中隆の山遊記

登山、山スキー、沢、食べ物(特に日本ワイン、麺類、ご当地料理)等の趣味を随時更新

黒法師岳

2015-11-21 02:25:17 | 南アルプス

★2015年11月21日(土)~22日(日)

 

◆目的地:黒法師岳(南アルプス深南部、 2,067m)   ※寸又温泉を起点に周回

◆メンバー:M松さん、O川君、中隆

◆コースタイム:【1日目】6:40寸又温泉駐車場~8:45栗の木段~11:05前黒法師岳11:25~12:25ヘリポート12:45~15:17黒法師岳15:30~16:15黒バラ平(黒バラのコル)(テン場)

【2日目】6:05テン場~6:35黒バラの頭6:50~8:06房小山8:20~10:29鋸山10:40~11:10千石沢分岐~11:45林道分岐~12:55山犬段13:33~14:30板取山~16:10沢口山16:25~17:38駐車場

◆天気:【1日目】晴れ

     【2日目】曇り後時々晴れ

 

(ヘリポートにて黒法師岳をバックに)

 

【概要】

【1日目】

・南アルプス深南部の黒法師岳や黒バラ平は、

古い「岳人」で黒バラ平でのテント泊の記事を読み、いつかは行きたいと思っていた。

・さらに、岳人2012年11月合やhitoshiさんの黒法師岳山行記録によって、

その思いは強くなっていた。

・しかし、夏は山ヒルがいて、12月になると積雪も予想されるので、時期が限られるのが深南部。

・今回、1日目は寸又温泉から、前黒法師岳経由で黒法師岳に向かい黒バラ平でテント泊。

・2日目は、房子山から犬伏段経由で寸又温泉を周回するという結構ハードなコースにチャレンジ。

・黒法師岳の手前のヘリポート周辺は笹原が広がり、

非常に良い雰囲気だった。水場があればここに泊まるのも良いだろう。

・昭文社の地図では前黒法師岳までは実践、黒法師岳から先は波線であるが、

一般の波線とは違いかなり難度が高いと思った。

・特に黒法師岳の最後の登りは、人の背ほどある笹をかきわけ、

道なき道を進むことになり結構大変である。

・黒バラ平到着は少し暗くなってしまい、

さらにガスも出てきてしまったので、絶景を存分に堪能することはできなかった。

 

【2日目】

・朝6時に少し明るくなったところでヘッドランプをつけてスタート。

・黒バラの頭までが本日1地番の急登。朝一にはきつかった。

・黒バラの頭からは基本稜線通しだが、途中1,2回ルートを外れてしまった。反省。

・天気はイマイチだったが、笹原の歩くのは気持ち良かった。

・千石沢を下って林道で犬伏段に向かうか、このまま稜線を通って犬伏段に行くか迷ったが、

時間がないので林道経由に変更。結果としてこれが正解だった。

・犬伏段からも結構距離があり、沢口山の下りでヘッドランプをつけることになった。

・久しぶりの約12時間行動で、正直疲れました。でも満足感は大です。

 

【山行記録】

【1日目】

朝3時、道の駅「富士川」に集合。

今回が初参加のO川君の車で寸又温泉に向かう。

3時間ちょっとで寸又温泉着。駐車場は温泉街の一番奥の登山道入口近くである。

(寸又温泉駐車場) 

 

駐車場からは右岸林道を進み、登山届提出のポスト先から尾根に取り付く。

 

最初からの登りから結構な登りである。

 

尾根絡みで高度を稼ぐと林道と交差する。

交差地点はちょっとした広場になっていて廃屋がある。

寸又三山の朝日山の眺めも良い。

(朝日山)

 

広場から左に少し進むと尾根への取り付きがある。

ちょっと行くと少し平らになったところがあり、そこが栗の木段である。

 

(栗の木段付近)

 

その先は、シラビソの大木や木肌がツルツルのヒメシャラがある林を進む。

(ヒメシャラ)

 

 

前法師岳への登りにはイワカガミの群生地がある。

名前の通り葉っぱが鑑のように光っていた。

また、この辺りは湿気が多いのか、苔むした所が多かった。

  

前黒法師岳到着。

展望はさほど良くないが、明日縦走する犬伏段から沢口山の稜線が見える。

 

さあ、これからが核心部分。

前黒法師岳を下ると今は閉鎖されている林道に合流。

この周辺からは笹原が出てきて、頭の中でのイメージの「深南部」らしくなってきた。

(廃林道を進む。後ろは前黒法師岳)

 

(林道横の小高い大地)

 

ヘリポート到着。

広々としていてまさにヘリポートである。

南北の景色は素晴らしく、

久しぶりの山行で足も悲鳴を上げていたので、

水場さえあればここで泊まりたかった。

(ヘリポート)

 

(ヘリポート。後ろは黒法師岳)

 

(上の写真の右側。左が丸盆岳。右奥に光岳、聖岳)

 

ここから黒法師岳への急登までの笹原は身の丈ほどあり、

笹の下に倒木があり何度も足が引っかかった。

(正面が黒法師岳)

 

(正面が黒法師岳。左の平らなところが黒バラ平)

 

(富士山)

 

最後の黒法師岳への登りも身の丈の笹藪であり、

さらに結構な急登であり、ルートもなく、最後に試練が待っていた。

(顔しか見えません)

 

何とか黒法師岳到着。

ここには三角点マニアには垂涎の的である変形(×印)の一等三角点もある。

(変形三角点。「+」ではなく、「×」)

 

黒法師岳から黒バラ平に向かい少し歩くと丸盆岳への分岐になり、丸盆岳方面がよく見える。

戸中川林道を起点に丸盆岳や不動岳を周回するのも楽しそうである。

(右手前が丸盆岳)

 

本来はここから黒バラ平が見下ろせるが、ガスが流れてきていて眺望がきかず残念である。

黒法師岳からの下りも笹原でよく滑った(O川君は特に滑っていた)。

 

結構ヘトヘトで黒バラ平に到着。

水場は黒バラの頭から降りたすぐのコルの南側にある。

テン場はその少し手前とした。

3組がテントを張っていた。

(この手前が水場のコル。水場のコルにはテントを張るスペースはない)

 

少し暗くなっていたので、テントを張る前に水を汲みに行く。

水場のコルから3分ほど下ると水が出ていた。非常に美味しい水だった。

食事と明日の飲料用で、1人水を4㍑汲む。

(非常に美味しい水だった)

 

テン場は設営してから、ビールで乾杯。

今回の料理は、

①昨日仕込んでおいた浅漬け、

②えび、マッシュルーム、シイタケ、エリンギのアヒージョ

(残ったオリーブオイルもバケットにつけて、全部たいらげる)。

③メインの、牛モツ鍋(牛モツ、豚のバラ肉少々、キャベツ、モヤシ、

ネギ、ニラ、ニンニク、唐辛子)

福岡で食べたモツ鍋と同じくらい美味しかった。

(その前の日曜日にアヒージョとモツ鍋は練習済み)

(もつ鍋)

 

ワインは、フジクレールのメルロー。国産ワインコンクールで銀賞の逸品である。

M松さんは日本酒、O川君はウイスキーを持ってきた。

 

テントの下は笹が天然のクッションの役割を果たし、気持ちよく爆睡できた。

 

 

【2日目】

朝食は、昨日のモツ鍋の汁に昨日の〆に食べなかったうどんを入れ、餅を加える。 

4時に起床したときは星空だったが、6時にスタートする頃はガスってきた。

 

朝一番から黒バラの頭までの急登である。

この辺は地図上登山道になっていないの、道はなく薄い踏み跡があるだけである。

(黒バラの頭の登りの上部。後ろは黒法師岳)

 

1ピッチで黒バラの頭に到着。

本来なら素晴らしい景色が見られるが今日はガスで駄目である。

 

ここからは尾根通しに笹原を進むことになる。

少し行くと本邦2000m最南端地点に着く。「ふーん」という感じである。

 

その先も笹原の踏み跡らしきものをトレースするが、途中で消えたりするので、

地図とコンパスを頼りに進み、またトレース跡に合流という感じである。

 

現在地の把握が少し甘く、途中で2回違う尾根に入ってしまったが、

2人のYAMAP(スマホGPS)のお助けがあり早期に間違いに気付けた。反省。

1回は少し古い赤テープを信じて進んでしまい往復15分くらいのロス。

もう1回は、違う尾根に入りそうになり、

YAMAP隊に「違いますよー」と指摘され事なきを得た。

 

房子山到着。

 

更に笹原を進む。

時々鹿の鳴き声が聞こえる。

 

千石平の分岐点に到着。

千石沢を下り、南赤石林道で犬伏段に行くか、このまま尾根通しで犬伏段に行くか迷う。

この先も長いので約1時間でも時間を短縮することにし、

千石沢を下るルートをとることにする。

(尾根通しのコースをとっていたら、寸又温泉到着は早くても19時だっただろう)

(千石沢の登り口、林道との合流点)

 

林道は所々崩壊していたが、歩くのには特に支障はない。

(崩壊場所以外は普通の歩きやすい林道)

 

(左の奥が黒法師岳。昨日はあちら側にいたのか・・・・)

 

林道を約1時間歩き、犬伏段に到着。疲れた。

犬伏段の休憩小屋は非常に立派である。

 

O川君を少し待つ間、味噌ラーメンを作る。

味噌が五臓六腑にしみわたり、疲れた体に元気が戻ってくる。

 

犬伏段からは1kmぐらい舗装路を進む。

尾根道とトラバース道が分岐していたが、

少しでも時間を短縮するためトラバース道を進む。

途中登山者に会い、寸又温泉まで行くと言うと、結構距離ありますよと脅かされた。

しかし、行くしかないのです。

コースタイムであれば、寸又温泉に19時くらいに到着だが、

頑張って18時を目標に先を急ぐ。

 

板取山、天水と越え、沢口山に到着。

(沢口山の頂上)

 

(沢口山からの下りの途中)

 

やはり普通の登山道は歩きやすく、結構コースタイムを短縮できた。

このままで行けば18時着は達成きそうである。

 

沢口山からを少し下ると暗くなるのでヘッドランプをつける。

最後は暗闇の中道を間違えないよう細心の注意を払いながらも急ぐ。

 

沢口山登山口到着。

駐車場までの100mを歩いて今回の山行は終了。

 

しかし、駐車場に着くと、

なんと、O川君の愛車の室内灯がついているではないですか。

エンジンをかけると不発。どうするか。

少ししてもう一度エンジンをかけるとなんとかかるじゃないですか。

助かった。

 

町営のお風呂は時間切れだったので、

「手造りの店 さとう」でお蕎麦を食べた後、求夢荘でお風呂に入った。

お風呂は400円、設備は古いが泉質は良かった。

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