栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

血統クリニック~秋華賞

2013-10-13 17:04:25 | 血統予想

 「Netkeiba.com(PC版)」と携帯スマホの「競馬総合チャンネル」では、「血統クリニック」と題してメインレースの出走予定馬の血統解説をしています
秋華賞はこんな感じです

◆ブラックエンブレム再び
ローブティサージュはアウトサイダー血脈豊富なアウトブリードの父に対し、母がHalo3×4で自身はMr.Prospector3×4とスピードの血のクロスを代々重ねていて、ウォーエンブレム産駒としては最高の配合だとほめてきたし、またHalo的な脚捌きで走るから小回りがベターだとも書いてきた。ブラックエンブレムと血統・鞍上・臨戦過程など重なる部分が多いだけに、ここは狙ってみたい。

◆G1でも重い印が打てる配合
スマートレイアーはレオハスラーなどが出る北米スピード牝系だが、ディープ×ホワイトマズルだからマイラーというよりは1800~2000mが適距離だろう。Alzaoとダンシングブレーヴとグルームダンサーを通じる「LyphardとHalo≒Drone≒Red God」の組み合わせのクロスは面白いし、Burghclere≒Ela-Mana-Mouのニアリークロスがあり牝系からパワーも補強して、G1でも重い印が打てる配合のディープ産駒だ。これもHaloのニアリークロス馬らしい脚捌きで内回りの機動力も十分あると思われるだけに、上がり馬の勢いに一票。◎はこの2頭のどちらかでいきたい。

◆ここで目覚めるかディープの妹
トーセンソレイユはディープインパクトの3/4妹で、きれいな相似配合になっていて父母の能力の高さを受け継いだ。ローズSは道悪で大敗したが馬体増は好感、ネオユニ産駒だから内回りの機動力勝負も歓迎で、前々で立ち回れるようなら穴の魅力。

デニムアンドルビーはトゥザヴィクトリーの姪でトゥザグローリーのイトコ。母はNureyev4×2でNorthern DancerとHyperionが濃く、小柄なディープ牝駒だが斬れだけでなくパワーと粘りと成長力を兼備している。出脚がつかないのだけが問題で、今のインベタ高速馬場の京都で、前走のような競馬でまとめて面倒見れるかどうか。未勝利勝ちの内容から内回りを捲る脚もあるが、緩みないペースで流れて欲しいところ。

ティアーモはキンカメ×サンデー×LyphardでクロスがMill Reef≒Riverman5×4だからローズキングダムに酷似した配合パターンで、前受けで二枚腰を発揮するのもうなづけるが、こちらは牝系のパワーの血も増幅していて渋った馬場をこなすし小回りもきく。前残りの流れなら怖い。

ウリウリはHalo≒Red God3×5・6だから斬れより機動力に長けたヴィルシーナ型。京都内2000mの適性ならばメンバー中屈指で、内枠なら器用さで食い込む余地は十分ある。

メイショウマンボはスプリングマンボ≒ジェイドロバリー2×3のニアリークロスが最高で、その破壊力をオークスで証明したが、「どうみても外回り向きなのに内回りのFレビューをモノの違いで差し切った」というのが桜花賞で◎にした根拠だったから、ここよりエリ女で狙ってみたい。

リラコサージュはブライアンズタイム×Kingmamboだからパワーと粘りで走るタイプで、母母父Haloからは無駄のない脚捌きを受け継ぎ、京都内回りを上手に立ち回れるタイプだ。ヒモ穴に。

エバーブロッサムはエイジアンウインズの3/4妹で体型はデインヒルが強いが、サンデー×ミスプロの組み合わせ特有の柔らかさがオンになっていて、しなやかにストライドを伸ばして走るので東京や外回りがベター。道悪の前走は度外視できるが、内回りのフルゲートで器用な脚が使えるほうではない。

ノボリディアーナのローズSはHペースの前崩れで厳しかったし道悪もマイナスだった。ただ母がフジキセキの全妹で自身はBold RulerとPrincequilloのクロスで、ここから脚長でナスキロ柔い体質を受け継いでおり京都なら外回りがベターだろう。 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋華賞回顧~終わってみれば、カワカミプリンセスが一頭いた

