栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

先週の雑感・阪神編~ハズレなし「クロフネ×サンデー×チヨダマサコ」「デピュティ≒コリムスキー」

2012-04-03 23:18:57 | 血統予想

阪神11R 大阪杯
◎1.ナカヤマナイト
○6.フェデラリスト
▲9.アーネストリー
△8.ローズキングダム
×2.トーセンジョーダン
◎は母父がアリダー系カコイーシーズで母はトムフール4×5だから、“トムフール的無駄ない捌きのイシノサンデー”というイメージで、斬れるというより捲る脚質だから中山では[2.2.0.0]と高値安定。ちなみにイシノサンデーは皐月賞に勝ち大阪杯ではエアグルーヴ、メジロドーベルの3着だった。アリダーが母父に入るとエアエミネムやダイヤモンドビコーやオースミハルカもそうだが、だいたい小回り向きの機動力に富んだ脚質になるのだ。阪神内2000mで叩き3走目で56キロ、この相手でも◎で狙えるのでは。

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陣営のコメントから▲アーネストリーは逃げたくなさそうだったので、岩田か大野かノリのどれかが意を決して行くんだろうと思ってはいましたが、稍重とはいえ1000m通過65秒2では△トーセンジョーダンのHyperion的持続力を活かした逃げとはいえず、ま~休み明けでテン乗りですからあまり無理もしなかったのでしょう

そしてマーガレットSを見てのとおり外も伸びる馬場だったとはいえ、他の人気どころがインにひしめくなかで最後方からショウナンマイティを大外に持ち出して豪快に追い込んだ浜中の思い切りの良さが光りました

しかしラジオNIKKEIと弥生で◎にして酷い目にあった私としては、んだよ~内回りでも届く脚あるんじゃん…とうなだれるしかなかったですね(^ ^;)

アザレアは▲タムロトップステイが道悪の巧さと母系のスタミナで粘り込みましたが、○アドマイヤフライトと◎アドマイヤバラードはどちらも柔らかくストライドを伸ばして走るので、この馬場で斬れ味を殺がれたところは多分にあったかなと

仲春特別で4勝目をあげたクレバーサンデーはDeputy Minister≒コリムスキー2×3で、前にも書きましたがこの日本でしかできないニアリークロスを持つ馬は中央に3頭が出走してサラトガ(3勝)、ヤマカツマヤリス(1勝)と全て勝ち上がっており、コリムスキーを引く牝馬をお持ちの関係者の方は一考の価値ありの配合ではないかと思いますよ

マーガレットの△シゲルスダチは前走勝ったときも書きましたが、クロフネ×ブライアンズタイム×サンデー×チヨダマサコですから、「ホエールキャプチャ≒ベストクルーズ≒レジネッタ」で書いたのと同じニックスで、Blue Moon=Blue Grotto≒NothirdchanceのクロスをRoberto-Hail to Reasonのクロスで累進したような配合

チヨダマサコ(ラバージョン)
├タレンティドガール(リマンド)
│├エミネントガール(Nashwan)
││└グローバルピース(サンデーサイレンス)
││ ├ドリームセーリング(クロフネ)現役4勝
││ └ホエールキャプチャ(クロフネ)現役4勝
│└サイジングサンデー(サンデーサイレンス)
│ └エトレーヌ(ブライアンズタイム)
│  └シゲルスダチ(クロフネ)現役3勝
└マサコチャン(サンデーサイレンス)
 ├サトノロマネ(クロフネ)現役2勝
 └ベストクルーズ(クロフネ)現役2勝

レオアクティブは今日は折り合いはまあスムーズでしたが、内回りだとこういう競馬になってしまうのは仕方なし
トウケイヘイローはピンナが直線で外に持ち出したそうな素振りもスペースがなくやむなく内へ、そこでも前がカベで追い出しを待たされて、この日はどちらかというと外差し優勢の馬場でもあっただけに3着が精一杯でした

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先週の雑感・中山編~達者な田辺と、キンカメ×Robertoの機動力

2012-04-03 21:46:06 | 血統予想

中山11R ダービー卿CT
◎3.ダイワファルコン
○8.ガルボ
▲12.アプリコットフィズ
△2.ツクバホクトオー
×10.オセアニアボス
注15.リーチザクラウン
ダイワルージュはダイワメジャーの全姉で現阪神JF2着、桜花賞3着のマイラーだった。息子の◎も体型や走法をみると父より母の影響が強く、パワーで加速するから東京より中山向きだし、距離適性も母に近いとするとベストはマイルかもしれない。中山1600mは2戦2勝で、韓国馬事会杯は着差以上の楽勝、未勝利戦ではカリバーンを凄い脚で差しきっている。○も機動力型のマイラーで中山マイルはベスト条件だし、▲も1600mならば◎○と互角の性能を秘めるから、ハンデ戦でも上位人気3頭が強いとみたい。

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ガルボは母がNijinsky≒Far North3×3なので“俊敏なザレマ”と命名して、東京<中山、外回り<内回りの小脚パワー機動力型マイラーだという説を採ってきて(朝日杯の前にもそういうことを書きました)、だから前さえ詰まらなければ阪神内1400mも合わないわけはないんですが、いずれにしても前さえ開けば△オセアニアボスよりは強い馬です

ダイワファルコンと▲アプリコットフィズは中山マイルでゴール前が11.3というレースでは、父ジャングルポケットというのが弱みになったとみるべきか、しかしちょっと食い足りない内容ではありましたね…

