ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

即興の

2012-06-17 00:36:55 | 震災後
思い立ってすぐ 語り出す 青い空は青い 緑の森は緑 紺碧の海は紺碧 白い雲は白い 辛いものは辛い 香るものは香る 甘いものは甘い 美味いものは美味い 語られた言葉は失われることがない 忘れられても失われるわけではない そこにある そこに残っている そこのそこに おくそこに 深い闇のそこに 忘れきったおくそこの閉じ込められたそのそこに ある日 湧き出でる泉水のように 柔らかな乳白 . . . 本文を読む
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1メートルの低下

2012-06-14 23:40:36 | 震災後
土を盛る 華やかにデコレートする 土色の土を盛る アスファルトで塗りたくる 全般に低下しているから 多少一部を盛っても追いつかない お目々ぱっちり まつげどっきり くちもとげんなり 夜暗いときに通ると 目測の助けになるものがひとつもないので つい踏み外しそうになる ような気がして怖い とドライバーは証言する 街路灯がない 不要な交差点に信号機は随分復活しているのに でもね 抜け道にはなる . . . 本文を読む
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焼け跡は

2012-06-13 23:56:29 | 震災後
だだっぴろい焼け跡は 明るかった という 何もないところに 希望があった 拡がって見通しのいい 流された跡は たくさんの歴史が 失われた富が 見えすぎる のかもしれない . . . 本文を読む
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飛ぶ夢

2012-06-07 22:48:21 | 震災後
飛ぶ夢を しばらく見ていない 気分良くすいすいと ドライブする ことをすっかり忘れてしまった 低く低く地べたを這いつくばって 鳥瞰する視点を失って むしろ穴を掘って ぬくぬくと生暖かい穴の中にうずくまって そのままいつまでも眠り続けて 未来永劫眠り続けて さて すっと立ちあがって 遠くを見据えて 見とおして 地面を蹴る 跳びあがる 空を飛ぶ 夢を見る . . . 本文を読む
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記録と記憶

2012-06-05 23:21:49 | 震災後
メモしておけば役に立つ ことは知っている ばらばらに 読み流した 順序立てない記憶 どこかで 泉が湧きでるように いつか 絶え間なく 言葉が紡ぎだされる だろう そんな虫のいい目論見 結構信じている その力を どこかに深く 簡単に読み解けるわけではなく 仕舞いこまれている 一言一句違わずに とも言われる 一種の神話 だな . . . 本文を読む
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風だとか

2012-05-17 23:58:55 | 震災後
風だとか 建築だとか 路上だとか それらの都会の風物は いつも悲しい 悲しいが 確固としている 曖昧なところはない 多くのひとがいるはずなのに だれ一人としてそこにはいない ように見える 悲しいが 悲惨ではない 悲しいが 涙ぐむわけでもない 屹立した 孤絶の風貌 ターミナルの群衆のさなかに 暗いマントをはおった暗い人影 上野駅の正面の改札付近 東京や新宿やまして横浜ではない 風が吹 . . . 本文を読む
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斜線

2012-05-14 22:51:50 | 震災後
わたしは 斜線である 斜に構えて 女を見る 好ましく見えているか 厭わしく観じられるか どちらでもよい 見ていることを見られている斜線 区分線 そこに何かある 何か良く分からないが 何かがある すっと引かれた斜線 吸引する裂け目 鏡を見てはじめて 何ものかであると 気づく むしろ 想像する その前は 無限定な 無 幅のない斜線 . . . 本文を読む
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悲哀

2012-05-14 21:06:01 | 震災後
とりたてて 悲しいことがある わけではない つらいこと 苦しいこと 我慢できないこと 耐えられないこと 泣きたいことがある わけではない 無為に過ごす休日 目覚めて寝床で本を読み 眠り 目覚めてトーストを焼いて食し 歯を磨いて本を読み 眠り 起き出して 車を出して カフェでコーヒーを飲み 本を読み そばを喰って本を読み 帰宅して本を読み メールをチェックして ネットをチェックして 軽く食事し . . . 本文を読む
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ときおり

2012-05-01 21:12:11 | 震災後
ときおり ひとがひとでなくなるような そんな瞬間が 訪れる 桜の咲く季節 だからというのでなく ひとがひとである そんな理想郷 ひとが鬼である そんな日常 いやいやどちらにしろ それらは レトリック ひとは鬼となる縁がなければ鬼とはならない ひととなる縁がなければひととなることはできない ひとは ビルの屋上から飛び降りることができる ナイフでひとを刺すことができる 言葉でひとを貶めること . . . 本文を読む
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自転車操業

2012-04-30 23:05:30 | 震災後
自転車で突っ走っているひとは 脚を緩めることができない 止めればぶっ倒れる ブレーキのない 空まわしのできない 競技用自転車 ぼくらの社会は 競技用自転車のようなものなのか? それとも ブレーキも効いて 空まわしもできる 安全な普通の自転車なのか? ぼくらの経済は 休みなく ペダルを踏み続けなければ 立ちゆかないのか? 時には脚を休め 時にはゆっくりと回し そして時には思い切り疾走すること . . . 本文を読む
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人間とは

2012-04-29 23:19:56 | 震災後
    明るいもの 清々しいもの 瑞々しいもの そういうモノに 私はなりたい . . . 本文を読む
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夢はいつか醒める

2012-04-19 23:52:06 | 震災後
夢をみる 夢はいつか叶い 夢であることをやめる 別の夢は 叶うことなく いつか忘れられる いくつかの夢は いつまでも叶うことなく いつまでも 夢であり続ける 儚い夢や 現実的な夢や 永遠の夢 そして いつのまにか 少しづつ 姿を変えてしまう夢 中には 悪夢に転落する夢も ある 神の使いが悪魔に身を落とすように . . . 本文を読む
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ぼくらの夢

2012-04-16 00:41:47 | 震災後
街に 灯りがともる こんなにも 多くの 灯りがともる 発電所から 送電線を伝わって 送られた電気が あたたかな灯りとなって 街を照らす ひとびとを明るくする 電気は 希望だ 成長の原動機だ 生存のインフラストラクチャーだ 電気がなくて ぼくらは生き延びることができない 電気がなくても ぼくらは生き延びることができる 木の実を採集して 獣を狩猟して 田畑を耕して 電気がなくて ぼくらは生 . . . 本文を読む
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私は何を

2012-04-09 23:38:29 | 震災後
静かに 月の光が 蛇行する川面に映り 眼下を横切る川の流れが 折れて また折れて もう少し下流の大橋の向こうで 月と私を結ぶ線のしたを 直行し 川幅いっぱいに 光を映し ところどころに 街路灯が光る 暗い地上に 一面静かに光る川面が 浮かぶ 私は暗い庭から きらきらと 細かな月の光を映す もう少し下流の 川面を見下ろす 南天には 満月からもう少し欠けた月 薄曇りなのか 星は ほとんど見え . . . 本文を読む
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カモミールとミント

2012-03-18 00:24:22 | 震災後
カモミール・ティーは 飲んですぐ眠くなる薬 ではないが 穏やかに深い 良質の眠りをもたらす カモミールとミントの交合 昔 さるシンガー・ソングライターが さるシンガーのデビュー曲として さる美しいUSのシンガーを聴く という趣旨の曲を作ったが あの曲のジャスミン・ティーは 眠気を誘う ことになっている 普通のジャスミン・ティーは カフェインたっぷりのティーなので むしろ眠気を払うはず . . . 本文を読む
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