怒り」の矛先(ほこさき)を中国の影響だと指摘していた。

 (4)それ以前に北朝鮮も米朝首脳会談の中止を示唆する発言が続いており、雲行きが怪しくなってはいた。そういう中でも北朝鮮は米国の要請によるものと思われる米国人拘束者の解放帰国や地下核実験場の閉鎖公開を実施したのは、念願の米国とのサシでの米朝首脳会談は捨てきれずにかけ引きを続けながら有利な条件での会談機会を伺っていたものと受け止められて、今後も米国とのかけ引き交渉が続くものと思われる。

 (5)米国としては北朝鮮の後ろ盾の中国の存在、影響力に警戒が強く、けん制したものと思われる。北朝鮮から出来るだけ中国の影響力を引かせて北朝鮮を孤立させて、こちらも思うように北朝鮮の非核化を検証可能な不可逆的、完全なものにしたい思惑が伝わって今回の突然の米朝首脳会談の中止(summit conference between usa and north korea was canceled)書簡だったと考える。

 (6)米国と北朝鮮の現在の関係を示すトランプ大統領署名による書簡による中止通告であり、米朝の表に出ない外交ルートが首脳会談に向けて思ったほど機能していないことを知らしめたものだ。

 確かにこの状況で6月12日にシンガポールで米朝首脳会談が開催されても具体的で実質的な成果はとても見込めないものだと思わされるものだ。
 トランプ大統領の保護主義一辺倒で国際協調性欠如の政治力、外交力の未熟さ、周到さ不足が垣間見えるもので、パラドックス(paradox)としてこれに乗った米朝首脳会談が念願でもあった北朝鮮金委員長の思惑先行ぶりが結果として米国に手玉にとられた格好となってあらわれた。

 (7)今のところ北朝鮮側の首脳会談再考の意向、低姿勢が伝えられているが、やはり米朝首脳会談実現に向けて時間をかけてでも進むのは間違いない。それだけの米国人3人の解放であり地下核実験場閉鎖行為だったと考える。

 時間をかけることは米国、北朝鮮双方にとって不利益とは思わないし、、双方頭を冷やす効果はある。
 日本としては拉致問題解決の糸口がまた遠のいた感はあり、残念な米朝首脳会談の中止結果だった。

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