2013-10-13 16:50:39 | 血統予想

京都11R 秋華賞
◎17.ローブティサージュ
○1.スマートレイアー
▲7.トーセンソレイユ
△14.デニムアンドルビー
×6.ウリウリ
◎はヴィクトワールピサの近親で、母プチノワールはアサクサデンエンと同血の間柄で、ミスプロやヘイローなどスピードの血を代々クロスで取り込んでいて、ウォーエンブレム産駒としては最高に近い配合だとほめてきた。母父シングスピールの影響が強くヘイロー的な脚捌きで走るから、外回りのマイルよりも内回りの中距離がベターだとも書いてきたし、血統・鞍上・臨戦過程と、とにかくブラックエンブレムと重なる部分が多いだけに狙ってみたくなる。○はアルザオとダンシングブレーヴとグルームダンサーを通じる「リファールとヘイロー≒ドローン≒レッドゴッド」の組み合わせのクロスが面白いし、これもヘイローのニアリークロスらしい無駄のない脚捌きで、ディープ産駒でもヴィルシーナのように内回りの機動力も十分あるタイプだ。この◎○で買いたい。メイショウマンボは桜花賞で◎にしたように配合はほめてきたが、内回りを器用に差すタイプでもないだろうから、次のエリ女で重い印を回したい。

--------

4角で並びかけてきたデニムアンドルビーとぶつかり合いながらこれを振り切り、その直後を捲り上げてきたスマートレイアーの追い上げも封じ込めて、しかも典型的な前崩れなのにゴールを通過するときの脚色は2~4着馬よりメイショウマンボのほうが良かったほど

わりと混戦模様と言われた世代ですが、終わってみればオークスと秋華賞を完勝、終わってみればカワカミプリンセスが一頭いたのでした

この馬の配合については桜花賞で◎にしたときからほめてきたので、そのへんは下記エントリなどを読んでいただきたいと思いますが、スプリングマンボ≒ジェイドロバリー2×3、Gold Digger≒Bramalea5×5・5、Graustark=His Majesty6・7×5、名繁殖スプリングマンボの名血を強力に増幅することで、G1タイプではないジェイドロバリーが入るという唯一最大の弱点を克服し、二冠を完勝するほどの爆発力と持続力と底力を兼ね備えた名牝が生み出されたのです

 ┌Mr.Prospector
┌Kingmambo
││ ┌Northern Dancer
││┌Nureyev
│││└Special
│└Miesque
スプリングマンボ
│┌Nijinsky
└△

Mr.Prospector
ジェイドロバリー
│ ┌Northern Dancer
│┌Nijinsky
└△
 └Special

「◎メイショウマンボはスズカマンボが父という個性派で、祖母の父ジェイドロバリーが徹底的に底力不足で褒めたことないが、スズカマンボの母スプリングマンボ≒ジェイドロバリーのニアリークロスなので、弱点がニアリークロスによって長所に一変している。私好みの配合で3冠最後は彼女にした」(「ホースレター」より抜粋)

笠シショーにメイショウマンボの配合をほめてもらったのも何か嬉しくて、予想も馬券もダメでしたが、メイショウマンボが世代最強とみんなに認められて、スプリングマンボ≒ジェイドロバリーが世代最強と認められて、いい秋華賞やったと思います(・∀・)

スマートレイアーは対メイショウマンボという点では、機動力や俊敏さでは上だけど持続力や底力では譲るので、もうちょっと中だるみのペースになって欲しかったところですが、しかし緩んだら緩んだで馬群が固まるので外を回らされるロスが大きくなった可能性は高く、まあ出遅れてしまったなかでは最善は尽くしたし力は出し切ったと思います

デニムアンドルビーは今日もやっぱり行き脚がつきませんでしたが、緩みないペースで最後はリボントリコロールやシャトーブランシュまで突っ込んでくる前崩れになり、しかもすぐ前でメイショウマンボが道を開いてくれて、内回り2000mの多頭数で乗りにくいなかでは考えうる理想的なペースと展開になったんじゃないかと

