ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

夜九時のソネット

2015-01-31 14:17:35 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)
冷たく澄んだ星空に オルゴオルが鳴響く 明日もまた幸せな日がやってくるよう 火のもとに気をつけておやすみなさい   女のこえはしとやかに 太郎の屋根と 次郎の屋根と そのしたのだんらんに   語りかけ時を知らせ ひと部屋の灯を豆電球の薄明りに変え にぎやかな笑いを健やかな寝息に変え   今日このごろは 我が家の太郎も寝どこのなか 何ごと . . . 本文を読む

1月30日(金)のつぶやき

2015-01-31 01:14:42 | つぶやきまとめ
 千田基嗣 @motochida 22:24 薄明 goo.gl/oHvOUp from gooBlog返信 リツイート お気に入り  千田基嗣 @motochida 22:59 詩集湾Ⅱは、「薄明」の次が、「あそぶひと」blog.goo.ne.jp/moto-c/e/dad66… ということになる。 from Twitter Web Client返信 リツイート お気に入り Follo . . . 本文を読む

薄明

2015-01-30 22:17:06 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)
かはたれどき ややもやがかかって   高台のわたくしたちの家 縁側にわたくしたちが並んで立って   国道沿いにならび それに交差してならび あるいは無造作に点在する街灯が まだまぶしい時刻 川面に やや明らむ空が映り   妻問婚の時代であれば 後朝(きぬぎぬ)の別れの刻か 数か月前のわたくしも あの川沿いの道を急いでいた   . . . 本文を読む

1月28日(水)のつぶやき

2015-01-29 01:22:50 | つぶやきまとめ
 千田基嗣 @motochida 22:37 寝る女 goo.gl/UM6dEp from gooBlog返信 リツイート お気に入り  千田基嗣 @motochida 22:45 著者ご本人から、「久しぶりにおなかの底から笑った」と言っていただいた。有難い。気仙沼市広報元旦号図書館のページに掲載した新刊案内の詳しい中身、ということになる。 blog.goo.ne.jp/moto-c/e/e . . . 本文を読む

寝る女

2015-01-28 22:30:46 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)
女が寝ている着衣の女がタオルをかぶって ベージュの靴下はくるぶしをやっと隠す短さダブダブの黒いニットパンツにグレーのⅤネックTシャツで髪はショート 街の路地の白い壁の「唇」ヘアスタジオで切ってきたばかり 女が寝ているカシミール産の丸い絨緞のうえに 街の輸入雑貨やで買ったんダーナ 唇を無防備にわずか開き両手を顔の両脇に小さくあげ脚をくの字に曲げて&n . . . 本文を読む

1月27日(火)のつぶやき

2015-01-28 01:22:13 | つぶやきまとめ
 千田基嗣 @motochida 22:52 おはようおいしいものたち blog.goo.ne.jp/moto-c/e/0afce… from gooBlog返信 リツイート お気に入り  千田基嗣 @motochida 23:05 ひとつの断層 blog.goo.ne.jp/moto-c/e/14527… from gooBlog返信 リツイート お気に入り Follow @motoc . . . 本文を読む

ひとつの断層

2015-01-27 22:59:53 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)
愛しあってるかい? 求めあってるかい? 生活しているかい?   ぼくが背負うモノ あなたが背負うモノ ぼくたちが担うモノ   悪魔が笑う夜 愛するモノたちが沈黙し 愛の形式をなぞるのをやめ ぼくがテレビを眺め あなたは台所に立ち ピンクの細かな花柄エプロンの背中の結び目に目をやるとそれはいつものように結んであるがあなたはこちらをふりむかず   . . . 本文を読む

おはようおいしいものたち

2015-01-27 22:46:26 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)
おはよう おいしいものたち 今日も一日よろしく 温めたミルクにソーセージ入りのパン   おはよう おいしいものたち 冷たい空気 明るい朝の光 玄関にさしこまれた新聞 寝床から呼びかけるおまえの声   詩集湾Ⅱ 第Ⅳ章幻想旅行 より   2015年の注;これは特段の注記なし、だな。 . . . 本文を読む

休日・朝

2015-01-26 00:19:08 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)
ねえ ぼくはまだ寝ている 休日・朝 半分開けたドアの向こう(左手にステレオのスピーカ) 六畳と食堂=台所を仕切る開ききらない硝子戸の向こう(テーブルと椅子・食器棚) 食堂と洗面所をへだてるはずだが全開の引き戸の向こうに(洗たく機) 明るい朝の陽光をうける曇硝子の窓があって そのなかであなたが歯をみがいている まだパジャマのまま ふちどりが ほら 光っているまっ白なシルエットになっ . . . 本文を読む

真摯な若者

2015-01-19 09:32:15 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)
ぼくは真摯な若者だった 臆病な青年だった   妻よ、ぼくはあなたを愛する 美しい妻よ、あなたはぼくに世界を与えた かって、ぼくの手は世界に届かなかった ぼくの見た世界はぼくののばした手のずっと向こうにあるか、あるいは、だらしなくおとした手の中にあった ここかあるいはあそこか それらふたつの世界は決してふれあうことがなかった   永遠の(とおもわれた)悲しいす . . . 本文を読む

プール

2015-01-17 23:38:28 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)
ポスターなんかで見るとおり 樹頂からまん丸く放射状に葉を茂らせたヤシの木を背景にして 雲のない空の下 珊瑚礁の海岸近くのホテル まっ青なプール   (空色のペンキで底を塗っているのだ)   水の中のコンクリートの椅子に腰かけるとそこがプール・バー 雲のない空の下 ビンタンという名のビールを飲み インドネシアタバコのグァラムを喫う (丁子入り 喫い口ヴァニ . . . 本文を読む