4/2付「ヒカルアマランサスはディープスカイ型」で、「Hyperion系の血をクロスすれば叩き合いで頑張りを見せ、Nasrullah系の血をクロスすれば柔らかな斬れを長い直線で爆発させ、Fair Trial系の血をクロスすれば実直に粘る脚質に出る。配合に素直で相手牝馬の特長を引き出すところが、種牡馬タキオンの最も優れた点ではないだろうか」と書いた
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/4e8fceb75d5cd89a14d4beb68f6aacd1
ディープスカイの母アビはSix Crowns≒Carmelize2×2という凄いニアリークロスを持っていて、これはようするにBold RulerとMiss Carmieを通じるNasrullahクロスの増幅だから、そこにやはりBold Ruler系でNasrullah3×4を持つロイヤルスキーを合わせることで、単なるBold Ruler5×5・5というだけでなく、Nasrullahの継続クロスの強力な累進、とみることができる
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005101358/
アグネスフローラやアグネスタキオンのスピードの源は主にロイヤルスキーと考えられるから、タキオンらしい柔らかスピードを表現するにはロイヤルスキーをいじくるのが話は早い。キャプテントゥーレはロイヤルスキー3×4だ
一方で、単調で淡泊で早熟で大レースに強くないとされてきたロイヤルスキーの弱点を克服してこの母子がG1を勝ったのは、オークス馬アグネスレディーが持つ「HyperionとLady Juror」の組み合わせのクロスから底力や地力を受けていたからに他ならない
タキオンにDanzigを入れてBold Rulerをクロスすれば、普通はアイアムカミノマゴのようなマイラーに出るものだが、ディープスカイの祖母の父Key to the MintはRibotにハイインロー(HyperionとSon-in-Lawの組み合わせ)とPrincequilloとWar Admiralが入る最強最重のスタミナ血脈で、ダンシングキイやスズカマンボやカワカミプリンセスやアメリカンボスやトウショウナイトやロイスアンドロイスやエアジパングなどの母系に入る。このKey to the Mintの父Graustarkの母Flower Bowlがハイインロー血脈で、アグネスレディーの「HyperionとLady Juror(父Son-in-Law)」と脈絡している点も見逃せない
たしかにNasrullahの塊のような配合だが、アグネスレディーとKey to the Mintのスタミナならば、東京2400mでもそれを支えることができたわけだ
キャプテントゥーレも母にハイインローが豊富なのでバランスは取れているが、Tudor MinstrelやCourt Martialのクロスをはじめハイインローというよりも「HyperionとFair Trial(Lady Juror)」の組み合わせが多いので、Fair Trial的な粘りと小脚が表に出て、Nasrullah的にタメて斬れるというよりはFair Trial的に先行粘るという脚質に出ている
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102216/
同じようにロイヤルスキーをいじくっていても、ディープスカイはダービーを勝ち、キャプテントゥーレは皐月賞を勝ったのは、配合的には極めて順当なのだ
ちなみにレインボーペガサスは母父デインヒルだからDanzigとHis Majesty(=Graustark)が入る点はディープスカイと同じだが、Nasrullah血脈が弱いぶんディープスカイのようには斬れない。“ジリ脚のディープスカイ”という、やっぱり配合通りのタイプに出ている。目黒記念は距離が少し長いので最後苦しくなったが、あの乗り方は正しいと思う
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005101710/
ジェルミナルはBold RulerとTudor Minstrelのクロスだからこれだけを見ればキャプテントゥーレに近いが、母にハイインロー血脈が5つも入るから、よりHyperion色濃い配合だ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102913/
だいたいBe My Guestが母系に入るとアドマイヤフジやコスモサンビームやウインクリューガーのようにHyperion的に粘るしかなくなるのだから、川田がアドマイヤフジに乗るように乗ればいいのに、と思うわけです