それで4角でマンボに並びかけ、追い比べで突き放されたわけですから、今日のところは完敗と言うしかないでしょう

でもこの馬は母系にHyperion的なバックボーンが強力で、トゥザヴィクトリーもトゥザグローリーも本格化したのは古馬になってからで、しかも角居厩舎ですから現時点で無理して仕上げているとも思えず、古馬になって世代を超えたチャンピオンにのぼり詰める可能性も少なからずあるんじゃないかと

追記:ローブティサージュについて一言とコメント欄にあったのでこちらにも書いておきますが、今日は見ての通り機動力が活きる流れではなかったし、前の組には苦しい展開になったし、まあ仕方ないんじゃないですかね~

たとえばケツまで下げて内に潜って、リラコサージュみたいに乗ったら同じぐらいのところには来たんじゃないかと思ってますが、岩田は出していきながら内に潜るほうを狙ったんだから仕方ないし、それはそれで納得してます

今でもメイショウマンボと同じぐらい配合は素晴らしいと思ってるんですよ(・∀・)

明日も競馬があるので、回顧はこんなもんで…、繰り返しますがいい秋華賞でした(・∀・)

第74回オークス回顧~もちろん配合論の勝利
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/f430c0cdb47daca7fb91745b3ce31cb5

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日曜のボツ予想~高速馬場の下りを転がり落ちてくる母父Unbridled's Song

2013-10-13 09:45:39 | 血統予想

京都1は“平坦替りのコマンズ”ザマンダの単を買ってみようかと(・∀・)前走も芝ダッシュはなかなか軽快でした

東京7は◎プレイアップ
フルーキーと同血の名血好配合で、こちらは牝のぶんよりマイラーに振れてますが1200mはちょっと忙しく、いずれにしてもここらで足踏みする馬ではないはずで、こんなにつくなら単勝を買いたい

アイルランドはシンボリクリスエスにChieftainを入れてボルキロをクロスした◎サトノギャラントが東京2000mベストで逆らえず
「父シンボリクリスエス×レガシーオブストレングス牝系」はこれまで中央に7頭が出走し5頭が勝ち馬となり、全芝成績は[11.6.3.30]ですが、東京芝は[7.2.1.6]、中山芝は[2.1.1.7]
当然絞って買わないとならないので、○レインスティックをくっつけてみます
バクシンオーにサンデーとナスキロを入れてPrincely Giftをクロスして、スプリンターとしての頑強さをすっかり失ってしまった配合ですが、そのぶん1800mぐらいで息を入れて走ると柔く斬れるし、今は折り合いがつくので2000mのスロー=実質1800mぐらいの上がり勝負で持ち味が出せそう
ピュアブリーゼは東京2000mはベスト条件で持続戦に持ち込めば面白いんですが、田辺はやっぱり丁寧に丁寧に乗るんやろうなあ…

鳴滝は◎リメインサイレント
母はサンデー×Deputy Minister×Stage Door Johnny×Olden Times、HaloとNorthern Dancer以外はアウトサイダー血脈ばかりという牝馬で、だからこの馬はわりとホワイトマズルのナスキロ柔さやDrone≒Haloの軽さが表現されていて、このメンバーなら外回りの斬れはむしろ上位ではないかと
ラキシスが素質上位かもしれないですが、この馬はディープ×Storm Catの字面ほどナスキロ柔さは感じないし、母のStorm Bird≒Nijinskyのパワーのほうが強いような、京都外回りでスローになって鋭さで抜けてるイメージでもないんですよね~

壬生は母父Unbridled's Songらしい平坦向きで京都のパンパンベストの◎トーホウアマポーラで堅そう
前走も抜け出しそうな勢いできて、最後の坂で重心が高くなってフワッとしてました
相手が難しいですが、まず今の馬場ならリュンヌやルリニガナより速い○シゲルアセロラの逃げ残り、芦屋川組ではヤマノレオより△ワールンガのほうが血統的に京都で前進がありそう
ラヴァーズポイントはマイネルラヴ×Never Bendの夏スプリンターでソロソロ賞味期限が?

「No.1予想」では秋華賞を、「馬券総合倶楽部」では秋華賞と神奈川新聞杯を予想していますので、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m

コメント (42)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする