私は「昭和」について色々語りたくなることがあるのですが、それを聞かされる若い人は、私が若いときに大正や明治について聞かされたときに感じた「それは昔の話だろ」という感覚を味わっているのでしょうね。
【ただいま読書中】『バベルの図書館』つばな 作、太田出版、2014年、638円(税別)
「語られなかった言葉」「書かれなかった文字」がもしも「存在」していたら? そんな不思議な発想から生まれた漫画のようです。
「眼光紙背に徹する」が極端な形で能力化した少年と、聞こえる音あるいは聞こえない音から別の世界を聞き取る少女。二人の出会い(あるいはすれ違い)によって起きたこと/起きなかったこと。
書かれなかったのに紙の上に浮かび上がる文字、目の前にいないのにいる人、起きたのに起きなかった事件……メルヘンチックな絵柄なのに、なんだかちょっぴり重たい題材、そのギャップに私は思わず萌えてしまいそうです。
ちょっと変わった漫画家に出会えました。小さな幸福。