ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

アレクサンダー・ローエン うつと身体 〈からだ〉の声を聴け

2018-02-12 22:45:06 | エッセイ
翻訳 中川吉晴 国永史子    ココ・カラの村上朋子さんからお借りした本だが、しばらく借りっぱなしでそのままにしていた。  恐らく本には読むタイミングというものがある。ようやくそのときが来た、ということなのかもしれない。  アレクサンダー・ローエンは、アメリカの精神科医。フロイトの弟子のライヒの弟子ということになるようだ。フロイトが無意識をあくまで精神のことと考えたのに対し、ライヒは肉体と . . . 本文を読む
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大澤真幸 〈世界史〉の哲学 近世編 講談社

2018-01-08 10:58:26 | エッセイ
 たいへん、大柄なタイトルを構えたシリーズの5冊目である。  講談社の「群像」に連載しているとのこと。「古代編」、「中世編」、「東洋編」、「イスラム編」と来ての「近世編」である。ここでの世界史とは、ギリシャとキリスト教とを淵源にもつ社会、ヨーロッパの歴史とほぼ同義である。「東洋編」と「イスラム編」をあえて立てているというのは、東洋でもイスラムでもない残余、つまり西洋のキリスト教圏のことが中心であ . . . 本文を読む
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村上春樹 騎士団長殺し 新潮社

2017-12-17 16:22:05 | エッセイ
 第1部顕れるイデア編、第2部遷ろうメタファー編と、続けて、しかし、ずいぶんと時間をかけてゆっくりと読んだ。  小説としては、7月末に蓮實重彦「伯爵夫人」を読み終えているので、その後読み始めたものと思う。9月12日に第二部の165ページ、また181ページに気になる表現があったのでメモしている。で、いつだっけ、12月に入って、思い切って読み終えることにした。  なにか、ずいぶん、ぐずぐずと読み終 . . . 本文を読む
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小林政広監督  映画 気仙沼伝説

2017-12-04 23:58:17 | エッセイ
 小林政広監督の映画が、仙台で上映されるということで、観てきた。  11月23日、仙台桜井薬局セントラルホールにて、カナザワ映画祭全国巡業の一環ということである。  私が、観光課時代、気仙沼コンベンションビューロー協議会という組織を立ち上げて、企画課長という肩書で仕事し、各種大会などの誘致、業務支援を行ったなかで、フィルムコミッションとして、映画撮影の現地支援も行っていた。小林監督の「気仙沼伝 . . . 本文を読む
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竹内英典詩集 歩くひとの声  澪標(出版元)

2017-12-03 12:13:56 | エッセイ
 冒頭の「手についての断章」から、第一連を引く。   「樹木に囲まれた瀟洒な洋館のなかで  手を見ていた  彫刻家がつくりだした手たち  愛し合うものの手 神の 悪魔の 聖堂と名づけられた手――  ひとつひとつの手を扉をあけようとしていた  何かが現れようとしていた  不意に低音のフランス語がひびき囲んでいたひとたちが小さくどよめいた  案内してくれた女性が眼を覗きこむようにして . . . 本文を読む
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現代思想 2017.8月号 特集「コミュ障」の時代 青土社

2017-12-01 23:18:42 | エッセイ
 雑誌「現代思想」は、まさしく現代のアクチュアルな思想について、毎号特集を組み紹介している。その内容によって、ときどき買って読むことがある。今回は國分功一郎+千葉雅也の対談について、両氏のうちどちらかのツイッターで目にして目を惹かれた。  読みはじめて、実は、最近の私のアクチュアルな関心に沿うような内容であったことが判明した。  特集の冒頭は、平田オリザ「演劇を教える/学ぶ社会」。   「 . . . 本文を読む
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コマイぬ 「ラッツォクの灯」 第2回いしのまき演劇祭参加作品

2017-11-27 23:16:34 | エッセイ
 コマイぬは、黒色綺譚カナリア派に所属する石巻出身の俳優・芝原弘の個人ユニットだという。  「ラッツォクの灯」は、熊谷達也氏の仙河海シリーズの連作短編集「希望の海 仙河海叙景」所収の短編。仙河海シリーズは、中学校教師として気仙沼在住経験のある熊谷達也氏が東日本大震災のあとに、宮城県北の架空の都市・仙河海市を舞台に書き継いだ小説群。全8作の単行本が発刊されている。他の7作は、それぞれ1巻の長編小説 . . . 本文を読む
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マーサ・ナカムラ 狸の匣 思潮社

