ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

『大豆田とわ子と三人の元夫』というドラマをめぐって考えを巡らせたこと

2021-05-31 23:04:07 | エッセイ
 フジテレビ系で火曜日午後9時から放映中の『大豆田とわ子と三人の元夫』というドラマが面白くて、放映のたびにくぎ付けになって観ている。【松たか子の品格、稀有なドラマ】 松たか子だからこそ成り立っているドラマだと思う。品格の問題である。松田龍平という役者もどう言えばいいのだろう、繊細だけれども確実な存在感がある。この二人がいれば、それでドラマが成り立ち、お互いが魅かれ合ってそれでお終いとなるところだが . . . 本文を読む

おかえりモネ 森は海の恋人のこと 森川海空の連環の完成

2021-05-28 09:54:48 | エッセイ
 5月26日(水)放送の山のシーン。地元の小学生の野外体験の様子、実際に一本の杉の間伐を見せていた。子役の子一名と、他はエキストラの地元の小学生であろうが、おお、と目を見張っている様子、これは演技ではなく、実際にチェーンソーで木を切り倒すありさまを見るというのは、都会のみでなく、地元の子どもたちの人生において大きな体験だろうなと思わされた。 その後、広葉樹の植樹体験を行う。林業組合の課長役の浜野謙 . . . 本文を読む

おかえりモネ ジャズ喫茶のこと

2021-05-27 21:52:14 | エッセイ
 5月26日の放送は、冒頭、ジャズ喫茶であった。敷地入り口の木製の看板に“Swifty”と店名。父親の昔のワル仲間(とは言っても、いわゆるヤンキー系の不良ではない)、といった人物がマスターの、登米市内の設定と思われるジャズ喫茶。木材を活かした茶色の内装、膨大な量のレコード(もちろんモノログのLP)が壁を埋め、古いサックスを利用してライトスタンドにして、ひげ面で生成りのシャツ . . . 本文を読む

野村直樹・斎藤環編 オープンダイアローグの実践 N:ナラティブとケア第8号 遠見書房

2021-05-26 21:45:09 | エッセイ オープンダイアローグ
 発行元の遠見書房は、HPを見ると、「心と社会の学術書・専門図書を中心に…2008年末に創立した出版社」であり、「臨床心理学や精神医学、福祉学を中心とした、実践家に役立つ本と、その周縁にある「人間って何だろう?」という問いを命題に孕んでいる学際領域の本と、この二つのスペクトラムのなかで、しっかりとした本づくりを目指しています」とある。その志の方向と高さは、私としても注目していくべき出 . . . 本文を読む

色々な空 2021

2021-05-24 22:27:00 | 月刊ココア共和国 投稿詩
青い空空っぽの空充満した空鉛色の空喜びが翔ける空悲しみが舞う空苦しみが覆う空気晴らしが墜ちる空いずれにしろ空は広い空漠と広い蒼や朱や濃紺の色あいで虚空は果てが無い自由と放縦重圧と飛翔闘争と逃走 . . . 本文を読む

田中さとみ ノトーリアス グリン ピース、 山崎修平 ダンスする食う寝る 思潮社

2021-05-19 16:02:03 | エッセイ
 このお二人の名前を知ったのは、マーサ・ナカムラ氏の母上から送っていただいた同人誌「zuiko」第2号を拝見したときである。 母上は気仙沼出身で、私とは祖母同士が姉妹で、うんぬんという経緯は、ここでは脇道となる。 現代詩手帖のこの2月号が小特集「マーサ・ナカムラの世界」で、このブログでも紹介したところだが、お二人とマーサさんの対談が掲載されていた。この3人が、「zuiko」を立ち上げた仲間というこ . . . 本文を読む

森川すいめい 感じるオープンダイアローグ 講談社現代新書

2021-05-12 20:56:55 | エッセイ オープンダイアローグ
 森川すいめい氏は、1973年生まれの精神科医。鍼灸師でもあるという。 ブック・カバーの裏に小さな顔写真がある。めがねをかけた細面の優男で、一般的な医師のイメージとはかけ離れているかもしれない。どこか弱さと優しさを感じさせる。威圧感がない。文章を読んでも、何だろう、権力的な感じがない。この威圧感のなさは、精神科の医師として、実は、他の誰もが求めることのできない優位点であるかもしれない。 経歴を読ん . . . 本文を読む

松本俊彦 誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論 みすず書房

2021-05-09 10:51:44 | エッセイ
 松本俊彦氏は,精神科医。1967年生まれ、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部長とのこと。 この書物は、今年の4月1日に初版発行であるから出版されたばかりである。著者の肩書きはお堅いものであるが、イタリア車・アルファロメオのオーナーで、レゲエのファンらしい。フェイズブックを見るとなかなかの男前である。タイトルは,ヘミングウェイの小説のパロディでもあり、サブカルチャー方面の話 . . . 本文を読む

小野寺 由果 × 茂木 絢水 二人展 泡沫 ーうたかたー at うつわと喫茶nagame

2021-05-06 22:29:12 | Weblog
5/5にお邪魔しました。 見事な書です。 ご両人はお出ででありませんでしたが、小野寺さんのお母さんと、茂木さんのご両親と、たまたまお会いできました。5/16までとのこと。うつわと喫茶nagame⚫︎営業時間11:00〜17:00(l.o16:30)⚫︎定休日木金 . . . 本文を読む

信田さよ子 家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ 角川新書

2021-05-02 12:58:51 | エッセイ
 信田さよ子氏は、臨床心理士・公認心理師で、原宿カウンセリングセンター所長。お茶の水女子大から大学院で心理学を学び、臨床心理家、開業カウンセラーとしては長く第一人者の場を占めている方である。AC(アダルトチルドレン)の概念の日本への紹介者ともいうべきであり、著書も多数に上る。 まえがきは、「母の増殖が止まらない」とサブタイトルが付されている。 「これまで筆者は『愛情という名の支配』『共依存』といた . . . 本文を読む