【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

ダイエット

2019-05-16 06:32:20 | Weblog

 ダイエットに夢中の人は多いようですが、体重の数字の増減と、その人の可愛らしさ(あるいは美しさ)の指標は連動(あるいは逆連動)しているのでしょうか? 

【ただいま読書中】『懐かしい未来 ──オデッセイ思考』谷口正次 著、 東洋経済新報社、2018年、1500円(税別)

 未来を読むことを「先を読む」と言います。ところが「先日」「先人」の「先」は過去のこと。では、過去をしっかり読んだら未来のことがわかるのではないか、という逆転の発想から書かれたのが本書です。
 「イブはアダムの肋骨から作られた」という記述に対する違和感から、著者は旧訳聖書に強い影響を与えているシュメール語の記述を調べ「あばら骨の女」に相当するシュメール語の音価が「Nin-Ti」であることを知ります。「Nin」は「婦人」ですが「Ti」は「肋骨」と同時に「命あるもの」という意味も有し、「Nin-Ti」は「地母神」的な意味なのです。ところがこれは多神教の世界ではふつうの発想ですが、一神教の世界では都合が悪い。そこでイブは「地母神」から「あばら骨から作られた女」に“誤訳"されたのではないか、が著者の推測です。
 「自由」ということばを初めて記録に残したのは、紀元前2358〜2350年に在位したシュメール時代の都市国家ラガシュの王ウルカギナです。彼は楔形文字で書いた『社会改革論』に「自由」「人間らしさ」を記述し、世界で初めて減税による社会改革を実行しています。もっとも政権は短命でしたが。
 青銅器文明や鉄器文明で重要な資源は、鉱石と木炭です。金属の精錬には驚くほど大量の木炭が必要です。だから古代文明では森林伐採が盛んに行われました。そして皮肉にも、森林伐採で発展した文明は、環境破壊によって滅亡することになります。ミノア、インダス、ヒッタイト、ミケーネ……例は数多くあります。そしてそれがスケールアップされたのが、現在の「地球温暖化」なのでしょう。過去から学ぶ人間は、未来に対して危機感を持つ必要があります。自分が快適なら人類が滅亡してもかまわない、というのなら話は別ですが。