山吹は母父Montjeuの◎エタンデールが逃げ切りましたが、この馬のように母系にSadler's Wellsを持つディープインパクト産駒は全17勝すべてを1600m以上であげていて、2000m以上は[8.5.6.28]
ウインドインハーヘアとSadler's Wellsが「Northern Dancer,Turn-to,ハイインロー,Fair Trial」で脈絡するので、両者のスタミナの要素がONになりやすい配合で、だからマイルではいつも4角でズブいパララサルーもマイラーではなく中距離馬だと私は思っています

2着△ブラインドサイドはキンカメ×サンデー×リアルシャダイで、伏竜を勝ったハタノヴァンクールと春風を田辺が絶妙に捌いてもってきたシセイオウジはキンカメ×ブライアンズタイムで、伏竜2着のキングブレイクはキンカメ×サンデー×Kris S.
このようにキンカメにRobertoをもってくるとGold Digger≒BramaleaとNantallah≒NashuaのクロスになるのでKingmanboとRobertoのパワーの要素がONになりやすく、だからフィフスペトルカウアイレーンなんかもそうですが中山向きの機動力が増すのです

そして今さらですが土日の中山を観ていて改めて感心したのが田辺の達者ぶりで、道中は折り合いとコース取りに全くロスがなく、直線は一頭分しか開いてない、そこしかないというところを的確に抜けてきます
リーチザクラウンだってケンカせずにフワッと行かせて、最後は止まりましたが次に繋がりそうな競馬はさせてましたよ
もうこの人に足りないのは、経験とそれに基づく戦略だけじゃないですか

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ドバイ国際競走雑感~黒いAWを駆ける、Sir Ivor≒Drone≒Halo≒Red Godの機動力

2012-04-03 10:58:13 | 血統予想

ドバイワールドCを勝ったのは昨年3着のMonterossoでした

Monterossoの父Dubawiの父Dubai MillenniumはドバイワールドCなど10戦9勝の名馬で、Mr.ProspectorにBuckpasserとNorthern Dancerとナスキロと、そしてMiesqueと並び称される“ハイインローの女王”Fall Aspenが入るという誰がみてもパーフェクトな配合で、一世代だけの産駒を遺しての早死にが惜しまれる名血でもあります

ちなみにDubai Millenniumとティンバーカントリーは3/4近くが同血なのですが、クロスの違い、Tom Fool4×5とSwaps4×3の違いがキャラの違いにハッキリ出てますな~
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a00035e/

そして息子のDubawiは、Northern Dancer、Raise a Native、Sir Ivor≒Droneなど父の主要な血をキッチリとクロスしていて、早逝した天才が残した自信作、というべき相似配合になっています
http://www.pedigreequery.com/monterosso5

2着のかっぽう着じゃなくてCapponiはMachiavellianの孫でHalo≒Red God4・5×3、そしてヴィクトワールピサはネオユニ×MachiavellianでHalo3×4
http://www.pedigreequery.com/capponi

4角で抜群の手応えでCapponiの直後に取り付くときのMonterossoの脚、あの機動力はたしかにヴィクトワールピサとも通じるものがあり、メイダンのAW2000mの大レースを勝つのに最も必要なものは、Sir Ivor≒Drone≒Halo≒Red God(+ミスプロ)的な機動力あるスピードなのかもしれない…と

ヴィクトワールピサもレッドディザイアも東京ではブエナビスタにズバッと差しきられてしまうけれど、中山や京都内回りでは機動力にモノを言わせてブエナの猛追を封じてG1を手中に収めたわけで、AWって脚質的にはそういうタイプが合ってるんじゃないか…という気も去年からしています

シーマクラシックはCirrus des AiglesSt Nicholas Abbeyの叩き合いで、ちょっとタフな芝での2400mは欧州勢強しという結果でした

デューティフリーを逃げ切ったCityscapeはSharpen UpとNashwanとLyphardとDanzigですからいかにも粘着力型の欧州風味のマイラー血統ですが、Red God≒Sir Ivor5×5・5と母のナスキロクロスで軽さや柔らかさも出しているという配合
http://www.pedigreequery.com/cityscape

ゴドルフィンマイルを勝ったAfrican StoryはNorthern DancerとナスキロとハイインローとTom Foolを使った手堅い相似配合で、NureyevとTom Foolが走ってるような馬で、たぶん父父Polar FalconもNureyevとTom Foolが走ってるような馬だったのでしょう
http://www.pedigreequery.com/african+story

ゴールデンシャヒーンの勝ち馬Krypton FactorはPolar Falcon3×2だし、アルゴスプリント2着Sole Powerは父父父がPolar Falconで、マイル以下ではこの血を持つ馬の活躍がやけに目立ちましたね~
http://www.pedigreequery.com/krypton+factor
http://www.pedigreequery.com/sole+power

UAEダービーのDaddy Long Legsは父Scat DaddyがMr.Prospector4×2にStorm Bird≒Nijinsky4×3で、母母Sparrow LakeもNasrullah≒Royal Charger4×4ですが、母父MeadowlakeだけはノンNearcoで北米アウトサイダー血脈で固めていて、この緊張と緩和のリズムが見事な配合
http://www.pedigreequery.com/daddy+long+legs3

あとあの黒いAWは黒鹿毛馬の走りが見にくいので、もうちょっと色を考えて欲しいなあ…とも

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