ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

やまうちあつし 思い出す ブイツーソリューション

2020-02-27 23:51:25 | エッセイ
 宮城県詩人会のやまうちあつしさんの詩集。昨年11月10日刊。 やまうちさんは、人あたりよく温厚でやさしく仕事もそつなくこなす印象で、私としても信頼がおける好ましい人物である。 とかいうと、詩人としては、誉め言葉になっていないみたいにも捉えられるかもしれない。無頼の大酒のみで女にもだらしない、みたいなほうが優れた詩人みたいなイメージかもしれない。まあ、そういう大詩人も確かにいたということではある。 . . . 本文を読む

柿木 伸之 ヴァルター・ベンヤミン― 闇を歩く批評  岩波新書

2020-02-27 00:05:22 | エッセイ
 柿木氏は、1970年生まれ、上智大学、同大学院で哲学を学び、現在広島市立大学国際学部の教授とのこと。 ある時代には、年下の男性の書くものは、あんまり読まなくてもいいな、と思っていたが、いつのまにか、すんなりと読めるようになってしまった。國分功一郎とか、ああ、東浩紀とか、そうそう、大沢真幸、齋藤環だって二つ年下だ。学ぶべきことを学んだ学者には、学ぶべきことが多い。今になってみると、逆に年上の思想家 . . . 本文を読む

法治国家としての日本は崩壊の危機にあるのか?

2020-02-22 11:47:40 | エッセイ
 どうにも悲しい話題が続く。 私たちが若いころには、歴史は進歩すると期待していたものだ。その当時は悲惨なことがまだ世界に多々残っているけれども、ゆくゆくはその悲惨な状況は改善されると信じていた。悲惨なことはすべて解決して、人類すべてが幸福な暮らしを営めるようになる、とまでは思わなくとも、少なくとも、牛歩のごとくであっても、世の中は改善していく、進歩していく、基本的人権がもっと尊重される社会が実現し . . . 本文を読む

「外貨を稼ぐ」? (2020・2.6三陸新報への投稿)

2020-02-09 11:01:26 | エッセイ
※2月6日(木)、三陸新報に投稿として掲載いただいたもの。 気仙沼市役所の新庁舎建設場所が、「旧気仙沼市立病院跡地」とすると決まったようだ。三陸新報にも掲載されているが、市のHPにも市長記者会見資料として掲載されている。https://www.kesennuma.miyagi.jp/sec/s002/020/030/050/010/100/010/2020-01-28_zaisei.pdf 私自身 . . . 本文を読む

霧笛132号 編集後記

2020-02-05 22:29:49 | 霧笛編集後記
◆十一月十五日(金)古町シーキャンドルにて、年に一度の朗読会。西城、東吉、正典、せつえ、良子、遊人、洋甫、千田が参加。ゲストに、高橋昭次と店主後藤氏が各々ギター弾き語りで。あくまで内輪の行事であるが、観客は二名。高橋は気仙沼ロック界の大御所、レゲエ、ブギと昔の曲を演奏。年輪を重ねた渋い歌、こんな小さな町にも現代日本芸術文化の蓄積はある。この声、歌の心地よさ。十代から六五歳までギターを弾いて歌って生 . . . 本文を読む

詩の一行は

2020-02-05 22:17:55 | 2015年4月以降の詩
詩の一行は神の恩寵である心を尽くして求め与えられる奇蹟のように出会い生成する海辺の苫屋の窓に金色の絵具で書き記すガラスの向こうに海と岬とがある求めて与えられる求めずして与えられず文字を描くことをせずに言葉を書くことはできないかたちを描くことなしに意味を書くことはできない空気を震せることなしに言葉を語ることはできない私の肉体において書くことが生成する私の肉体において語ることが成就するたとえば海が光っ . . . 本文を読む