いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

あたらしい米国流政治。 new american way of politics

2017-02-14 19:45:29 | 日記
 (1)トランプ大統領が就任早々から大統領令を次々発令して物議をかもしているのは、多分にこれまで政治経験のないこと(批判)をくつがえそうとして肩に力が入り過ぎているのか、あるいはそのまま政治経験のなさが出ているのかのどちらかだろう。

 政権の指名閣僚に対する上院での承認がなかなか進まずに政権基盤が揃わない中で、トランプ大統領が矢継ぎ早に大統領令を発令するのはやはり政治的に拙速とみられてもしかたがないだろう。

 (2)米国は大統領制で絶大な権限が大統領に集中して、ひとり大統領にばかり注目、関心、スポットが集まる、高まる傾向にあるが、トランプ大統領の場合はその異色さからとりわけその傾向が強い。

 しかし、そのトランプ大統領がこれまで政治経験のない大統領として米国の伝統的な自由主義、理想主義理念を顧(かえり)みない、あたらしい政治スタイルがあちこちでこれまた物議、混乱を引き起こしている。

 (3)トランプ大統領の考え、政権の政策方針をブリーフィング(briefing)、コメント、説明する大統領報道官の記者会見は、批判にはトランプ大統領に都合のいい「もうひとつの真実」(alternative fact)でかわして(記者からは、それを嘘というのではと指摘)、トランプ大統領、政権にとって都合の悪い話には答えずに早々に退席(ニュース映像)してしまうという異例さだ。

 その「もうひとつの真実」元祖発言に入国禁止大統領令正当化のために起きてもいない虐殺行為を宣伝してみせたコンウエー大統領顧問が、今度はトランプ大統領の長女のイバンカさんのブランド商品(売り上げが30%減少ー報道)をテレビ出演番組で取り上げて「イバンカの製品を買いに行って」(報道)と発言してまたまた問題となっている。

 (4)トランプ大統領の側近中枢には長女イバンカさんの夫も参加して影響力を示しており、昨年12月末の安倍首相との就任前の会談にはイバンカさんを同席させたりと政治の私物化も懸念されている。

 トランプ大統領のこれまでの政策理念は難民などの入国禁止措置に、内外の企業に米国内に工場を移転させて雇用促進と国内投資をはかるというもので、これまで不動産王として米国経済界で存在感を誇示してきた延長線上の国内経済第一のものだ。

 (5)トランプ大統領はこれまで関係する事業、企業からは撤退を宣言して、さらに事業を廃止するなどの対応はしているが、政権に対する家族、親族ぐるみの関与、影響が懸念されている。

 それが政治経験のなさと相まって起用する大統領報道官の記者会見の未熟さ、不手際となってあらわれており、また大統領顧問の公私混同の大統領長女商売擁護発言となって政治素人ばりの対応ばかりが浮き足だってみえる昨今だ。

 (6)これが「あたらしい米国流政治」(new american way of political)だとすれば、何をかいわんやである。
 本日、安全保障分野を担当する重要側近の大統領補佐官が就任前のロシア側との接触交渉が問題となって早々に辞任した。
 
 トランプ政権の船出は異例づくめで、早々に荒波のなかでの航海だ。

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