2017-11-17 14:36:20 | エッセイ
 2016年 第54回現代詩手帖賞受賞者のマーサ・ナカムラの第一詩集。  最近、文藝春秋の文学界11月号の巻頭に詩「恋は船に載って進む」が掲載された新進気鋭の詩人、ということになる。  実は、母親が気仙沼出身で、私とは又従妹、マーサさんの曾祖母が、私の祖母の妹である。ま、遠縁というのは、このくらいの間柄のことを言うのだろうな。  母のいなかの遠縁の伯父さんなんていうのは、昔で言えば旧世代の頑 . . . 本文を読む
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片山善博・糸賀稚児 地方自治と図書館 勁草書房

2017-10-30 00:13:35 | エッセイ
 片山善博氏は、元鳥取県知事、元総務大臣、慶応大学法学部教授(地方自治論)。  糸賀稚児(まさる)氏は、慶応大学文学部教授(図書館政策論)。    片山氏による「まえがき」から抜粋する。   「図書館と地方自治は互いにもっと理解し合わなければならない。こんな問題意識をずっと抱き続けてきた。」    ふつう、図書館というと、市や町の図書館、いわゆる公共図書 . . . 本文を読む
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内野安彦 図書館からのメッセージ@Dr.ルイスの“本”のひととき 郵研社

2017-10-25 18:42:07 | エッセイ
 内野安彦氏は、図書館人である。元鹿島市立図書館長、元塩尻市立図書館長。多くの大学で図書館にかかる講義をもたれる大学講師でもある。  実は、私と同い年1956年生まれで、ロックで育ったみたいな、履歴も共通している。彼は、ドラマーであったようだが、私はヴォーカル。一般職として自治体に勤務し、図書館に異動して館長を務めたという点でも一緒。  レッド・ツエッぺリンのドラマー、”ボンゾ&l . . . 本文を読む
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岡本優子 イン・ユア・アイズ

2017-10-24 13:13:50 | エッセイ
 ピアニスト岡本優子の2枚目のアルバム。  ワインとか、ウィスキーのグラスを片手に聴くのに最適な大人のジャズ。  Someday my prince will come (いつか王子様が…)といえば、私などはビル・エヴァンズと思ってしまうが、そうか、もとはディズニーなのか。でも、やはり、ビル・エヴァンズの演奏は10代のころから染みついている、といえる。エレガントでソフトで端正なジ . . . 本文を読む
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熊谷晋一郎・編 みんなの当事者研究 臨床心理学増刊第9号 金剛出版

2017-10-22 12:52:28 | エッセイ
 熊谷晋一郎氏の名前は、先般、國分功一郎氏の「中動態の世界」で知った。東京大学先端科学技術研究センター准教授である。   「筆者は、生まれつきの脳性まひという身体障害を持っており、車いすに乗って、24時間介助を必要とする生活をしている。」(160ページ)    身体障害の当事者であり、大学に籍を置く研究者である。  熊谷氏は、冒頭、当事者研究とは何か、と題して、 & . . . 本文を読む
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エッセイ 気仙沼の観光について 平成11年

2017-10-20 09:00:40 | エッセイ
頭注;これは、平成11年、1999年(20世紀の末年!)に書いたもの。いちど、2010年に掲載しているが、当時、長さの感覚が分からず、わざわざ上中下と3回に分けて掲載したもので、最近、この(上)だけが読まれているようなので、せっかくなので、その続きも最後まで読んで欲しいところなので、改めて掲載することにする。  実は、これは、当時発足しようとしていた最初の気仙沼観光戦略会議の冒頭の市長挨拶の原稿 . . . 本文を読む
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酒井俊を、ヴァンガードで聴いた

2017-09-23 22:10:21 | エッセイ
 2年ぶりの酒井俊である。9月19日、火曜日、気仙沼市南町ヴァンガードにて。バックは、ピアノに伊藤志宏、パーカッションは、井谷享志の二人。  歌も演奏も超絶技巧であるとか、肉体をもった存在自体が楽器であるとか、無機的な物質としての楽器では決してなく、生命に裏付けられ、深い感情に裏付けられた楽器であるとか、自由自在に闊達で、しかも、声の軸に一寸一分の迷いも狂いもないとか、いろいろ言うべきことは多い . . . 本文を読む
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岡本真 ふじたまさえ 図書館100連発  青弓社

2017-09-17 00:26:28 | エッセイ
 ARG=アカデミック・リソース・ガイド代表取締役と、同社ディレクターを務めるおふたりの共著。ARGの発行する、図書館に関する雑誌LRG=ライブラリー・リソース・ガイドの人気企画「図書館100連発」、トータルで400の本数の中から、100を厳選したもの。  この百本のアイデアは、どれも優れたもので、しかし、すぐにでも取り組めるものである。  冒頭で、岡本氏はどんなことを言っているか。 &nb . . . 本文を読む
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